井出草平の研究ノート

久里浜のゲーム障害16.2%論文で使われている構造化面接の問題点

久里浜の論文の解説はこちら。

ides.hatenablog.com

この論文で構造化面接が使われている。韓国のグループが作ったものだが、この構造化面接の正確性はどうなの?という話をしたので、少しまとめておきたい。

青年期におけるインターネットゲーム障害のための構造化臨床面接(SCI-IGD)

  • Koo, H. J., Han, D. H., Park, S.-Y., & Kwon, J.-H. (2017). The Structured Clinical Interview for DSM-5 Internet Gaming Disorder: Development and Validation for Diagnosing IGD in Adolescents. Psychiatry Investigation, 14(1), 21. https://doi.org/10.4306/pi.2017.14.1.21

目的 本研究は、青年期におけるインターネットゲーム障害のための構造化臨床面接(SCI-IGD)の開発と検証を目的とした。方法 まず、DSM-5の文献レビューや専門家の協議による情報をもとに、SCI-IGDの予備項目を作成した。次に、SCI-IGDの心理測定的特性を評価するために、地域社会と臨床現場の両方から合計236名の青年を募集した。結果 第一に、SCI-IGDは約1ヶ月の期間で一貫していることがわかった。第2に、SCI-IGDと臨床医の診断的印象との間の診断的一致は良好であった。SCI-IGDの診断に対する正の尤度比推定値は10.93、負の尤度比推定値は0.35であり、SCI-IGDはIGDの存在を識別するために「非常に有用な検査」であり、IGDの不在を識別するために「有用な検査」であることを示した。第3に、SCI-IGDは障害のあるゲーマーとそうでないゲーマーを識別することができた。結論 本研究の意味合いと限界についても述べた

有用な検査 useful testと結論付けられているが、本当にそうなのか、確かめてみたい。

各項目の感度・特異度など

Escapeの項目「8)否定的な気分(例:無力感,罪責感,不安)を避けるため,あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する.」は項目としてほとんど意味をなしていないことがわかる。

感度・特異度・陽性/陰性適中率・陽性/陰性尤度比

SCI-IGDと診断された12名のうち、8名(66.7%)がIGDのDSM-5に基づく精神科医の臨床面接でもIGDと診断された。 Among 12 diagnosed by SCI-IGD, eight (66.7%) were also diagnosed as IGD by the psychiatrist’s clinical interview based on the DSM-5 of IGD.

111人いて、12名がテストで陽性、8名が臨床診断で陽性であるため、いずれも陰性であったのは99名である。

111-8-4

分割表の作成。

dat1 <- as.table(matrix(c(8,4,0,99), nrow = 2, byrow = TRUE))
colnames(dat1) <- c("Dis+","Dis-")
rownames(dat1) <- c("Test+","Test-")
dat1
      Dis+ Dis-
Test+  8   4
Test-   0  99

計算

library(epiR)
rval1 <- epi.tests(dat1, conf.level = 0.95)
print(rval1)
Point estimates and 95% CIs:
--------------------------------------------------------------
Apparent prevalence *                  0.11 (0.06, 0.18)
True prevalence *                      0.07 (0.03, 0.14)
Sensitivity *                          1.00 (0.63, 1.00)
Specificity *                          0.96 (0.90, 0.99)
Positive predictive value *            0.67 (0.35, 0.90)
Negative predictive value *            1.00 (0.96, 1.00)
Positive likelihood ratio              25.75 (9.85, 67.30)
Negative likelihood ratio              0.00 (0.00, NaN)
False T+ proportion for true D- *      0.04 (0.01, 0.10)
False T- proportion for true D+ *      0.00 (0.00, 0.37)
False T+ proportion for T+ *           0.33 (0.10, 0.65)
False T- proportion for T- *           0.00 (0.00, 0.04)
Correctly classified proportion *      0.96 (0.91, 0.99)
--------------------------------------------------------------
* Exact CIs
  • Apparent prevalence 見かけ上の有病率
  • True prevalence 真の有病率
  • Sensitivity 感度
  • Specificity 特異度
  • Positive predictive value 陽性適中率
  • Negative predictive value 陰性適中率
  • Positive likelihood ratio 陽性尤度比
  • Negative likelihood ratio 陰性尤度比

尺度特性の問題点

構造化面接では12名陽性、8名が臨床診断で陽性ということは、構造化面接の方が1.5倍多く診断がされるということだ。 また、臨床診断の方が正確で、構造化面接の不正確ということは、ツールとしての価値はないと言っているようなもので、大きな問題があろう。

とても「有用な検査 useful test」とはいえない。

また、仕方ない部分もあろうが、人数が少ないことから、感度も95%が0.63-1.00と幅が広く、信頼性が高いという結論は導くことはできない。

構造化面接作成の問題点

診断の正確性は臨床診断よりも構造化面接の方が高いとされている。
そのため、構造化面接と比較する基準は構造化面接よりも精度の高い方法を取るべきである。

一般的にLEAD基準(https://ides.hatenablog.com/entry/2021/10/24/142655)を用いる。
LEADを用いず臨床診断を基準にするのは手続き的な問題があると言えよう。

久里浜医療センター、男性のインターネット・ゲーム障害有病率を男性16.2%とする論文を書く

久里浜医療センターはちっとも科学的研究をしないという批判に応えてなのか、最近、久里浜から基礎研究の論文がいくつか出ている。今回は10月に出版されたIGDT-10というインターネット・ゲーム障害(DSM-5)についての論文を取り上げる。

