千曲の女性殺害 玄関や窓、施錠して逃走

 千曲市磯部の無職、林絹子さん(72)方で刃物で刺された女性の遺体が発見された殺人事件で、千曲署の捜査本部(本部長・吉沢敏彦刑事部長)は15日、被害者の女性を林さんと特定した。捜査本部の調べで、林さん方は遺体の発見当時、玄関や窓にすべて鍵がかけられており、犯人が林さんを殺害後、施錠して逃走したとみられることが分かった。
http://www.sankei.co.jp/chiho/nagano/070516/ngn070516000.htm


生活保護家庭での母親殺害事件。犯人である長男は精神科への通院歴があるとのこと(参照)。ひきこもり関連である可能性がある。




殺人容疑で長男に逮捕状 千曲の女性刺殺 /長野県
2007年5月26日 朝刊 長野東北信・1地方 027 00427文字 朝日新聞

 千曲市磯部の無職林絹子さん(72)方で、林さんが他殺体で見つかった事件で、千曲署の捜査本部は25日、殺人容疑で林さんと同居していた長男の林興道(こうどう)容疑者(36)の逮捕状を取った。興道容疑者は事件発覚後、所在が不明になっており、捜査本部が引き続き行方を捜している。
 捜査本部によると、林さんの寝室には、林さんの血痕がついた上着が残されていた。周辺の聞き込みから、上着は興道容疑者のものであることが分かったという。遺体のそばで林さんの血液がついた包丁も見つかっており、鑑定の結果、殺害に使われた凶器と特定された。捜査本部は興道容疑者が林さんを刺し、逃走したとみている。
 林さんは14日、自宅寝室で上半身に複数の刺し傷を負い、うつぶせに倒れ、毛布が掛かった状態で見つかった。
 捜査本部は、目撃情報などから林さんが11日以降に殺害されたとみている。興道容疑者には全国の広い範囲を転々としていた経緯があり、かつての住居や職場の周辺で捜査が進められている。



殺人容疑で長男を逮捕 「殺すつもりだった」供述 千曲女性殺害 /長野県
2007年6月2日 朝刊 長野東北信・1地方 027 00417文字 朝日新聞


 千曲市磯部の無職林絹子さん(72)が5月中旬、自宅で殺害されて見つかった事件で、千曲署の捜査本部は1日、林さんと同居していた長男で職業不詳の興道容疑者(36)を殺人容疑で逮捕した。興道容疑者は「殺すつもりだった」などと話しており、容疑を認めている。
 興道容疑者は事件発覚後の行方が分からなくなっていた。捜査本部は今後、殺害の動機や逃走の足取りなどを調べる方針。
 興道容疑者は1日正午前、市内の金融機関で林さん名義の通帳と印鑑を使って、現金を引き出そうとしていた。金融機関の通報を受けて駆けつけた同署員の任意同行に応じ、容疑を認めたため逮捕された。興道容疑者は普段着姿でリュックサックを持っていた。
 興道容疑者は「東京方面に逃げていた」と話しているという。東京都内に土地勘があり、電車で逃げたらしい。
 調べでは、興道容疑者は5月11日正午ごろから14日午後2時50分ごろまでの間に、自宅寝室で林さんの首などを包丁で刺し、殺害した疑い。




殺人容疑で長男を送検 千曲の女性刺殺 /長野県
2007年6月4日 朝刊 長野東北信・1地方 033 00379文字 朝日新聞


 千曲市磯部の無職林絹子さん(72)が先月、自宅で殺害された事件で、千曲署の捜査本部は3日、同居の長男で職業不詳、林興道(こうどう)容疑者(36)を殺人容疑で地検上田支部に送検した。
 調べでは、興道容疑者は5月11日正午ごろから14日午後2時50分ごろまでの間に、自宅寝室で林さんの首などを包丁で刺し、殺害した疑い。1日、市内の郵便局の窓口で林さん名義の通帳を使って現金を引き出そうとして同署に通報され、逮捕された。興道容疑者は容疑を認めている。
 興道容疑者は自宅から複数の通帳を持って東京都内に電車で逃げていたらしい。千曲市内には「1日に戻ってきた」と話しているという。
 林さんは自らの生活保護費で興道容疑者と暮らし、生命保険はかけられていなかったという。捜査本部は、金欲しさだけでなくほかにも動機があるとみて、引き続き調べる方針。(伊豆丸展代、池田拓哉)



