井出草平の研究ノート

<抗うつ剤>服用24歳以下で自殺行動 米FDAが警告強化

 米食品医薬品局(FDA)は12日、日本でも販売されている「パキシル」(塩酸パロキセチン水和物)などの抗うつ剤すべてで、服用すると自殺のリスクが高まるとの添付警告の対象を、現行の「小児と思春期の患者」から24歳以下に拡大するよう精神薬の諮問委員会に提案した。同委は対象の拡大を妥当と判断した。
 FDAがパキシルプロザックゾロフトなど11種の抗うつ剤に関する372件の治験データ(計約10万人分)を調べたところ、18〜24歳の患者で偽薬を服用した場合に比べ、自殺や自殺未遂、自殺願望を持った事例が有意に多かったという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061214-00000046-mai-soci


抗うつ剤」となってるが、実際はSSRIへ自殺リスクについの警告である。現在、FDAは小児と思春期に関するSSRIの投薬を許可していないがFDAは小児と思春期に関するSSRIの投薬について添付警告を出しているが、その年齢基準を24歳以下まで引き上げるように提案したという記事。SSRIを飲んだら自殺するという記事がではない。SSRIは三環系などに比べて副作用が非常に低く、有効性のある薬剤なので、自殺リスクのみでSSRIの存在意義に疑問符がつくわけではない。


問題とされているSSRIは以下のもののようだ。


パキシル(Paxil),ゾロフト(Zoloft), エフェキソール(Effexor),プロザック(Prozac),セレクサ(Celexa),レメロン(Remeron),ルボックス(Luvox),レキサプロ(Lexapro),セルゾン(Serzone),ウェルブトリン(Wellbutrin)


パキシルが特に問題視されているのは、パキシルが広く一般に使われている薬剤であることが主原因だろう。ただ、他のSSRIより自殺リスクが高まるという主張もあるらしい(参照)


この10種類のSSRIの中には、日本で「社会不安障害」の「適応」が認められているルボックス(フルボキサミン)も含まれている。


参照:


追記:
AFCPさんに指摘して頂いた箇所についての追記。

4.Are the drugs mentioned above approved for use in children and adolescents?


Prozac (fluoxetine) is approved for use in children and adolescents for the treatment of major depressive disorder. Prozac (fluoxetine), Zoloft (sertraline), and Luvox (fluvoxamine) are approved for use in children and adolescents for the treatment of obsessive compulsive disorder. The other drugs have no approved uses in children.


FDAは、プロザックは大うつ病への投与、プロザックゾロフトルボックス強迫性障害への投与を「認可」しているが、それ以外の薬は投薬の認可をしていないとしている。


AFCPさんによるSSRI関連の記事一覧


コメントに該当するのは「米FDA、パキシルなどの小児への使用を禁忌とせず」という記事だと思われる。