  • Mihara, S., Osaki, Y., Kinjo, A., Matsuzaki, T., Nakayama, H., Kitayuguchi, T., Harada, T., & Higuchi, S. (2022). Validation of the Ten-Item Internet Gaming Disorder Test (IGDT-10) based on the clinical diagnosis of IGD in Japan. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00070

以前GAMES-testの論文がおかしいと指摘したことがあったが、この論文も相当におかしい。

synodos.jp

その一つは尺度を修正しているところである。

原版は「全くなかったnever」「ときどきあったsometimes」「よくあったoften」の3件法で、「よくあった」の時だけ該当するという設計だったが、久里浜修正版は「ときどきあった」「よくあった」の場合に該当するという設計に変えられている。

要は「時々あった」という3段階の真ん中もカウントされる設計に変えたのだ。

その結果、多くの人がインターネット・ゲーム障害に該当することになり、男性16.2%、女性6.3%と盛りに持った結果が出ている。

久里浜の冴えわたる"盛りの技術"がみられる論文に仕上がっている。

ちなみに、原版通りに計測すると、男性は2.2%、女性は1.3%であったらしい。こちらの数字は今まで他国で行われてきた調査と大差のない数字である。

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0004867420962851


ゴールデンスタンダードは韓国のグループが開発したSCI-IGDらしい。

DSM-5 IGDの診断を検討するにあたっては、インターネットゲーム障害に対する構造化臨床面接(SCI-IGD)日本語版を用いた(Koo, Han, Park, & Kwon, 2017)。これはIGDのための短い面接手段であり,その妥当性と信頼性は韓国の青年を使用して確認されている。

修正についての詳細。

本研究では、日本語版IGDT-10の2種類の採点条件について検討した。1つ目は、原著研究で提案された、各項目が3つの選択肢のうち「よく」選択された場合に肯定と判定する条件(「原版」と呼ぶ)である(Király et al.、2017)。同様に、項目9と10は、2つの回答のうち1つが肯定的であれば肯定的と判定した。もう一つは、各項目が「よくある」「ときどきある」のどちらかが選択された場合に陽性と判定する修正条件である(「修正版」と呼ぶ)。SCI-IGDの結果とその後のパネルディスカッションによるIGDの診断をゴールドスタンダードとして、これら2つのバージョンの感度、特異度、陽性・陰性予測値、診断精度を算出した。

IGDT-10の各項目の感度、特異度、陽性予測値(PPV)、陰性予測値を修正版と原版で検討した(表2、表3)。また、両表には、両版の自己報告調査に基づく各基準の支持率に関する情報も含まれている。修正版では、ほとんどの項目で感度が75%から100%であった。しかし、悪影響に関する項目では感度が低く、問題があってもゲームを続けることの感度は62.5%、悪影響の感度は39.2%と低いものであった。各項目の特異度は、73%(コントロールの喪失)から92%(他の活動をあきらめる)の間で、没頭(51%)を除いて、項目間で安定していた。一方、原版の各項目の感度は、引きこもり(60.0%)を除いて、0%から33%とかなり低かった。否定的な結果については、原版では非IGD群だけでなくIGD群でも肯定的な事例は見られなかった。また、各項目の特異度は82%からほぼ100%とかなり高い値であった。

有病率。

表6は、修正日本版とオリジナル日本版の結果から、日本の若年層におけるIGDの可能性が高い人の割合を男女別に示したものである。男性では16.2%(95%信頼区間、14.7-17.7%)、女性では6.3%(3.5-7.3%)、全体では11.3%(10.4-12.2%)と推定された。日本版オリジナルでカットオフを5として推定すると、男性2.2%(1.5-2.8%)、女性1.3%(0.8-1.8%)、全体で1.8%(1.3-2.2%)に相当する。

雑感

この論文はGAMES-testの副産物だと思われる。

https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/screening/games-test.html

原版の感度特異度がうまくいっていないようにみえる理由はいくつか考えられる。

第1に、インターネット・ゲーム障害と診断した者はIDGT-10の意図通りに答えていないということである。アルコール依存症を模倣した9項目のインターネット・ゲーム障害には問題があると他の論文でも指摘がされている。今回、原版で感度0%だった「友人に会ったり、以前に楽しんでいた趣味や遊びをすることよりも、ゲームの方を選んだ」という項目は、そもそも友人が少ない、趣味がゲームしかないという子どもが多いため、反応性が悪い項目とされていた。この点は久里浜というより、インターネット・ゲーム障害の診断基準の出来が悪いのが原因である。

第2に、インターネット・ゲーム障害に満たない者を診断した場合が考えられる。こちらは診断過程が明らかではないので、疑いを超えない。

第3に、健常対象群の置き方が適切か否かという点が考えられる。この種の尺度で弁別したいのは、長時間ゲームをしており社会的に何の問題もない群と、ゲームをやりすぎて問題が生じている群である。

この論文は対象者を住民台帳からランダムサンプリングしている。この方法は、有病率などを算出する時には正しい方法だが、尺度の性能を確かめる時には間違った方法である。この点は明記されているので、原因の一つだと指摘できるだろう。

3件法でうまくいかないが、2件法の方がうまくいった、というのが本論文の主たる主張の一つだが、計測学的にそんなことは起きない。また、その結果として、男性16.2%がインターネット・ゲーム障害だなんて結論がでているわけだから、どこかがおかしいと考えるべきである。

レビュアーもこんな論文を通すべきではなく、上に書いた3点を指摘すべきだったであろう。とはいえ、このJournal of Behavioral Addictionsという雑誌は、樋口先生の身内の雑誌なので、体裁さえ整っていれば掲載されるのでろう。