「母親憎かった」長男を鑑定留置 千曲の女性刺殺 /長野県
2007年6月21日 朝刊 長野東北信・1地方 025 00265文字 朝日新聞


 千曲市磯部の無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件で、地検上田支部は20日までに、殺人容疑で逮捕、送検された長男(36)の刑事責任能力の有無を確かめるため、鑑定留置を地裁上田支部に請求し、認められた。供述内容から、責任能力に問題があると判断したという。9月18日まで鑑定留置される予定。
 千曲署の捜査本部の調べで、長男は5月12日未明に絹子さんを刺殺したことが分かった。絹子さんの遺体は同14日に発見された。長男は東京都内へ電車で逃走していた。
 殺害の動機について、長男は「長年の憎しみが重なった」などと話しているという。



顔に刺し傷、72歳?殺害 千曲=長野
2007. 05. 15 東京朝刊 長野 31頁 461字 03段 読売新聞

 14日午後2時50分ごろ、千曲市磯部、無職林絹子さん(72)方で、体から血を流して死亡している林さんとみられる女性を、千曲署員が見つけた。顔などに複数の刺し傷があることなどから、県警捜査1課は殺人事件と断定し、千曲署に捜査本部(本部長=吉沢敏彦刑事部長)を設置、捜査を始めた。15日に司法解剖を行い、詳しい死因を調べる方針。
 同市の職員が14日、「林さん方の電気が数日前からついていない」と近くの同署戸倉上山田警部交番に届け出たため、署員が現場に駆けつけた。
 県警の調べでは、遺体は寝室の畳の上にうつぶせで倒れていた。自宅玄関は施錠されていた。室内で荒らされた形跡は確認できていない。林さんは長男とみられる息子と2人暮らしだった。林さんは生活保護を受けながら暮らしており、同市職員などが時折見回っていたという。
 現場は、国道18号から約100メートル離れた、民家が数軒立ち並ぶ一角。近所に住む無職女性(56)は「林さんは明るい人で、今月4日朝に自宅前で会った時も、趣味の家庭菜園の話で盛り上がったのに……」と声を詰まらせていた。



千曲の女性殺害 刺し傷約10か所 遺体、林さんと確認=長野
2007. 05. 16 東京朝刊 長野 31頁 701字 03段 写真・図 読売新聞

 ◆犯行、10日午後以降 
 千曲市磯部、無職林絹子さん(72)方で14日、林さんとみられる女性が殺害された事件で、遺体には上半身に少なくとも約10か所の刺し傷があったことが15日、千曲署捜査本部の調べでわかった。県警は遺体を林さん本人と確認した。司法解剖の結果、死因は失血死と判明した。遺体の状況から、死後数日が経過しているとみられる。
 調べでは、同市の福祉担当職員が5月10日午後に自宅を訪れ林さんと会話しており、不審な点はなかったという。遺体に毛布がかけられており、玄関や窓はすべてかぎがかかっていた。捜査本部は、犯人が6畳間の寝室で林さんを殺害後、施錠して逃走したとみている。玄関ドアは、建物内側についたドアノブのボタンを押して閉めればロックされる仕組みだった。また、寝室には血の付いた刃物が残され、捜査本部は事件に使われた可能性があるとみて調べる。同居の長男(36)とは連絡が取れないという。
 近所の住民らによると、林さんは県外出身で、夫と死別した後の1995年ごろ、近くのアパートから引っ越してきた。旅館で仲居をしていた時期もあったというが、足腰が悪くなり、数年前から病院に通っていた。近くに住む男性(75)は「野菜をおすそ分けに持っていけば、すぐにお返しにお菓子を持ってくる礼儀正しい人だった。早く犯人を捕まえてほしい」と話した。
 捜査本部は事件に関する情報提供を求めるため、フリーダイヤル((電)0120・115・442)を設置するとともに、120人体制で聞き込みなどに全力を挙げている。
 
