大澤真幸「オタクという謎」

大澤真幸「オタクという謎」,
『フォーラム現代社会学』第5号 2006


関西社会学会の会報誌。送ってきたので読んでみた。
1年前に生でも聞いたが、非常に面白い。

 同じことは、後年のオタクたちにも妥当するのではないだろうか。オタクたちは、常に、ごく些細な、極端にローカルで部分的な何かに、情熱を差し向ける。だが、その一小部分に、その断片に、普遍的な世界が圧縮され、写像されているのである。


ガンダムであったり鉄道などのものに「世界」を見ているのだと大澤は言う。

 こうした事実から、推論しうる仮説は、こうである。本来、異質な他者たちを含む普遍的な社会空間を見通しうる超越的な視点の座が希求されていたのである。そうした視点の座が、今日では、同質的な他者たちのみが参加する、排他性の強い−しばしばサイバースペース上で展開する−共同性へと投射されているのではないか。つまり、社会性に関しても、普遍性が特殊性へと反転して現象するところに、オタクの特徴があるのではないか。社会性が、その反対物として−非社会性として−現象するという逆説が、オタクのもうひとつの不思議がある。


世界を見るという普遍的な欲望が特殊的なもの(ガンダムとか鉄道とかというもの)を通して見られる逆説である。