井出草平の研究ノート

不登校児童の98%は幼稚園出身?


大学の知人から教えてもらった情報。「不登校児の98%は幼稚園出身」という徳島大学の調査があるということなのだ。
ソースは2007年8月16日の『視点・論点』に出演した元「わいふ」編集長、田中喜美子氏の発言。

「3歳までの母子密着が、生きる力の乏しい子どもを育ててしまうことはデータ的にもはっきりしている。徳島大学の調査では、3歳までに集団保育を体験した子どもたちは、親の手元育った子どもに比べて、学齢期になった時に、不登校になる率がはるかに少ない、というデータもある」
http://blog.goo.ne.jp/setagayakugi-tanakayuko/e/935693b5d2df5e2b589a03c74e9e9c35

3歳までの母子密着の子育てが、生きる力の弱い子どもを大量に育てています。徳島大学の調査では、3歳までに集団保育を体験した子どもは学齢期に不登校になる率が少ないというデータもあるわけです。
http://d.hatena.ne.jp/pick-up/20070816


以上のような発言があったようである。


この徳島大学の調査というものを確認しようと思い、ウェブ検索、雑誌検索、新聞記事検索、博士論文、科学研究費データベースなどを調べてみたが該当する調査が見あたらない。ウェブでは唯一大田区の「ふぼれん」(大田区保育園・児童館父母の会連合会)で情報を見つけることができた。

徳島大学不登校児」調査
不登校児の98%は幼稚園出身
3歳(幼児教育)からでは遅すぎる
次世代育成計画の中心は乳児家庭支援


 徳島大学が発表した「不登校児」の実態調査が話題を呼んでいます。不登校児の実に98%が幼稚園出身児であったとの発表に驚きの声が上がっています。研究者の間では「次世代育成支援」の中心課題を「乳児家庭支援」におくべきとの問題提起も出てきています。また「保育園保育と幼稚園保育との違い」を指摘する声もあります。ここにきて乳幼児教育のあり方と現代の子どもと子育て家庭の現状をもっと調査・分析すべきとの指摘も出てきました。
http://www.fuboren.net/news/log/0409.html

徳島大学不登校児調査
98%が幼稚園出身者・広がる専業主婦家庭での子育て不安
子ども家庭支援センターにおける相談の第1位は「幼稚園に行きたくない」
http://www.fuboren.net/kanjikai/342bora.fuboren.html


ウェブではこの大田区の「ふぼれん」のページにしか記載を発見出来なかった。年次は2004年9月。3年ほど前である。
最新の調査で情報がまだ出回っていないというのでもないようだ。


大田区の「ふぼれん」にメールを出して聞いてみようと思います。また、もし、この調査についてご存じの方がおられましたら、ご一報ください。


追記:「ふぼれん」から返答をいただきました。担当者の方、ありがとうございます。徳島大学の調査のソースは新聞記事のようです。2004年の夏から秋の新聞記事をごっそり掘り返してみようと思います。


再追記:2004年を中心に総計8時間ほど検索をしましたが、該当する記事・調査は見つけられませんでした。対象にした新聞は朝日新聞毎日新聞・読売新聞・産経新聞の4紙です。