 図=千曲市の女性殺害事件現場の見取図
 
 写真=林さん宅へ現場検証に入る捜査員(15日午前11時50分、千曲市磯部で)



千曲の女性殺害 遺体近くに家庭用包丁 長男とは依然連絡取れず=長野
2007. 05. 17 東京朝刊 長野 31頁 312字 02段 読売新聞



 千曲市磯部、無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件で、林さんが死亡していた寝室に残されていた刃物は家庭用の料理包丁で、林さんの遺体のすぐ近くにあったことが16日わかった。千曲署捜査本部は、包丁と遺体の刺し傷が一致するかなどを調べている。
 捜査本部によると、林さんは金融機関の口座を複数所有しているが、事件後に現金が下ろされた形跡はない。林さんと同居していた長男(36)とは、依然として連絡が取れていない。
 一方、犯行時間が11日昼以降の可能性が高いことも判明した。林さんと同じ病院に通っていた近所の女性(92)は「林さんは11日、病院の帰りに私の家を訪れ、2人でお茶を飲んだ。午前11時半ごろに帰っていった」と話している。



千曲・女性遺体発見から1週間 長男と依然連絡つかず=長野
2007. 05. 22 東京朝刊 長野 27頁 346字 02段 読売新聞


 千曲市磯部、無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件は、遺体発見から21日で1週間が過ぎた。千曲署捜査本部は約100人体制で聞き込みなどを継続し、林さん周辺でのトラブルの有無などを捜査している。同居していた長男(36)とは、依然として連絡がつかない状況だ。
 調べでは、遺体があった寝室などは雑然としており、盗品の有無も確認できていない。遺体の状況や近隣住民の目撃情報などから、犯行時期は11日昼から12日にかけてとみられている。
 捜査本部は、盗まれたものがないかなどを確認するため、同居していた長男から話を聞く必要があるとみて居場所を探している。
 捜査本部が設置したフリーダイヤル(0120・115・442)には21日午後5時現在、6件の情報が寄せられているが、犯人に直結するものはないという。

千曲の72歳殺害 長男に逮捕状=長野
2007. 05. 26 東京朝刊 長野 31頁 200字 01段 読売新聞


 千曲市磯部、無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件で、千曲署捜査本部は25日、殺人容疑で、絹子さんと同居していた長男(36)の逮捕状を取った。長男の行方は分かっていない。
 調べによると、屋内に残された長男のものとみられる衣服に、絹子さんの血液が付着していた。親子間で金銭面などのトラブルがあったとの情報もあり、捜査本部は、長男が絹子さんを刃物で刺して殺害し、玄関ドアを施錠して逃走したとみている。

千曲の母親殺害 通帳複数持ち去る? 長男の所在確認急ぐ=長野
2007. 05. 29 東京朝刊 長野 31頁 384字 03段 読売新聞


 千曲市磯部、無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件で、絹子さんの財布や、絹子さん名義の預貯金通帳数通などが自宅から見つかっていないことが28日、わかった。千曲署捜査本部は、殺人容疑で逮捕状を取った長男(36)が持ち去った疑いもあるとみて、行方不明となっている長男の所在確認を急いでいる。
 近所の住民らによると、絹子さんは生前、周囲に対し、「お金が入ると、息子が持って行ってしまう」「息子が仕事をせずに金をせびって困っている」と話していたという。
 捜査本部もこうした情報を把握しており、金銭面などでのトラブルから長男が犯行に及んだ可能性もあるとみている。ただし、絹子さん名義の金融機関の口座から現金が引き出された形跡は確認できていない。
 捜査本部の調べでは、長男は5月11日正午ごろから14日までの間に、絹子さんを包丁で複数回突き刺すなどして殺害した疑いが持たれている。



