井出草平の研究ノート

こういう状態であればアスペルガー症候群や自閉症を疑った方が良い


高機能広汎性発達障害―アスペルガー症候群と高機能自閉症

高機能広汎性発達障害―アスペルガー症候群と高機能自閉症


アスペルガー症候群自閉症を疑った方がよい状態が列挙してあったので、引用。この本より水野智之,河村雄一,杉山登志郎の書いたもの。

全て該当しなくとも,以下に示す兆候がいくつか認められるようならば,アスペルガー症候群自閉症の可能性を検討してみてもよいと思われる。

  • 微笑み返しをしない。相手を見ずに(あるいは手のひらを自分の方へ向けて)バイバイをする。別れ際ではなく拒絶(もうイヤ!)の意味でバイバイをする。
  • 一人遊びばかり好む。仲間にうまく入れない。入っても打ち解け合えない。相手の気持ちや意図が読み取れない。暗黙の了解が理解できず,臨機応変に融通が利かせられない。
  • 泣き声を毛嫌いし,泣いている子を黙らせようと怒る(怒れば余計に泣くことが分からず,共感性に乏しい)。自分だけ立っていても周りの皆に合わせて座ろうとしない。
  • 自分なりの理屈を持っており,それ自体は正論だが,それにこだわりすぎて周囲の状況に合わなくても,無理やりそれを貫き通そうとする。いわゆる「へ理屈」をこねる。
  • 好きな飛行機を見つけても父や母に一緒に見てもらおうと指差しや目配せをしない。
  • 特定の道順で行きたがる。お気に入りのタオルなどを必携する。ドアが閉っていないと気がすまない。自分なりのやり方から外れたり,環境の些細な変化にひどく困惑する。
  • 自分の行動を相手がどう感じとるかという推測が困難で,悪気はなくつい失礼なことを言ったりしてしまうことがある。国語の試験で登場人物の心情を問う問題ができない。
  • 何かを尋ねられた時,妙にかしこまった杓子定規な話し方になったり,必要以上に詳細なことまで話すこともある。また,まるで英語を直訳しているようなぎこちない言い方になることもある。
  • 基本的にちゃんと会話をする能力はあるのに「謝り方が分からないから謝れない」というような一見不自然な言い訳をする。「嫌いな授業だから」という理由で退室したりする。
  • 能力的には当然分かっていていいはずの道理やルールや理解できなかったり,自分が相手や周囲から何を期待されているかが分からなかったりする。その一方で逆に,ルールに縛られすぎて,少しルールから外れただけでも友達を厳しく非難したり,レポート3枚という宿題を「2枚半しか書けてない」という理由で提出せずに叱られたりすることもある。
  • 状況に応じて融通が利かせられないために,冗談が冗談として通じず,真に受けて腹を立て,友達を噛みついたり喧嘩になったりする。度が過ぎていてもあまり気にしない。