井出草平の研究ノート

Body Shape Questionnaire


アジア人はEATスコアは高くても,BSQ(Body Shape Questionnaire)は低いとされているらしい(参照:id:iDES:20060426:1146111207)


摂食障害であっても、(欧米人に比較して)アジア人は自分の体系を気にしてはいない(傾向にある)ということだろう。つまり、別の要因で摂食障害が起こっていることになる。


そういえば、こういう記述もあった。

これらの結果から日本では、拒食症の患者数は他のアジア諸国に比べて高率ですが、欧米と比べるとまだ低いようです。しかし、一般女性において、過食症の有病率は他のアジア諸国と異なり、欧米の結果とほぼ同程度高率にみられるようです。(切池信夫『みんなで学ぶ過食と拒食とダイエット―1000万人の摂食障害入門』p11-2)


日本で本当にBSQが低いのかということは未確認だが、そう仮定するならば、拒食症が(欧米に比べて)少ないのとなんらかの関連はあるのだろう。


日本でBSQで雑誌検索をかけてひっかかるのは次の論文。(体型意識で検索すると20件ほどひっかかる。多分BSQかそれに類似する指標が使われているんだろう)

岸田典子・上村芳枝,
「体型意識に関する女子大学生と母親との世代比較」
『榮養學雑誌』 60(4),179-188,20020801
米良貴嗣・宮田正和・辻貞俊 
「IC-9 画像及びEDI、BAQ、BSQを用いた摂食障害患者のボディイメージの評価(摂食障害II)」
『心身医学』41(supple),59,20010501


さきほどの、アジア人はBSQが低いというのを再貼り付け

MUMFORD, D. B., WHITEHOUSE, A.M.& PLATTS, M. (1991)
Sociocultural correlates of eating disorders among Asian schoolgirls in Bradford.
 British Journal of Psychiatry, 158, 222 - 228.

http://bjp.rcpsych.org/cgi/content/abstract/158/2/222
EBSCOにはないが、図書館にある。


Abstractより

Asian population. Among the Asians, high EAT and BSQ scores were associated with a more traditional cultural orientation and not with greater Westernisation.


Abstractにはアジアがどこかというのが書いてない。イギリスのブラッドフォードの調査なので、サンプルをどのくらいとれたのかもよく分からないし、アジア人をみんな同カテゴリーにぶち込んでるのかもしれない。手近にもあることなので要確認。


再び、Body Shape Questionnaireについて。
ウェブで検索すると日本語では引っかからないが、英語だとわりと引っかかってくる。論文検索でも割とひっかかるので、この分野の研究の先行研究は揃っているようだ。


オリジナルは34の質問項目を持つようだが、その縮小版も存在する。
Shortened forms of the Body Shape Questionnaire


「ダイエットした方がいいか?」といった体系に関する質問が並んでいて、1〜6のポイントがふられている。得点が高い方が体系に関して注意を払っていることになる。