自閉症スペクトラムのファミリー・アコモデーション

link.springer.com

  • Feldman, I., Koller, J., Lebowitz, E. R., Shulman, C., Ben Itzchak, E., & Zachor, D. A. (2019). Family Accommodation in Autism Spectrum Disorder. Journal of Autism and Developmental Disorders, 49(9), 3602–3610. https://doi.org/10.1007/s10803-019-04078-x

要旨

ファミリー・アコモデーションは、強迫性障害や不安障害をもつ子どもの家族間で頻繁に発生し、アコモデーションのレベルが高いほど、子どもの症状の重症度、機能の低下、治療成績の悪化に繰り返し関連している。本研究は,自閉症スペクトラムASD)児の制限・反復行動(RRB)に対するファミリー・アコモデーションについて初めて検討したものである。ASD児の両親(N = 86)は、子どものRRBsとこれらの症状に対する親の対応を評価するアンケートに回答した。ほとんどの参加者(80%)が、少なくとも月に1回はアコモデーションを行っていると回答し、ファミリー・アコモデーションRRBの重症度と有意な正の相関があった。これらの結果から、RRBの緩和は強迫性障害や不安障害で報告されているパターンと類似しており、親による介入の可能性があることが示唆された。

親の行動は、多数の小児期の精神病理学の提示、経過、および治療に対する反応において役割を果たす(例えば、Ginsburg et al.2005; Lebowitz et al.2014b; McKee et al.2008; Yap and Jorm 2015)。強迫性障害(OCD)および不安障害全体において、多くの研究が、ファミリー・アコモデーションと呼ばれる親の行動の特定の形態に焦点を当てている(Calvocoressi et al. 1995; Lebowitz et al. 2016; Lebowitz et al. 2014b; Lebowitz et al. 2013) 。ファミリー・アコモデーションは、感情障害を持つ子どもの家族(主に両親)が、子どもが障害による苦痛や否定的な影響を回避したり緩和したりするために、自分の行動を修正する方法を説明する(Lebowitz and Bloch 2012; Lebowitz et al.2014b )。データは、ファミリー・アコモデーションがOCDや不安障害を持つ子どもの家族によく見られ、このパターンが近接的、遠距離的に負の後遺症と関連することを示している。ファミリー・アコモデーションが高いことは、不安やOCD症状の重症度が高いこと(Caporino et al.2012; Lebowitz et al.2013, 2016; Lebowitz et al.2014b; Storch et al.2007 )、心理社会的機能の低下(Caporino et al.2012; Lebowitz and Bloch 2012; Storch et al.2007 )、親の苦痛が高い(Lebowitz et al.2013; Lebowitz et al.2014b )ことと関連する。さらに、ファミリー・アコモデーションが高いと、OCDや不安障害を持つ子どもの治療成績が悪くなることが予測される(Lebowitz and Bloch 2012; Lebowitz et al.2016; Kagan et al.2016)。これらの知見は,ファミリー・アコモデーションの低減をターゲットとした効果的な親による介入の開発を通じて,すでに臨床的な利益をもたらしており,他の障害を持つ子どもにおけるファミリー・アコモデーションの研究が,同様の貢献をもたらす可能性を強調している。自閉症スペクトラム障害ASD)は、社会的コミュニケーションや社会的相互作用における持続的な障害、および制限的・反復的行動やステレオタイプな興味(RRBs;APA 2013)の存在を特徴とする神経発達障害群である。いくつかの知見は、部分的に共有された病因の可能性に加えて、ASD、OCDおよび不安障害の間の表現型の重複の度合いを示している。ASDに特徴的なRRBは、OCDに特徴的な反復的な思考や行動に似ていると研究者は指摘している(Jacob et al.2009、Wood and Gadow 2010)。また、表現型の重複に加え、共存率の高さも指摘されており、ASDの子どもは不安障害やOCDの有病率が定型発達の子どもよりも高い(van Steensel et al.2011)。さらに、OCDやASDと診断された親の子どもは、それぞれASDやOCDのリスクが高いことが分かっており(Meier et al. 2015)、ASDの子どもの親族ではOCDや不安障害のリスクが上昇している(Jacob et al. 2009)ことから、ある程度の共有遺伝性があることが示唆さ れる。OCDや不安障害の症状とASDの子どもの制限的・反復的行動との共通性、および両疾患の遺伝的関連性を支持するデータを考慮すると、これらの症状に対する親の対応も共通の特徴を持つかどうかを検討することは興味深い。

RRBのファミリー・アコモデーションを検討するには、この症状カテゴリー内の異質性をよく考慮する必要がある。RRBには、反復運動・感覚行動、同一性へのこだわり、儀式的行動、強迫的行動、限局的興味、自傷行為などの異なるサブグループが存在することが研究で示唆されている(Honey et al. 2012; Leekam et al. 2011)。注目すべきは、異なるタイプのRRBが異なる精神症状(例えば、不安、うつ、反抗挑戦症状;Lidstone et al.2014; Stratis and Lecavalier 2013)に関連していることである。これらの知見や他の知見(例えばLeekam et al. 2011)は、様々なタイプのRRB、そしておそらく単一のサブグループ内の異なる特定のRRBが、その病因と機能において異なる可能性を示唆している。

