井出草平の研究ノート

勘定奉行 荻原重秀の生涯


勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (集英社新書)

勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚 (集英社新書)


荻原重秀の生涯について書いた本が出ていた。ずっと読みたかったような本。これは明日本屋さんに行って買ってこなければ。

しかも、ちょっと調べただけでも、荻原重秀には貨幣改鋳以外に、各種検地・代官査察・鉱山開発・長崎会所設置・地方直し・大仏殿再建・火山災害賦課金など、実に多彩な業績があることがわかってきた。そして言われるような収賄だの専横だのという悪行は、『折たく柴の記』以外には何の根拠史料もないことも見えてきた。田沼意次のマイナスイメージも、松平定信らが残した史料によってつくられたものだが、とかく歴史は書き残した者勝ち、つまり勝者の歴史になりがちである。
http://books.shueisha.co.jp/tameshiyomi/978-4-08-720385-1.html


荻原重秀は歴史の教科書ではダメな人として書かれている。幕府の赤字を貨幣を鋳造することで埋めたと書いてあることもある。よくわからない理屈でダメだとされているのは非常に悲しい話。


参考:荻原重秀(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%BB%E5%8E%9F%E9%87%8D%E7%A7%80