筒井末春「大学生の食習慣及び食行動異常に関する検討」

筒井末春,1994,
「大学生の食習慣及び食行動異常に関する検討」
『厚生省特定疾患神経性食欲不振症調査研究班 平成4年度研究報告書』


一般大学生への量的調査

一方,ボディーイメージについては自らを太っていると考えているもの1702名(53.6%),やせていると考えているもの112名(3.6%)であった。


標準体重内であるにもかかわらず「太っている」と認識している人が半数以上(一般大学生内)。月並みだが、太っていないにもかかわらず太っている認識をもたらしている社会的要因があることが指摘できる。


調査結果を受けての考察。

 食行動異常の頻度についてはpyleがすでに大学の新入生を調査し,女子で7.8%,男子で1.4%が摂食障書と診断されることを報告しており本調査においても食行動異常者の存在が予測された。
 EAT-26平均スコアは5.82点であったか.昭和60年度に末松らが308人の高放生および大学生を対象に行なった調査の平均が5.6点であり.ほぼ同様の結果であった。しかし摂食態度異常と判定された率を比牧してみると,1983年にMannらが15歳の女子学生加262名を対象とした諷査では6.9%であった。Johnson-Sabineらが1988年に報告した14〜16歳の女子学生1010名を対象にしたもので8.2‰ またMumfordらが1991年に報告した14〜16歳のアジア系女子学生204名の調査では12.3%,白人系では8.7%であった。諸外国の結果に比し我々の調査では5.1%と明らかに低頻度である。平成3年に行なった調査でもほぼ同様の結果が得られており,諸外国の結果に比し,今回の大学生の調査結果は明らかに低頻度であると考えられる。しかし食事習慣の調査結果でも明らかなように食習慣の乱れた予備軍は多数存在することが確認された。


西欧に比べて日本の発生頻度は低い。EAT-26のスケールを使用しているので、これは拒食症に関して。過食症に関しては西欧と同レベルという結果が出ている(別調査)。


調査の概要は以下。

 某大学の女子在学生を対象とした平成4年4月に行なわれた健康診断に並行して、無記名のアンケート方式による訴査を行なった。アンケートはその場で記入してもらい即日に回収した。アンケートは54問からなり,睡眠・食事・嗜好品・運動などの生活週間については今回作成した28問の質問項目によって調査した。食行動の問題についてはGamerらによるEAT-26の邦訳版(26問)を用いた。


健康診断の際に行った調査。質問紙に必ずしも本当のことが書かれていない可能性は十分に考えられる。なぜならば、異常な摂食行動は隠される傾向にあるからだ。この方法でどこまで確実に推定できるかということは疑問かもしれない。しかし、これ以上よい方法も考えられないので、この数値は参考とすべきだろう。


結果概要

 EAT-26の平均値は5.82士6.66点であった。EATスコアが25点以上のものは73名(2.4%).20〜24点のものは84名(2.7%)であり摂食態度に異常があると判定されたものは157名(5.1%)であった。なお15〜19点のもの132名(4.3%),10〜14点のもの333名(10.8%).そしで9点以下のものが2457名(79.8%)であった。
 EAT-26の項目について見てみると体重増加への不安を訴えたもの52.4%,やせ願望を有するもの32.4%であった。また制止できずに大食するもの17.3%,ダイエット中であると答えたもの9.8%,食後に嘔吐衝動を有するもの2.3%,食後に嘔吐習慣を有するもの1.2%であった。