女性殺害 容疑で36歳長男を逮捕 「東京方面に逃げた」と供述 千曲署=長野
2007. 06. 02 東京朝刊 長野31頁 450字 03段 読売新聞


 千曲市磯部、無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件で、千曲署捜査本部は1日、同居していた長男で職業不詳、興道(こうどう)容疑者(36)を殺人容疑で逮捕した。調べに対し、興道容疑者は「(絹子さんを)殺すつもりだった」と供述し、容疑を認めているという。捜査本部は今後、殺害の動機や詳しい犯行状況を追及する。
 興道容疑者は事件後、行方が分からなくなり、捜査本部は殺人容疑で逮捕状を取って行方を追っていた。1日正午ごろ、千曲市内の郵便局窓口で、絹子さん名義の通帳と印鑑を使って現金を引き下ろそうとした興道容疑者に気づいた職員が千曲署に通報。駆けつけた捜査員が同署に任意同行した上で、逮捕した。
 調べに対し、興道容疑者は「犯行後、電車で東京方面に逃げた」と供述。以前、首都圏で働いた経験があったという。
 調べによると、興道容疑者は5月11日正午ごろから14日までの間に、絹子さんの寝室で、絹子さんの首などを包丁で何度も突き刺して殺害した疑い。自宅からは、絹子さん名義の預貯金通帳数通と財布などがなくなっていた。

千曲・母殺害 林容疑者、以前も金引き出し図る 母の通帳、郵便局は拒否=長野
2007. 06. 03 東京朝刊 長野 31頁 660字 04段 読売新聞


 千曲市磯部、無職林絹子さん(当時72歳)が自宅で殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された長男の興道(こうどう)容疑者(36)が事件前の2002〜03年ごろ、同居していた自宅近くの郵便局を訪ね、絹子さん名義の通帳で現金の引き出しを図っていたことが2日、関係者の話でわかった。
 この郵便局は、絹子さん名義の通帳で現金の引き出しを図って逮捕されたのと同じところで、当時は職員から「委任状が必要だ」として拒まれたためか、逮捕された6月1日には手書きの「委任状」を持参してきたという。
 千曲署捜査本部もこうした情報を把握しており、事件との関連を調べる。
 関係者によると、興道容疑者は数年前、絹子さん方から600メートル離れた簡易郵便局で絹子さん名義の通帳を提示したが、職員に現金引き出しを断られた。以後、興道容疑者はこの郵便局に来なくなったという。
 これまで、絹子さんが事前に電話連絡した上で興道容疑者が訪れたことは数回あった。
 興道容疑者がこの郵便局を訪れた6月1日、対応した職員が千曲署に通報したのは、被害者の絹子さんの通帳を持ち、25万円を払い戻してほしいという趣旨と「平成19年6月1日 林絹子」と記された便せんを出したため。絹子さんは5月14日に遺体で見つかっており、捜査本部から手配が回ってきていた。
 ◆母名義の通帳数通を所持
 林興道容疑者(36)が逮捕時、殺害された絹子さん名義の預金通帳数通を所持していたことが2日、わかった。絹子さん方からは通帳4通などが見つかっておらず、千曲署捜査本部は、興道容疑者が持ち去ったとみて調べている。

母親殺害 長男を送検 千曲署=長野
2007. 06. 04 東京朝刊 長野 27頁 185字 01段 写真 読売新聞


 千曲市磯部、無職林絹子さん(当時72歳)が自宅で殺害された事件で、千曲署捜査本部は3日、逮捕された長男の興道(こうどう)容疑者(36)を殺人容疑で地検上田支部に送検した=写真=。今後、動機や詳しい犯行状況を追及する。
 青いトレーナーを着た興道容疑者は、午前9時10分ごろ、顔を隠すことなく正面を見据えたまま千曲署を出て、捜査員に付き添われて用意されたワゴン車に乗り込んだ。