RRBは、形状だけでなく、機能や適応の度合いも異なるため、RRBを装着することで、様々な機能に役立つ、あるいは妨げられる可能性がある。例えば、RRBは、自分自身を占有する、感覚過敏や感覚減退を調整する、不安やストレスを軽減するなどの機能を果たすことが示唆されている(Leekam et al.、2011)。自傷行為などの一部のRRBは、明らかに有害である。その他は、否定的な結果と関連する可能性があり、例えば、物体の部分へのこだわり、感覚的な興味、固定的な運動行動などのある種のRRBと、より低い推論能力、後年における低い適応機能、介護者のストレス増加との関係が研究で明らかになっていた(Harrop et al.2016; Troyb et al.2016) 。そして、まだ他のRRBは、例えば、ASDの個人に楽しみの源を提供したり、場合によっては収入や雇用の源となるなど、適応的または有益である可能性がある(Attwood 2003; Howlin 2003)。さらに問題を複雑にしているのは、いくつかのRRBは、様々な発達や臨床プロファイルを持つ子どもにおいて、異なる病因や機能を持つことが示唆されている。

ファミリー・アコモデーションの問題に特に関連しているのは、RRBが覚醒を調節し、不安や苦 痛を和らげるという役割で、OCDにおける強迫行為の役割と似ていると言える(Leekam et al. 2011; Lidstone et al. 2014)。ファミリー・アコモデーションが子供のOCD症状を緩和させることは、苦痛を与える刺激を回避し、負の覚醒を独自に調節するための適応的な戦略の発達を妨げるため、時間の経過と共に症状の重症度を高めることが提案されている (Lebowitz 2013; Storch et al. 2007)。RRBASD児の苦痛を緩和するのに役立つ程度に、RRBのファミリー・アコモデーションは同様の方法で機能する可能性があり、時間の経過とともにより悪い自立的調節に寄与する可能性がある。

これまで,ASDの青少年におけるRRBのファミリー・アコモデーションについて報告した研究はなく,ASDの青少年におけるOCDや不安症のファミリー・アコモデーションについて調べた研究は2件のみであった。Russell et al.(2013)は,ASDとOCDを併発し,OCDの認知行動療法を受けた青年と成人(n=23)の小集団を調査している。治療前のファミリー・アコモデーションが高いことは、治療成果の低下と関連していた。Storch et al.(2015)は,ASDと不安障害を併存する40名の子どもを対象に,不安症状のファミリー・アコモデーションの有病率と相関を検討した。不安障害におけるファミリー・アコモデーションに関するこれまでの知見と一致し、不安症状のファミリー・アコモデーションは非常に多く、その頻度と親子への影響は、子どもの不安症状の重症度と正の相関があった。また、この研究では、認知行動療法後にファミリー・アコモデーションが減少し、ファミリー・アコモデーションの減少が子どもの不安症状の改善と関連することがわかりました。なお、これらの研究はいずれも不安症状やOCD症状のアコモデーションに焦点を当てたものであり、RRBアコモデーションについては調査していない(Lebowitz et al.2016)。

本研究では、ASD児の親がRRBをファミリー・アコモデーションで対応することの有無と影響、およびファミリー・アコモデーションの程度とRRBの重症度との関係を初めて明らかにすることを目的としている。ファミリー・アコモデーションの程度は、ASD児のRRBの重症度と相関し、この相関はRRBの種類によって強さが異なるという仮説を立てた。また、ファミリー・アコモデーションと子どもの適応機能スキルの間に関連性があると仮定した。第二の目的は、RRBのファミリー・アコモデーション尺度の内的一貫性と要因構造を検討することであった。

方法

参加者

本研究は、大規模医療機関の三次自閉症センターで診断された1.7歳から16歳までの子ども86名(女性22名、平均年齢=6.81歳、SD=3.19)とその保護者が研究に参加したものである。このクリニックは、ASDを主訴とする様々な年齢の子どもたちの診断評価を行うことが義務づけられている。初期診断が必要な児童が優先されるが、クリニックの公共性から、サンプルには幅広い年齢と臨床的特徴があることが示された。すべての参加者は、病歴、神経学的検査、認知・適応行動評価、および自閉症診断観察スケジュール2(ADOS2; Lord et al.2012)、自閉症診断面接-改訂版(ADI-R; Lord et al.1994)を含む診断指標を含む総合評価を受けている。118名の子どものうち、32名が研究から除外された。9名はASDと診断されず、23名はデータの欠落により除外された。FAS-RRBの1~7項目を記入していない13名は、相関テストの対象から除外された。また、Vineland Adaptive Behavior Scaleのデータがない参加者は、そのスケールを含む相関テストから除外された(表1)。

測定方法

制限的行動・反復的行動のファミリー・アコモデーション尺度

保護者は、ASD児の保護者によるRRBのファミリー・アコモデーションの評価を目的とし、OCDや不安症状のファミリー・アコモデーションに関する研究(Calvocoressi et al 1995; Lebowitz et al 2013)で用いられているファミリー・アコモデーション尺度を適応したFAS-RRBを記入した。FAS-RRBは、0(全くない)から4(毎日)までの5段階リッカート尺度で評価される11項目から構成される。7項目は、対応行動の頻度を評価するものである(例:「お子さんの反復行動に関連する刺激を避けるために、何回お手伝いしましたか」)。この7つの項目を合計して、アコモデーションの総得点とする。追加の4項目は、適合によって引き起こされた親の苦痛に関連する1項目と、適合されなかった場合の短期的な子どもの結果に関する3項目(例えば、「あなたが助けてくれなかったとき、子どもは攻撃的な反応をしましたか」)である。

