井出草平の研究ノート

岩橋和彦「精神科医療サービスを上手に受ける方法」


精神科医療サービスを上手に受ける方法―心の問題で困ったときに

精神科医療サービスを上手に受ける方法―心の問題で困ったときに


ぱらぱらと読む。
前半が病態別の記述。後半が医療制度などの解説になっている。
ネットで手に入れられる情報ばかりだろうが、1冊にまとまってると、何かと使い勝手が良い。(ネットを使わない人に説明する時とか)


「ひきこもり」や「摂食障害」についての記述も有り。記述は正確だと思う。
「ひきこもり」についてはこんな記述もあった。

 この特集では、親子の粋が実は当の引きこもっていた息子にも重荷となっていて、両親と息子それぞれがその終にしばられて、なかなかリセットできなかったことが、引きこもりが延々と続いた原因のひとつではなかったかという論調で締めくくっているように思いました。私がこの記事を読んで心に思ったことは、「引きこもりに限らず、親子、あるいは夫婦ならばこそ、その絆というものの業の深さが、さまざまないい面も悪い面も生み出しているのだな」ということでした。


ガチガチに無駄を省いた簡潔な記述の本という訳でもなく好感が持てる。
後半には「32条」の記述もある。

精神保健福祉法による医療費負担制度、措置入院公費 負担制度》


通院医療費公費負担制度(精神保健福祉法32条
 通院医療費公費負担制度は、精神保健福祉法5条に定められた精神障害精神疾患をもつ人を対象に、医療費自己負担分を補助する制度です。この制度を使うと、医療費自己負担分は医療費全体の5%になります(図8)。
 この制度が適用されるかどうかの判定は、病気の症状や障害の状態を基準に行われますが、たとえば「統合失調症の疑いがある」という場合でも、通院による治療が必要だと認められれば適用されます。また、病院に支払う費用だけでなく、訪問着護やデイケアにかかる費用、往診費用、処方箋による薬の購入費も対象になります。症状や状態がよくなったというときも、その状態を維持し、再発を防止するために継続的に治療が必要であれば、補助は継続されます。
 ただし、精神障害や精神病と直接関係しない病気の治療費は対象になりません。
 申請は、市区町村の窓口に診断書とともに申請書を提出して行いますが、病院で代行してくれるところもあります。精神保健福祉手帳をもっている人は診断書が必要ありません。

 なお、診断書の費用、申請のための初診費用は、公費負担の対象となりません。


措置入院の入院費公費負担
 精神障害者やその疑いがあると認められ、自分や他人を傷つける恐れがあるとみなされた場合に、都道府県知事は障害者を強制的に入院させる命令を下すことができます。これを措置入院といいます。このような強制的な措置入院となったとき、入院自己負担金は障害者本人ではなく、公費でまかなわれます。


やはり、使えるなら使った方が良い制度。