井出草平の研究ノート

中教審「審議経過報告」

中央教育審議会教育課程部会「審議経過報告」(PDF)


「確かな学力」という言葉がとても目立つ内容になっている。「ゆとり」という言葉はもはや見かけられない。様々な事が含まれる内容になっているが、要注目は「全国学力テスト」の必要性が語られていることか。

教育の結果の検証については、到達目標の明確化とも関連するが、子どもが学習を進めるに当たって具体的な指針となるよう、具体的な評価の在り方や規準について引き続き検討することが必要である。また、国においては、子どもの学習到達度の把握・検証のため、全国的な学力調査を実施することが適当である。


アメリカではNCLBの下で全員が学力テストを受ける。そして、そのデータは学校単位で公開され、ネットでも簡単に見ることが出来る。その情報をもとに親は学校を選択する。公開されている情報はもちろん学力だけではない。教育の「アカウンタビリティ」(説明責任)と言われるものがアメリカでは急速に進んでいる。


一方、日本では学力テストに対する根強い反発がある。しかし、その反発によって、説明責任のない教育がまかり通っているのが現状だ。イデオロギーをとるか、説明責任をとるか。合理的に考えれば、説明責任だが、世間の流れはどうもそうは簡単には変わらない。