反復行動尺度改訂版(RBS-R;Bodfish et al.1999)。

RBS-Rは、過去1ヶ月間のRRBの頻度と重症度を評価することを目的とした質問紙であり、保護者はRBS-Rに回答した。この質問紙は43項目からなり、0(行動が起こらない)から3(行動が起こり、深刻な問題である)までの4段階のリッカート尺度で評価される。RBS-Rの項目は、RRBの6つのサブグループ(定型行動、自傷行動、強迫行動、儀式的行動、同調行動、制限行動)に分けられます。RBS-RはASDの反復行動の信頼性の高い尺度であることが分かっている(Lam and Aman 2007; 内部整合性:αは.78〜.91、我々のサンプルのαは.951である)。

自閉症診断観察スケジュール2(ADOS 2; Lord et al.2012)および自閉症診断面接改訂版(ADI-R; Lord et al.1994)。

子どものコミュニケーション、社会性、遊びのスキルを半構造化で評価するADOS 2と、養育者のための半構造化面接であるADI-Rは、ASD診断の確立に使用された。これらの尺度は信頼性と妥当性が確認されている(Lecavalier et al.2006a, b; Lord et al.1994; Reszka et al.2014)。

ヴィンランド適応行動尺度2(VABS;Sparrowら、2005年)

保護者は、コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキルの4つの領域で子どもの適応機能を評価するために使用される信頼性の高い(Limperopoulosら、2006;Sparrowら、1984)機器であるVABSを完了した。

実施方法

参加者は、評価時に上記のすべての測定に参加した。参加者はFAS-RRBRBS-Rの記入を勧められたが、必須ではなかった。ASDのゴールドスタンダード診断の訓練を受けた専門家からなる学際的なチームがすべての評価を行った。ADI-RとADOS-2を実施した専門家は、必要に応じてこれらの標準的な検査における信頼性を確立した。

データ分析計画

ファミリー・アコモデーション得点(FAS-RRBの1-7項目に基づく)とRBS-Rの合計得点およびサブスケール得点、ならびにVineland 2のコミュニケーション能力得点および日常生活能力得点との関連を調べるために二変量ピアソン相関を実施した。FASRRBの内部一貫性はCronbachのαを用いて評価した。ファミリー・アコモデーションRRBのサブタイプ間の相関は、Lee and Preacher(2013)のソフトウェアを用いて、一つの変数を共通とする二つの従属相関間の差の検定で比較した。本研究の予備的性質と、実施した分析数に対して比較的少ないサンプルを考慮し、αを修正しないことを選択し、.05とした。86人中20人にRBS-Rの欠落項目があった(そのうち16人に1-3の欠落項目があり、4人に4-7の欠落項目があった)。欠落項目は、同じ下位尺度の他の項目に対する回答の平均値を用いて帰属させた。

結果

記述的データ

ほとんどの参加者(n = 69; 80.23%)は、少なくとも月に1回、ファミリー・アコモデーションに従事していると回答した。そのうち、48名(55.81%)が毎日、29名(33.72%)が週に3~6回、37名(43.02%)が週に1~2回、子どものRRBに対応していると回答しています。44名(51.16%)の保護者がこれらの対応をすることで苦痛を感じると報告し、56名(65.12%)が対応されないことで子供が攻撃的な反応を示すと報告しました。

最も多く報告された配慮は、RRB関連行為への参加(55名;63.95%)、RRB関連刺激の回避支援、RRB関連物品の提供(いずれも53名;61.63%)であった。

ファミリー・アコモデーションRRB重症度、適応行動能力

表2に示したように,ファミリー・アコモデーションRBS-Rで測定したRRBの重症度と有意に正の相関があった(r = 0.820,p < 0.001,n = 73)。自傷行為尺度は,ファミリー・アコモデーションとの相関が,ステレオタイプ型行動(r = 0.721, p < 0.001, n = 73; Z = - 2.268, p = .023)よりも有意に弱かった。 023)、強迫的(r = .710, p < .001, n = 73; Z = - 2.246, p = 025)、儀式的(r = .750, p < .001, n = 73; Z = - 2.601, p = .009) または同一性(r = .739, p < .001, n = 73; Z = - 2.648, p = .008) 行動であった。自傷行為とファミリー・アコモデーションとの相関(Z = - 1.189, p = .234)は、制限行為(r = .637, p < .001, n = 73)と有意な差はなかった。ファミリー・アコモデーションとの相関は、他のRRB下位尺度との間に有意な差はなかった(p>.05)。さらに、ファミリー・アコモデーションは、VABS 2で測定した適応的行動スキル(r = - .407, p < .001, n = 72)およびコミュニケーションスキル(r = - .258, p = .029, n = 72)と有意な負の相関があった。ファミリー・アコモデーションと他の研究指標との相関は表2にまとめられ、図1はファミリー・アコモデーションRRB重症度との関連を視覚化したものである。

FAS-RRBの内部一貫性と要因構造

FAS-RRBの7つの収容項目は、Cronbachのα=0.935と高い内的一貫性を示した。また、今回はFAS-RRBの最初のテストであるため、因子間の潜在的な相関を考慮し、7つのアコモデーション項目に対して主因子法(バリマックス回転)を実施した。この分析の結果、固有値4.568で分散の65.260%を説明する単一因子モデルが得られた(図2)