千曲の母殺害 「やり遂げた気持ち」逮捕の長男供述 地裁支部、鑑定留置=長野
2007. 06. 21 東京朝刊 長野 31頁 383字 03段 読売新聞


 ◆地裁支部、鑑定留置を決定
 千曲市磯部、無職林絹子さん(当時72歳)が自宅で殺害された事件で、殺人容疑で逮捕・送検された長男の興道(こうどう)容疑者(36)が、千曲署捜査本部などの調べに対し、実母を殺害した心理状態について「やろうと思っていたことをやり遂げた気持ちだった」などと供述していることが20日、分かった。地裁上田支部は地検上田支部の申請に基づき、事件当時の刑事責任能力の有無を判断するため、鑑定留置することを決定した。留置期限は9月18日。
 調べに対し、興道容疑者は、「以前から(絹子さんを)殺そうと思っていた」と供述。捜査本部は、長年にわたる親子間の確執が背景にあるとみている。ただ、供述に不自然な部分もあるとして、地検上田支部は簡易精神鑑定を実施。興道容疑者が事件当時、心神喪失状態だった可能性があるとして、本鑑定を申請した。地裁上田支部の決定は19日付。



殺人事件解決に貢献 郵便局に感謝状 千曲署=長野
2007. 06. 29 東京朝刊 長野 35頁 272字 02段 写真 読売新聞


 千曲市磯部で5月中旬、無職林絹子さん(72)が自宅で殺害された事件で、行方不明だった容疑者が現金を引き下ろしに訪れたことを通報して事件の解決に貢献したとして、千曲署は28日、新戸倉温泉簡易郵便局に感謝状を贈呈した=写真=。
 絹子さんの長男の興道容疑者(36)が、絹子さん名義の通帳で現金を引き下ろそうとしたため、対応した局長代理の笠井好和さん(75)が同署に通報した。
 滝沢徹署長から記念品を手渡された笠井さんは、「テレビや新聞を見て、事件のことはずっと頭にあった。金融機関に勤める者として当たり前のことをしただけ。かえって恐縮です」と話していた。


殺人:女性の遺体に刺し傷−−長野の民家
2007.05.15 東京朝刊 31頁 社会面 (全135字)  毎日新聞


 14日午後2時50分ごろ、長野県千曲市磯部の無職、林絹子さん(72)方1階寝室で、上半身から血を流した女性の遺体が見つかった。遺体は林さんとみられ、刃物で刺された傷があった。県警は殺人事件とみて千曲署に捜査本部を設置した。林さんは息子(36)と2人暮らし。【川崎桂吾】



千曲の女性殺害:悲しむ近所の人々 殺人容疑で捜査 /長野
2007.05.15 地方版/長野 23頁 (全364字) 


 千曲市磯部の民家で14日午後、この家に住む無職、林絹子さん(72)とみられる遺体が見つかった事件。県警は現場の状況から他殺と断定し、千曲署に捜査本部(本部長・吉澤敏彦刑事部長)を設置し、殺人容疑で捜査を始めた。

 県警の調べによると、遺体の上半身正面に刃物で刺されたような傷があった。顔見知りの市職員が遺体を確認しており、林さん本人である可能性が高い。死亡推定時刻などは分かっていないが、近所の男性(65)は「2、3日前からずっと電気が消えていた」と話す。

 林さんの近所は悲しみに包まれた。近くの自営業の男性(59)は「畑いじりが好きで、人の畑にアドバイスをしてくれるような面倒見のいい人だったのに」と言葉を詰まらせた。

 現場は千曲川東側の住宅街。近くに国道18号があるが、夜間の人通りは少ない。【川崎桂吾、谷多由、大平明日香】



千曲の女性殺害:犯行、11日正午以降か 長男と連絡取れず /長野
2007.05.16 地方版/長野 25頁 写図有 (全1,052字)  毎日新聞


 千曲市磯部の民家で無職の林絹子さん(72)とみられる他殺体が見つかった事件で、犯行日時が11日の正午以降である可能性が高いことが15日、千曲署捜査本部の調べなどで分かった。捜査本部では遺体発見時の状況などから、死後1日以上が経過しているとみている。また、司法解剖を行って死因の特定を進めるとともに、事件後、連絡が取れない長男(36)の所在の確認を急いでいる。【大平明日香、谷多由、川崎桂吾】

 ◆死亡推定時刻

 捜査本部の調べによると、林さんの姿が最後に確認されたのは10日午後。毎週月、木曜日に林さん宅を訪れるヘルパーが無事を確認している。一方で友人の女性(92)が11日午前、病院帰りに林さんと出会い、30分ほど自宅でお茶を飲んでいた。別の友人女性(84)とその三男(56)も林さんの姿を目撃しており、少なくとも同日正午まで林さんが無事だった可能性が高い。

