井出草平の研究ノート

自閉症スペクトラム障害説は現実的ではないファンタジー

アスペルガー症候群歴史と現場から究める

アスペルガー症候群歴史と現場から究める


石川元氏・村田豊久氏・川原ゆかり氏の対談より。

石川
ウィング自体のアスペルガーの再評価というのは、いま村田先生がおっしゃったようなアスペルガーの治療的な面というか、そこに着目してというわけではないですよね。


村田
高機能を自閉症から区別したということで、アスペルガーの報告を評価したということですね。ただの、ロウIQ、ハイIQの問題だけです。


石川
だからウィングは、アスペルガーに留まることなく簡単にアスペルガーを通り越して、見方によっては現実的ではないファンタジーのような(注)、自閉症スペクトラム障害説に飛躍してしまうということになるわけですね。


村田
そうだと思います。今の日本も自閉症の研究家はたくさんいらっしゃって、皆さん良いことをおっしゃっているのでしょうけれど、何かインティグレートしませんね。


注:スペクトラム障害説
 自閉症のいくつかの下位分類である小児自閉症アスペルガー症候群などを個別の障害としないで、程度の差だけを有するそれぞれが虹のように繋がった連続帯だと想定して、ウィングが命名した概念を基にした説。日本でほど、海外では浸透しておらず評価もされていない


ちなみに、インティグレートとは統合することなので、日本において自閉症スペクトラムを推進している研究家はいろいろなことを言っているけど要領を得ないという意味だろう。