ディスカッション

本研究は、ASDの中核的症状に対するファミリー・アコモデーションについて検討した初めての研究である。RRBアコモデーションは非常に普及しており,80%の親が少なくとも月に1回,55%が子どものRRBを毎日アコモデーションしていると報告した。これらの収容率は、小児強迫性障害(Lebowitz et al. 2016)や不安障害(Lebowitz et al. 2013, Lebowitz et al. 2016, Lebowitz et al. 2014b, Thompson-Hollands et al. 2014)、ASDの子どもの不安症状(Storch et al. 2015)で報告されているものと、若干低いながらも同様であった。最も一般的な配慮は、症状に関連するアイテムの提供、症状に関連する行動への参加、症状に関連する刺激の回避の補助であった。。

重要なことは、私たちの仮説と一致して、収容レベルが高いほど、RRBの重症度が高いことと強く関連していたことである。さらに、アコモデーションレベルが高いほど、子どものコミュニケーション能力や日常生活能力が低く、大多数の親が収容のために苦痛を感じていると報告した。また、ほとんどの保護者が、収容されないことに対して、子どもが攻撃的に反応すると報告しています。これらの結果は、OCDや不安障害を持つ子どもにおけるこれまでの知見とも並行している(Lebowitz et al.2013, 2016; Thompson-Hollands et al.2014)。

その結果、FAS-RRBは、RRBのファミリー・アコモデーションを評価するための現在唯一の尺度であり、その有用性と健全な心理測定特性を支持するものであった。興味深いことに、FAS-RRBの適応項目を説明する因子は1つであるが、不安障害やOCDの適応項目の因子分析では、症状駆動型行動への積極的参加や家族のルーチンやスケジュールの修正 (Albert et al. 2010; Lebowitz et al. 2013) またはOCDの誘因の回避や強迫行為への関与(Flessner et al. 2010; Lebowitz et al. 2013)からなる2因子の存在が示されている。これは、不安やOCD症状とRRB、そしてそれらが誘発するアコモデーションの種類の違いによるものだと思われる。

今回のデータは横断的なものであるため、ファミリー・アコモデーションRRBの重症度や適応機能との因果関係については結論が出せない。RRBの重症度が高く適応機能が低いとファミリー・アコモデーションが増加する、あるいは、他の障害で示唆されているように、ファミリー・アコモデーションが子どもの症状を重症化させ、機能障害を大きくするということはもっともなことであろう。実際、この関係は双方向的かつ循環的であり、前者と後者の可能性が組み合わさっていることが示唆される。これらの仮説を検討するためには、縦断的なデータが必要である。

また、ASDの子どもを持つ親がファミリー・アコモデーションを推進・維持する要因についても、さらなる検討が必要である。本調査で保護者に子どものRRBを定性的に説明するよう求めたところ、RRBと保護者自身の配慮の両方について、「しなければならない」「しなければならない」など、これらの行動は任意ではないという信念を示す言葉を使用する保護者がみられた。このように、ASDの子どもを持つ親は、他に選択肢がないとの思いから、便宜を図っているのかもしれない。また、大多数の保護者が報告した、配慮されないことに対する子どもの攻撃的な反応も、長期にわたる配慮の維持に寄与している可能性がある。

ASDRRBに対するファミリー・アコモデーションとOCDや不安障害の症状に対するファミリー・アコモデーションには共通点があることが示唆されたが、同時に考慮すべき重要な相違点もある。ASDの子どもは皆、RRBを呈するが、その頻度、重症度、性質は様々である。あるASDの子どもは、社会的なコミュニケーションや相互作用が主であり、RRBはほとんどない、あるいは稀である。一方、OCDや不安障害では、ファミリー・アコモデーションに対応する症状(回避行動、安心感を求める行動、強迫的儀式など)が、時には障害の主な症状として現れることがある。このことは、OCDや不安障害で報告されているものと比較して、ASDの子どもの親が報告したアコモデーションがやや低いことを説明するのに役立つと思われる。さらに、RRBのレベルが低い子どもは、親が対応すべき症状が少ないため、これらの変数間の相関に寄与している可能性がある。このことは,小児期のOCDや不安障害に焦点を当てた研究で見られる症状の重症度とファミリー・アコモデーションの相関(例:.35~.65;Lebowitz et al.2013, 2014b;Storch et al.2007, 2010)と比較して,本研究で見られた強い相関(.808)の説明に役立つと思われる。

RRBとOCDや不安障害の症状とのもう一つの違いは、その推定される機能に関するものです。OCDや不安障害の症状は不安や苦痛を和らげることを目的としていますが(APA 2013)、RRBの機能は様々であり、同じRRBでも子供によってその機能は異なる場合がある ( Leekam et al. 2011; Stratis and Lecavalier 2013)のです。したがって、RRBに関する一般化については、控えめにすることが重要である。

本研究から生じ、さらなる研究を必要とする重要な臨床的疑問は、子どものRRBを収容することについて、親にどのようなガイダンスを提供すべきかということである。OCDと不安障害の両方において、現在の介入は、子どもの自立した対処を増やす道として、ファミリー・アコモデーションの漸進的かつ支持的な削減を強調している(Lebowitz 2016; Kagan et al.2016; Lebowitz et al.2018; Salloum et al.2018).OCDと不安障害に対する少なくとも1つの親ベースの介入は、治療の中心的な目的としてファミリー・アコモデーションの減少に焦点を当てており、子どもの症状を改善することが分かっている(Lebowitz 2013; Lebowitz and Omer 2013; Lebowitz et al.2014a, b)。ASDの場合にも同様のアプローチが有益である可能性がある。このような介入の開発とテストは、ASDのための追加の、そして切実に必要とされている治療ツールにつながる可能性がある。