 ◆発見状況

 異変に気づいたのは、林さん宅を訪れていたヘルパーだった。14日午後1時に訪問した際、応答がないことを不審に思い警察に通報。部屋を管理する不動産会社の社長(60)が合鍵で玄関を開け、近くの交番に勤務する警察官らが自宅に入ると、南側の寝室で血を流して倒れている林さんとみられる遺体を見つけた。顔見知りだった市職員が遺体を林さんと確認していた。

 ◆事件現場

 林さんの自宅は6畳2間の平屋建てで、長男が出入りしていたという。顔などに複数の刺し傷があり、発見時は毛布がかぶせられていた。現場検証で自宅から自転車がなくなっていることが判明。林さんは足が不自由で自転車には乗っていなかった。

 ◆人柄と生活

 関係者によると、林さんは15年ほど前に夫と死別。95年ごろに市内からこの家に移り住んだという。近所の住人は「明るい人だった」と口をそろえ、乳母車を押して気軽にあいさつを交わす林さんの姿を覚えている。行き来していた無職の女性(84)は「編み物が得意で、セーターやひざ掛けを編んでは人にあげていた。自分もひざ掛けをもらった。決して人から恨まれるような人ではない」と肩を落とした。また、群馬県内に住む林さんの兄(79)は「およそ30年前、(林さんの長男が)小学校に入る前に会ったのが最後。ショックだ。遺体を引き取ろうにも自分の体が悪いので……」と声を落とした。

 ◆捜査態勢

 県警捜査1課などは14日に捜査本部を設置。100人態勢で捜査を進めている。また、フリーダイヤル(電話0120・115・442)を設置し、目撃情報などの提供を呼び掛けている。



千曲の女性殺害:林さん、金銭管理を相談「お金なくなることある」 /長野
2007.05.17 地方版/長野 23頁 (全481字) 毎日新聞

 
 千曲市磯部の民家で無職の林絹子さん(72)の遺体が見つかった殺人事件で、林さんが今年3月、県社会福祉協議会などに金銭管理サービスの申請を相談していたことが16日、分かった。契約はしなかったが、林さんは「家に置いていたお金がなくなることがある」と話しており、千曲署捜査本部では、林さん周辺に何らかのトラブルがなかったか調べている。

 県社協などが実施する「地域福祉権利擁護安心ネットワーク事業」は社会的弱者を金銭トラブルから守ることを目的としており、本人に代わって支援員が預貯金の出し入れなどを行う。関係者によると、林さんは3月7日に千曲市内の福祉施設ケースワーカーとともに訪問し、相談したという。

 また、捜査本部では引き続き自宅の現場検証を実施。血液の付着した敷物などを押収し、容疑者につながる手がかりを調べた。また、付近での聞き込み捜査も続けているが、同居していたとみられる長男(36)の所在は確認できていない。

 一方、司法解剖の結果、遺体は身体的特徴から林さんと断定。死因は顔などを複数回刺されたことによる失血死と判明した。【谷多由、大平明日香、川崎桂吾】



千曲の女性殺害:10日まで在宅か 長男の所在確認急ぐ−−捜査本部 /長野
2007.05.18 地方版/長野 21頁 (全529字) 毎日新聞


 千曲市磯部の民家で無職の林絹子さん(72)が刺殺された事件で、行方の分からなくなっている林さんの長男(46)が、今月10日まで在宅していた可能性があることが17日、分かった。千曲署捜査本部では、長男の所在確認を急いでいる。

 林さんの友人女性(65)によると、10日午後に林さん宅を訪れた際、林さんが隣の部屋に長男がいることを伝えたという。林さんが「友人が来たよ」とふすま越しに声をかけると、男性の声で「うん」という返事が返ってきた。部屋からはテレビの音などが聞こえたが、長男は最後まで姿を見せなかったという。

 林さんの遺体が見つかったのは、友人女性が自宅を訪問してから4日後の14日だった。長男は林さんと同居していたとみられるが、近所の人の中には長男が住んでいたことを知らない人も多い。

