井出草平の研究ノート

等可処分所得のジニ係数比較とか

注:上にいくほど格差があるということ

日本(平成11 年)………平成11 年全国消費実態調査より
日本(平成6年以前)…経済企画庁経済研究所 経済分析政策研究の視点シリーズ
11(1997 年11 月)より
日本以外…ルクセンブルク所得研究(LIS)プロジェクトより


国際的にみればアメリカがやばいのは一目瞭然。あと、細かな違いはあるが先進国のジニ係数は全体的に上昇してる。


「日本は終わりだ」的な悲観論が覆っているが、この話は「日本」とかそういう範囲で語るべき問題では根本的にはないはずだ。「日本」というローカルな言説ばかりの流通は非常に違和を感じる。


特にスウェーデンジニ係数が激増していることには注目だろう。福祉国家の敗退以後に私たちが望むべき社会とは何か?


日本国内に限定すれば、こういうデータがあるのか。

勤労者世帯に於ける実収入ジニ係数の時系列推移

出所:総務省「家計調査」

所得格差がどんどんと広がってますという世間一般の説明をここから引き出してくることは不可能。60年代の方がずっとヒドい。

所得再分配調査による当初所得ジニ係数の推移

出所:厚生省「所得再分配調査」
全体でみれば0.3-0.4(再分配)をうろついている感じ。表現としては「微増」が適当か。


格差は広がっているんだろうし、それは問題なんだろうし、対策もうたなきゃならない。でも、そんなに騒ぐほどではないとも思える。


表をいただいたところ
http://seminar.econ.keio.ac.jp/yoshino/file/paper2003/shotoku.pdf (PDF)