この結果は、いくつかの制約を考慮して解釈する必要がある。まず、サンプル数が少なく、幅広い年齢層で構成されている。この懸念を軽減するために、まず2つの年齢グループ(0-6歳、6-15歳)に分けてデータを分析したが、年齢間の有意差は明らかにならなかった。その結果、年齢間の有意な差は見られなかったので、ここでは統合したサンプルについて結果を示す。さらに、この研究は予備的なものであるため、複数の分析が行われたにもかかわらず、アルファ値の訂正は行わなかった。重要なことは、我々の結果が、初診時の家族の調査に基づいていることである。この結果は、ASDのニュアンスに馴染みのないファミリー・アコモデーションのレベルを反映しており、症状の理解は、RRBに対する親の反応に影響を与える可能性がある。さらに、アンケートはそれぞれの子どもの片親が記入したものであり、そのため、子どもの症状に対する家族の対応について部分的に記述したものである。最後に、OCDや不安障害のファミリー・アコモデーションに関する文献群には、縦断的研究や介入研究(Lebowitz et al. 2016)があるが、我々は1時点のデータを収集したため、相関関係の性質やファミリー・アコモデーションの縦断的効果についての理解は妨げられることになった。

今後の研究は、これらの限界を克服し、RRBのファミリー・アコモデーションに関する我々の理解にさらに寄与するものでなければならない。ファミリー・アコモデーションと症状の重症度との関連を異なる時点や発達段階において評価する縦断的研究は、示された関連性の背後にあるメカニズムの理解に役立つかもしれない。また、より大規模なサンプルを用いた今後の研究により、年齢、性別、認知能力などの要因がファミリー・アコモデーションとその結果に及ぼす影響の可能性を示すことができるかもしれない。また、RRBのファミリー・アコモデーションに関する質的データを検討することで、ファミリー・アコモデーションの推進過程や家族に与える影響について、さらなる知見が得られる可能性がある。

これらの制約があるにもかかわらず、ASDにおけるRRBのファミリー・アコモデーションに関するこの予備的調査は、新規かつ貴重な情報を提供するものである。収容はASD児の親に多くみられ、症状の重症度に関係し、多くの親に苦痛を与えている。この新しい領域の理解を深めることは、表現型の異質性に関する新しい洞察につながり、新しい介入の開発につながるかもしれない。

  • Caporino, N. E., Morgan, J., Beckstead, J., Phares, V., Murphy, T. K., & Storch, E. A. (2012). A structural equation analysis of family accommodation in pediatric obsessive-compulsive disorder. Journal of Abnormal Child Psychology, 40(1), 133–143.

  • Lebowitz, E. R., & Bloch, M. (2012). Family accommodation in pediatric obsessive-compulsive disorder. Expert Review of Neurotherapeutics, 12(2), 229–238.

  • Storch, E. A., Geffken, G. R., Merlo, L. J., Jacob, M. L., Murphy, T. K., Goodman, W. K., et al. (2007). Family accommodation in pediatric obsessive–compulsive disorder. Journal of Clinical Child and Adolescent Psychology, 36(2), 207–216.

依存症の対処法学ぶ 水戸でフォーラム、講演(茨城新聞)

ibarakinews.jp

国立病院機構久里浜医療センター研究員の新田千枝さんは、ギャンブルに関する実態調査の結果から、「ギャンブル依存が疑われる人は全体の2・2%。国際的に見て少なくない数字だ」と説明。

自分たちで大きく有病率を出して、大騒ぎをするいつもの手。

LCCAパッケージのデータ

scholarsphere.psu.edu

lcca_1.1.0.zipの中にあるdataフォルダにデータがある。
データはgzで圧縮されているので、解凍すると.txt形式のデータが表れる。
Excelなどでは読めないのでread.table()を用いてRで読む。

NHsmoking

データ読み込み

NHsmoking <- read.table(file="NHsmoking.txt",header = TRUE)
head(NHsmoking)
     WEIGHT CLUSTER STRATUM AGEYRS TOB5DAYS USEDCIGS DAYSCIGS CIGSPERDAY LASTCIG
1  6571.396       2      44      0        1        1        1          1       1
2  8987.042       1      52     11        1        1        1          1       1
3  5586.719       1      51     15        2        1        1          1       1
4 34030.995       2      46     85        1        1        1          1       1
5 26770.585       1      48     44        2        1        1          1       1
6 35315.539       2      52     70        2        1        1          1       1

データの説明

NHsmoking

パッケージ:LCCA
R ドキュメント
NHANESからの最近のタバコの使用状況

説明

このデータセットは 2005-2006 National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) から得られたもので、12歳以上の自己申告による最近の喫煙行動に関連するものである。

使用方法 NHsmoking

フォーマット

9,950 行、9 変数を持つデータフレーム。 WTMEC2YR 回答者の調査体重 SDMVPSU SDMVSTRA にネストされた分散推定のためのサンプリング擬似クラスタ

SDMVSTRA 分散推定のためのサンプリング擬似クラスタ

RIDAGEYR 回答者の年齢(歳)

SMQ680r 最近5日間にタバコ/ニコチンを使用しましたか?(1=はい, 2=いいえ, 3=AGEYRS<12のため適用不可)
SMQ690Ar 過去5日間にタバコを使用しましたか?(1=はい, 2=いいえ, 3=SMQ680>rのため適用外)
SMQ710r 過去5日間にタバコを使用した日数 (1=1, 2=2, 3=3, 4=4, 5=5, 6=SMQ690Ar>1 のため非該当)
SMQ720r 利用した日、1日に吸うタバコの本数(1=1-4, 2=5-9, 3=10-19, 4=20+, 5=SMQ690Ar>1のため該当なし)
SMQ725r 回答者が最後にタバコを吸ったのはいつですか (1=今日, 2=昨日, 3=3-5日前, 4=SMQ690Ar>1 のため適用不可)

