社団法人埼玉県精神保健福祉協会ハンドブック「ひきこもり」



高畑隆が中心になって行った実態調査を一般向けハンドブックにまとめたもの。
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大分の調査とともにこの埼玉の調査は非常に見るべき所が多い。

学校に行かない、仕事に就かないなど、社会や人とのつながりがなくなります。特定の人とのつながりは、ある程度維持している方が半数以上います(57.5%)。話をする相手は、家族・母親・友人・兄弟などです。
インターネットを使う方(18.9%)がいます、情報収集や買い物に使っています。
電話や携帯電話を使っている方もいます(22.8%)。


インターネット使用が約2割。斎藤環氏の『「ひきこもり」救出マニュアル』では1割という数字が上がっていた。


この調査の調査期間は2001年6-8月。最近、支援者の方などから聞いた話だと、「ひきこもり」のインターネット使用率は上がっているのではないかということ。確かに、ここ数年で非常に浸透したという印象はある。


外出について。

ご家族と一緒に外出ができる方がいます (30.7%)。
夜だけ、自動車などで外出できる方もいます(79.1%)。
一方で、まったく外出しない方もいます  (18.9%)。


全く外出しない人が18.9%。他の調査に比べると高いという印象がある。
『ひきこもりガイドライン」の巻末にあるデータ*1によると、8割の当事者が外出可能であり*2,自室から出ない当事者は4%であった。


また、KHJ親の会の調査*3によると、全く外出しないのは6.6%である。


家族とのコミュニケーションについて。

短い話をする方がいます(54.3%)。
ご家族と同じ場所にいられる方もいます(37%)。
ご家族から声かけできる方もいます(26%)。


ここから、家族内の会話は、事務連絡のような会話だということがわかる。
余談だが、発達障害のひきこもりの場合には、家族と同じ場所にいながら一人でいるという傾向があるが、(精神障害を原因としない)「ひきこもり」の場合は、家族からもひきこもる傾向がある。


「ひきこもり」の出現傾向について。

 ひきこもりの状態にある方で不登校を経験した方は(64.6%)で、13歳から15歳頃にひきこもり(不登校)が始まっています。不登校の経験がない方は、19歳から20歳頃にひきこもりが始まっています。


不登校経験は64.6%(高校を含むかは不明)。不登校経験があるか無いかで、出現傾向に相違が見られるというのが結構重要。

*1:『厚生労働科学研究費補助金 こころの健康科学研究事業:地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究』H12一障害−008

*2:「「社会的活動以外は外出自由(26%)」「条件付きで外出可能(55%)」「外出できないが家庭内では自由(15%)」「自室で閉じこもっている(4%)」となり,約8割が相談援助機関などの行き先の限定や,保護者同伴といった制限はあるものの家庭外への外出が可能であった.」(小林ほか,2003,「「社会的ひきこもり」を抱える家族に関する実態調査」『精神医学』45[7],749〜756: 752

*3:NPO 法人全国引きこもりKHJ 親の会,2005,『「ひきこもり」の実態に関する調査報告書』.http://www.khj-h.com/sozai/2005tyousa.pdf[PDF]