井出草平の研究ノート

防風通聖散と防己黄蓍湯


肥満に効くと言われている防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)と防己黄蓍湯(ぼういおうぎとう)。どちらも、漢方である。
摂食障害の人が、「むくみ」取りとして利尿剤を使うことがある。利尿剤に関してはDSMにも記載されている。ただ、日本では利尿剤は医者の処方がなければ買うことが出来ないので、利尿剤の使用は珍しい。利尿剤の副作用は致命的な場合もあり、使うべきではない。別のむくみ取りが無いものかと思って、友人に相談したところ、防風通聖散と防己黄蓍湯があるということなので、メモとしてクリップ。



防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

ツムラ・他】
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症。
高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘。


【コタロー】
脂肪ぶとりの体質で便秘し、尿量減少するもの。
常習便秘、胃酸過多症、腎臓病、心臓衰弱、動脈硬化、高血圧、脳いっ血これらに伴う肩こり。


【三和】
脂肪ぶとりの体質で便秘したりあるいは胸やけ、肩こり、尿量減少などが伴うものの次の諸症。
肥満症、高血圧症、常習便秘、痔疾、慢性腎炎、湿疹。
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200130.html

  • 体の虚弱な人には向かない
  • 便秘がちの人向く

防風通聖散に含まれるダイオウ(参照)は便秘薬に配合されるものなので、下痢が起こることもある。


ツムラカネボウから発売されている。小林製薬からは「ナイシトール」という名前で発売されており、、CMなども放映されている。(参照:http://www.kobayashi.co.jp/seihin/cf/MoveFile/ns_t2.asx)
金の時代の処方であり、漢方の中では新しい部類のものらしい。



●防己黄蓍湯(ぼういおうぎとう)

ツムラ
色白で筋肉軟らかく水ぶとりの体質で疲れやすく、汗が多く、小便不利で下肢に浮腫をきたし、膝関節の腫痛するものの次の諸症。
腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、せつ、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順。


カネボウ・他】
色白で疲れやすく汗のかきやすい傾向のある次の諸症。
肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、関節痛、むくみ。


【コタロー】
水ぶとりで皮膚の色が白く、疲れやすくて、汗をかきやすいか、または浮腫があるもの。
関節炎、関節リウマチ、肥満症、多汗症
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se52/se5200129.html


こちらは、防風通聖散よりはマイナーな漢方。漢の時代の処方だそうだ。ツムラカネボウなとから販売されている。


防風通聖散は「固太り」、防己黄蓍湯は「水太り」(女性)への処方だと説明されている。


 いわゆる「肥満」には、男性に多い内臓脂肪型と女性に多い皮下脂肪型があります。主に内臓脂肪型はウエストや目のあたりが太り、皮下脂肪型は下腹部やお尻、ふとももなど下半身が太るのが特徴です。漢方では、肥満を筋肉質でがっちりした「固太りタイプ」、
皮下脂肪が多い「水太りタイプ」に分けて考えます。中年以降の太りすぎは、ほうっておくと膝の関節を傷めたるだけでなく、とくに内蔵脂肪が必要以上に多くなってくると、糖尿病、高脂血症、高血圧、心臓病、痛風、肝臓病などの生活習慣病を引き起こす傾向が高まり、注意が必要です。脂肪を減らすには、食事療法と適度な運動、そして規則正しい生活が大切です。
−−−−ツムラ 漢方ミニ知識シリーズ 「ウェストまわりが気になる人 お腹の贅肉を撃退しよう!」


つまり、内臓脂肪には防風通聖散、皮下脂肪には防己黄蓍湯ということらしい。
ということは、やはり防己黄蓍湯の方が使いやすいという気がする。