詳細

変数名の末尾のrは、NHANES項目の再コード化を示す。例えば、SMQ690Ar は NHANES の項目 SMQ690A を再コード化したものである。NHANES項目の正確な定義については、NHANES 2005-2006のドキュメントを参照されたい。

最近の喫煙の項目は、RIDAGEYR<12の参加者には適用されない。

検査順序によって、SMQ680r、SMQ690Ar、SMQ710r、SMQ720r、SMQ725rの入れ子型スキップパターンが作成された。最初の質問(SMQ680r)の回答が「最近5日間にタバコ/ニコチンを使いましたか」であった場合、残りの項目はスキップされた。はい」の場合、過去5日間にタバコを使用したかどうかを尋ねました(SMQ690Ar)。いいえ」と答えた場合は、残りの項目はスキップされた。

NHANES は複雑な多段階のサンプリングデザインを用いており、推定値と標準誤差を計算する際には、デザイン情報を考慮する必要がある。変数WTMEC2YRは、最近の喫煙項目を含む分析を意図した調査重みである。擬似クラスターおよび擬似層別識別子(SDMVPSUおよびSDMVSTRA)は、実際のサンプリング層および一次サンプリング単位ではなく、回答者の秘密を保護するためのマスクバージョンである。詳細については、NHANES 2005-2006の分析ガイドラインを参照されたい。

diet

diet <- read.table(file="diet.txt",header = TRUE)
head(diet)
  DISTRESS.1 BLACK NBHISP GRADE SLFHLTH SLFWGHT WORKHARD GOODQUAL PHYSFIT PROUD LIKESLF ACCEPTED FEELLOVD DISTRESS.2 U.1 U.2 U.3
1       0.47     0      0    10       4       4        2        2       2     2       5        2        2       0.40   2   2   2
2       0.05     0      0     8       2       3        1        1       2     1       1        2        1       0.09   2   2   2
3       0.63     0      0     8       2       3        2        2       2     2       3        2        2       0.69   1   1   1
4       0.16     1      0     9       1       4        2        1       2     1       2        2        1       0.08   2   2   1
5       1.79     1      0     9       4       4        1        2       2     2       3        3        2       1.41   1   1   1
6       0.32     0      0    10       1       3        1        1       2     1       4        1        1       0.52   1   1   2

Schafer and Kang (2008) は、思春期の少女の感情的苦痛に対するダイエットの影響を評価するために、模擬観察研究を発表した。サンプルは、100万人の少女からなる人工的な集団から抽出された。この集団の変数は、National Longitudinal Study of Adolescent Health (Add Health) (Udry, 2003) の最初の2波の実際の変数に類似している。しかし、Add Health参加者の実際のデータは、母集団にもサンプルにも現れない。すべてのデータは、Schafer and Kang (2008)が記述したように、Add Healthから推定した確率分布からランダムに生成されたものである。

この母集団から6,000人の少女を抽出した1つのサンプルの観測値が、データセット・ダイエットに提供されている。このデータセットに含まれる変数を表1に示す。ダイエッターと非ダイエッターは、それぞれ人口の約20%と80%で構成されています。治療変数であるWave Iのダイエットのバイナリ指標は、データセットから削除され、3つの条件付き独立バイナリ指標U.1、U.2、U.3に置き換えられ、支持確率は、ダイエッターで0.90, 0.85, 0.80, ノンディッターで 0.10, 0.15, 0.20 とされました。この構造は、U.1、U.2、U.3に2つのクラスを持つ潜在クラス・モデルを当てはめることで見ることができる。

変数

DISTRESS.1
第 1 波での精神的苦痛のスコア
BLACK
1=黒人、0=その他 NBHISP 1=非黒人ヒスパニック、0=その他
GRADE
第1波における学校の成績(7, ... , 11)
SLFHLTH
健康全般に関する自己評価(1=優れている、2=非常に良い、3=良い、4=まあまあ、5=悪い)。
SLFWGHT
体重の自己評価(1:非常に少ない、2:やや少ない、3:ほぼ適正、4:やや多い、5:非常に多い)。
WORKHARD
「欲しいものが手に入るのは、たいていそのために努力したからだ」(1=とてもそう思う、...、5=あまりそう思わない)。
GOODQUAL
「あなたは良いところをたくさん持っている」(1=とてもそう思う、...、5=あまりそう思わない)。
PHYSFIT
"あなたは体力がある" (1=とてもそう思う, ... , 5=あまりそう思わない)
PROUD
"誇りに思うことがたくさんある" (1=とてもそう思う, ... , 5=あまりそう思わない)
LIKESLF
"あなたは今の自分が好きだ" (1=とてもそう思う, ... , 5=とてもそう思わない)
ACCEPTED
「社会的に受け入れられていると感じる」(1=とてもそう思う、...、5=あまりそう思わない)
FEELLOVD
「愛され、必要とされていると感じる」(1=強くそう思う、...、5=強くそう思わない) FEELLOVD
U.1
ダイエットに関連する1つ目の二項指標
U.2
ダイエットに関連する2つ目の二項指標
U.3
ダイエットに関連する3つ目の2値指標
DISTRESS.2
第2波で観察されたストレス