井出草平の研究ノート

アメリカは出生率2.0を守れるか

『from 911/USAレポート』第251回「アメリカは出生率2.0を守れるか」
冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)


JMMの連載から。アメリカの合計特殊出生率は高い。

 現在のアメリカは、先進国中では高いほうである出生率2.0以上を維持しています。他でもない今話題のCIA(中央情報局)が各国の2006年の合計特殊出生率(以降「出生率」とします)の予想値を公表しているのですが、これによると2.09だそうで低落傾向が続いているものの、まだ2.0を維持していることには変わりません。

 もっとも、この2.09という「高い」数字には秘密があります。それはヒスパニック系の数字が全体の平均を押し上げているという点です。連邦政府の「センサス(国勢調査)」データに基づく発表によれば、白人の中でヒスパニック以外の白人の出生率は1.85であるのに対して、ヒスパニック系は2.80と高率だからです。


アメリカでも階層や地域によって、出生率は違ってくるのだろうから、実証的な規定要因を特定した研究が読みたいところ。



どうも韓国が2000年に激減したという現象があったらしい。
出生率の著しい低下 ―合計特殊出生率 韓国1.19、日本1.29―

The reasons behind the falling fertility rates include increased female participation in the society, late marriages and old-age childbearing, rising housing costs, employment instability, poor childrearing environment and high private education fees.
http://english.donga.com/srv/service.php3?biid=2006050951328


韓国の出生率の低下の原因は、女性の社会参加、晩婚化と晩産化、居住コストが高い、雇用が不安定、子育て環境が悪い、教育費の高いなどらしい。