野村佳絵子「アンケート調査から探る摂食障害の実態」

野村佳絵子,
「アンケート調査から探る摂食障害の実態」
『龍谷大学社会学部紀要』 (24),55〜66,2004.


自助グループに対するアンケート調査。


当事者は自身の症状を以下のように捉えているという。



ネガティブに意見が多い中で、うまくつきあっている(10.5%)、慣れていて仕方ない(28.1%)という共存する傾向の回答も見られる。この質問文は複数回答なので、ネガティブな認識と共存指向が同時に答えられているようだ。症状が無くなったら無くなったで良いけども、あるうちは共存していこうという方向性。


ちなみに野村氏の研究意義は次の通り説明されている。

Aさんは拒食症,Bさんは過食症とレッテル張りをするのではなく,彼ら(摂食障害を抱える人や周りで見守る人たち)の代弁者として,社会学の土壌へ彼らの声を届ける役割を担う。


また、興味深い一節があった。

何がしんどくて,何がさみしいのか,あるいは何が悲しいのか。それらを探し求める表現手段の一つが,「過食」であったり「拒食」であったりするのであろうか。


目に見えない「気持ち」が摂食障害というものを通して語られているという視点である。アレキシサイミアと通じる考え方だろう。