鹿児島における摂食障害の発症頻度の研究

分担研究者:成尾鉄朗(鹿児島大一内科)
研究協力者:赤嶋裕嗣,穂満直子,武井美智子.田中弘允(同上),
増田彰則.野添新一(鹿児島大心身医療科)
古賀靖之(鹿児島大学病院中央心理室)
「鹿児島における摂食障害の発症頻度の研究」
『厚生省特定疾患 中枢性摂食異常調査研究班研究報告書』平成6年度研究報告書.

我が国では,ANに関する学術的な報告としては1930年代までは見当たらないが,1941年に山口,荻原らが日本消化器学会誌にANの症例を報告し,鹿児島では1962年には山本が初めての症例報告を行っている。

特に,12〜30才女性人口における発症率は,当初の0.06から1986〜1990年の3.10と大幅に増加していた。この増加傾向の流れの中でも,特に1960年から70年代にかけて急激な増加が見られた。

その結果,Suematu(1985)の1976年から1980年にかけてANの倍増が認められた報告と類似して,1971年から1980年の間に同様に倍増する傾向が認められた。このことの原因を限定することはできないが,日本の戦後の経済発展,少子化,格家族化(ママ),そして子供の体型の急激な変化など多岐にわたる要因が影響していると思われる。
 ただし,このようなEDの急増にもかかわらず我が国では,欧米と比較して絶対的に患者数が少ない点に,EDの根本的な相違が含まれると考えられる。Mumford(1991)の報告では,アジアの少女はEATスコアは高くても,BSQ(Body Shape Questionnaire)は低いとされており,欧米人の患者よりも,初めは家族や社会的な因子の影響を受けて発症するケースが多いと考えられる。


幾つかの重要なデータ。クリップ。


この論文で引用されている文献も要チェック。

SUEMATSU, H., ISHIKAWA, H., KUBOTI, T. et al (1985) Statistical studies on anorexia nervosa in Japan : detailes clinical data on 1,011 patients. Psychotherapy Psychosomatics, 43, 96.

MUMFORD, D. B., WHITEHOUSE, A.M.& PLATTS, M. (1991) Sociocultural correlates of eating disorders among Asian schoolgirls in Bradford. British Journal of Psychiatry, 158, 222 - 228.