『思春期・青年期のひきこもりに関する精神医学的研究』

以前に紹介した『思春期・青年期のひきこもりに関する精神医学的研究』(主任研究者:井上洋一)の初年度の研究がPDFで公開されているようだ。

研究課題:思春期・青年期のひきこもりに関する精神医学的研究
研究年度:平成17(2005)年度
報告書区分:総括
主任研究者(所属機関):井上 洋一(国立大学法人大阪大学保健センター)
分担研究者(所属機関):北村陽英(国立大学法人奈良教育大学学校保健研究室)、齊藤万比古(国立精神・神経センター精神保健研究所)、本城秀次(国立大学法人名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター)、青木省三(川崎医科大学精神科学教室)、田中康雄(国立大学法人北海道大学大学院教育学研究科)、水田一郎(神戸女学院大学人間科学部)、生地 新(日本女子大学人間社会学部心理学科)、近藤直司(山梨県精神保健福祉センター)
研究区分 厚生科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究


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研究目的:
本研究は、成因論的にも、付随する状態像においても、また必要とされる対応においても多様性をもち、教育、福祉、医学、など多領域にまたがる現象である思春期・青年期「ひきこもり」についての理解を深め、対応における明確な基盤を与える目的で、精神医学的な視点から「ひきこもり」について明らかにしようとするものである。「ひきこもり」の経過、精神病理、精神医学的診断・治療等について思春期・青年期精神医学的観点からの理解を深め、精神医学的治療と他の領域からの支援活動との役割分担と連携についての根拠を明らかにすることを目指している。
研究方法:
本研究は大きく3つの分野に分かれて、「ひきこもり」についての精神医学的研究を行う。第一は、引きこもりの経過についての研究である。不登校と「ひきこもり」との関連性については知られているが、その関連の詳細については明らかにはされていない。不登校も視野に入れた引きこもりの縦断的研究が引きこもりの実態の理解に大きく貢献すると考えられる。第二は引きこもりと精神医学的な治療との関係についての基礎的な研究である。精神医学的治療を行う場合に、精神医学的診断体系の中に「ひきこもり」をどのように位置づけることができるのか、また精神医学から「ひきこもり」を見るとどのように捉えることができるのかという観点から検討する。「ひきこもり」に見られる精神症状ないし、精神疾患と「ひきこもり」との関連を明確にするための研究である。第三に青年期心性に焦点を当てた、発達論的視点からの研究である。青年期の発達論的視点は「ひきこもり」状態が形成される心理の理解および「ひきこもり」に対する支援の基本的な方向性を考える上で重要なテーマであり、「ひきこもり」の心理や支援の方法について検討する。
結果と考察:
上記の3つのグループに分かれた各研究者はそれぞれアンケート調査あるいは担当した事例の数的・質的調査を行い、一定の予備的なデータを得て、各研究者は「ひきこもり」について思春期・青年期精神医学的視点から初年度の研究をまとめた。
結論:
初年度である平成17年度は各分担研究者が、研究の全体像を定めるための予備的な研究を開始してそれぞれが一定の成果を得ることができた。その結果を元にして現況、問題点の明確化、研究方法について検討し2年度はさらに事例数を増やし、また予備的研究によって明らかにされた問題点をさらに深めていくことを目指している.


最新の平成17〜18年度の総合研究報告書には「思春期青年期のひきこもりについて−精神科臨床・精神保健福祉のための提言集−」というものがついている。こちらも是非PDFで公開してほしい。