 また、これまでの調べで、林さんの自宅から包丁などの刃物数本が見つかった。捜査本部では凶器に使われたものがないか調べている。情報提供を呼び掛けるフリーダイヤル(電話0120・115・442)には3件の電話があった。

 一方、林さんの遺体は同日午後、坂城町内の施設で火葬に付された。立ち会った親族らは、火葬が終わると言葉少なに施設を後にした。【大平明日香、谷多由、川崎桂吾】



千曲の女性殺害:発生から1週間 預貯金は手付かず 早期解決祈る地域住民 /長野
2007.05.22 地方版/長野 23頁 (全574字) 


 千曲市磯部の民家で無職の林絹子さん(72)が殺害された事件は21日で発生から1週間が経過した。これまでの調べで、被害者の口座から預貯金が引き出された形跡がないことが判明したが、犯人特定につながる手がかりは見つかっていない。千曲署捜査本部は林さんの生活実態の解明が事件解決の鍵を握るとみており、同居していた長男(36)の所在の確認を急いでいる。

 調べによると、林さんの預貯金が引き出されたり、貴重品が盗まれた形跡はない。捜査幹部は「林さんの普段の生活を知っている人がほとんどいない。仮に盗まれている物があっても確認は難しい」と明かす。

 これまでの調べでは、林さんの遺体は刃物のようなもので顔など複数個所を刺されており、死因は失血死だった。近所の住民によると、同居していたとみられる長男は、自宅を離れ県外に仕事に行くこともあったが、最近は家にこもりがちだったらしい。捜査本部では21日までに現場検証をほぼ終え、自宅から刃物数本を押収した。凶器に使われたものがないか特定を進めている。

 地域住民の不安は募っている。主婦(51)は「現場は犬の散歩コースだったが、事件が起きてからは気味悪くて通ってない」と話す。無職の女性(82)は「1人暮らしなので、こういう事件は嫌だ。早く犯人が見つかってほしい」と早期解決を祈っていた。【川崎桂吾、谷多由、大平明日香】



長野・千曲の女性殺害:長野県警、長男に逮捕状
2007.05.26 東京朝刊 27頁 社会面 (全148字) 毎日新聞

 
 長野県千曲市磯部の自宅で無職の林絹子さん(当時72歳)が刺殺体で見つかった事件で、県警千曲署捜査本部は25日、殺人容疑で長男(36)の逮捕状をとった。同居していた長男は事件時から所在不明となっている。調べでは、長男は今月10〜14日に、自宅で林さんの顔などを包丁で刺し殺害した疑い。【川崎桂吾】



千曲の女性殺害:血付いた衣服発見、長男に逮捕状 首都圏に潜伏か /長野
2007.05.26 地方版/長野 23頁 写図有 (全536字)  毎日新聞


 千曲市磯部の民家で14日に無職の林絹子さん(当時72歳)の遺体が見つかった事件で、千曲署捜査本部は25日、同居していた長男(36)の逮捕状をとった。容疑者が特定されたことで捜査は大きく進展したが、近隣住民の不安は消えない。捜査本部では長男が仕事で居住したことがある首都圏に潜伏している可能性もあるとみて、行方を追っている。

 調べによると、長男は今月10〜14日までの間、自宅で林さんの顔などを包丁で複数回刺し殺害した疑い。室内から林さんの血が付いた長男の衣服が見つかったことなどから、殺害にかかわった疑いを固めた。

 近所の人の話では、長男は定職に就かず、家にこもりがちだった。林さんは友人に「仕事が続かなくて困る」「息子が勝手に家からお金を持ち出す」などと相談しており、2人がたびたび言い争う声を聞いている人もいる。

 「逮捕状請求」の報に接した住民の心情は複雑だ。自営業の男性(59)は「警察には早く長男を見つけて、事件を解決してもらいたい。一日も早く平穏な日々に戻ってほしい」と話す。林さんの友人だった無職女性(92)も「林さんが刺されていると聞いて本当にかわいそう。気の毒でしようがない。早く息子をみつけてほしい」と早期解決を願った。【川崎桂吾、谷多由、大平明日香】