順序尺度と間隔尺度

カテゴリーは、場合によっては数量化してとらえることができます。この調査の場合、50個の変量はそれぞれの意見項目に対する賛成度なのだと考え、「まことにそう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかといえばそうは思わない」「少しもそうは思わない」の4種のカテゴリーは、前から順に賛成度の「強さ」を表現しているのだと考えられます。そこで、それらに順に4点、3点、2点、1点という配点を与え、数量化することにします。
(三土修平数学の要らない因子分析入門』8頁)


三土氏は順序尺度を事後的に間隔尺度にリコードしている。が、これは一応、やってはいけないことになっていたような気もする。

 間違いやすいのは順序尺度もOKだと思ってしまうことです。一般に,因子分析というと,質問項目に対して,「そう思う」から「そう思わない」といったような5件法や7件法の回答を使うことが多いようですが,厳密にいうと,これはだめなのです。たとえば,次のような質問をすることがあります。

(例1)次の5つから選択してください
・そう思う ・少し思う ・どちらでもない・あまり思わない・思わない


 なぜだめかというと,それぞれの項目に対する数量化が厳密にはできないからです。このような質問の回答に対して,次のように数値を対応づけて行ないますが,この対応づけがまずいのです。


 そう思う 5  少し思う 4  どちらでもない 3  少し思わない 2  思わない 1


 ここでは勝手に5点から1点までを対応づけていますが,人によっては,「そう思う」が5点,「どちらでもない」を3点としたときに,「少し思う」は4.5点くらいだとも考えられます。4点ならば,「ちょっと思う」ではないかという人もいるでしょう。この場合,はっきりしているのは,「そう思う」,「少し思う」,「どちらでもない」,「少し思わない」,「思わない」は,思うから思わないまで,この順序であることだけです。そのため順序尺度といわれます。それぞれの項目間の違いを,数値では1点ずつで等しく変換してしまっていますが,人間の感覚と対応しているとは言えないのです。
 この場合,あくまでも順序が有効なのであって,数量的な間隔の対応はまったくの任意
です。調査した人が勝手に1,2,3,4,5と対応づけているだけです。場合によっては,10,17,20,25,50と数量化するのが妥当なのかもしれません。いずれにしても,ただ,ことばでの選択の場合,どのような数値に対応するのかは決めることができません。 そこで,そのような問題を回避するために,実際には,質問紙の中に,「そう思う」という言葉だけが書いてあるのではなく,そこに数字の「5」も書いてあって,そこに○をつけてもらうということにします(例2)。そこで,次に述べる間隔尺度と同じような扱いにしてしまってもかまわないでしょう。


(例2)次の5つから選択してください
5.そう思う 4.少し思う 3.どちらでもない 2.あまり思わない 1.思わない

(松尾太加志・中村知靖『誰も教えてくれなかった因子分析―数式が絶対に出てこない因子分析入門』31-2頁)


手続き的には事前に間隔尺度として質問紙に書き込むべきだろう。