ニートの1割がひきこもりの根拠


先日のエントリについての補足(id:iDES:20060317:1142588317)。稲葉振一郎本田由紀・若田部昌澄の対談(諸君3月号)の中で本田発言より。

私の試算では、「ひきこもり」は「ニート・八十五万人」の約一割に過ぎないと思われます


18日のイベントにおいて本田氏から、根拠は内閣府「青少年の社会的自立に関する意識調査」であるとの発言があったとのことである。

青少年の社会的自立に関する意識調査(参照:概要結果)


本田氏によると、極端に外出頻度の少ない人(週に1回程度)、もしくは友人がいないという人を計算したという。


まったくフォローが出来ていないので1割の推定が妥当かどうかよく分からない。


ざっと見た限りの要検討項目は、「概要」内にある調査方法が「調査員による個別面接聴取法」となっている点。すぐに思いつくのは「ひきこもりが個別面接聴取に来るわけがない」ということだろう。


こういう調査の弱点を持ち出して、岡山大学のひきこもり41万世帯という数値*1を押し出し、「ニートの1割がひきこもり」という推論を批判することも可能なのかもしれない。しかし、そのような言動は安直である。岡山大学の調査もきっちりとしたものではなく、母集団の問題・推論等々問題含みだからだ。


「ひきこもり」という存在は量的調査で引っかけることが非常に難しい。現在使えるデータは厚生労働省「ひきこもりガイドライン」を策定する時に保健所などを通した調査と、現代教育研究所(文部科学省)による不登校の追跡調査だろう。この辺りから、複合的にひきこもりの量的な位置づけを描く必要がある。


このような新コーナーを「論点ひきこもり」に作ろうと考えている。各種調査が出す数値は一人歩きをしやすい。検討を加えた上で、複合的に現象を捉えることが必要である。