- 作者: 田中優子
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/06
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昨日『さくらん』を観た勢いで読んだ本。「芸」と「性」の関係性の考察が非常に面白い。このブログで書く内容とはかけ離れたところになってしまうので控えるとして、関係ありそうな記述をメモ。
日本人の自由な(おおらかな)性意識、という言い方に少々の危惧を感じて留保するのは、対西欧近代と江戸とを比較した時、確かに価値観の違いはあるが、価値基準までが違う以上、同一レベルで判断できないのではないかと考えるからだ。現代の基準から見ると自由に見える。しかしそこに作法がある以上、そしてそこに美学があり、それこそがサロン(ひいては社会)の存立基盤である以上、それを単なる自由勝手と言うことはできないように思う。(187-8)
社会学周辺で日本人の性は「おおらか」と言ってしまってる人がちらほらいるけれども、もう少し注意深く見ていかなくてはならないのかもしれない。