労働政策研究・研修機構(旧・日本労働研究機構と労働研修所)の予算請求額の年次推移。労働政策研究・研修機構というのは「ニート」という問題を研究している組織。日本労働研究機構の予算関係を調べるという宿題をもらったもの。ニート騒動に関して、日本労働研究機構(JIL)陰謀説(?)があるようで、ニート騒動でこの組織へのお金がどれくらい増加したかということを調べるという動機で書いたエントリ。
労働政策研究・研修機構は2003年に組織変更(特殊法人→独立行政法人)を行っている。「ニート」という言葉が流行し始めるのは2004年5月。予算要求の推移を見る限り特に明確な傾向はない。平成19年度の年度計画をみると、やはりライフワークバランスが目を引く。若年失業→若年無業→ライフワークバランスと時代の流れに沿う(というか時代をリードする)研究が着実にされている。研究内容の社会的意義をアピールできていることによって、ある程度の予算増額に成功しているとは読める。
5年間で単純に計算すると1億4757万9000円ほど予算が増えていることになるが、その多くは2007年の増加。2007年度は「研修施設等の整備費」として1億ほどが例外的に計上されている(下記の表を参照)ので、建物の補修工事などで予算が増えただけなのかもしれない。労働政策研究・研修機構の平成19年度の年度計画を読むと19年度には「労働大学校」の防水・空調・機械工事を中心に1億9300万ほどの予算が予定されている。この予算分に当たるのかもしれないが、額が合わないので正解なのかはよくわからない。(参照:労働大学校)
以下は予算の具体的な額・内容・年次推移の表
合計額 | 事項 | 年度要求額 | 前年度予算額 | 差額 | 説明 | ||
2007年(平成19年)度 | 576,561 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構納付金 | 970 | 0 | 970 | 「独立行政法人労働政策研究・研修機構法」第14 条第3 項の規定により独立行政法人労働政策研究・研修機構から納付される納付金の受入見込 | |
独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費 | 475,072 | 497,828 | 22,756 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構の行う業務の財源の一部に充てるための同機構に対する運営費交付金の交付 | |||
独立行政法人労働政策研究・研修機構施設整備費 | 100,519 | 0 | 100,519 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構が施行する研修施設等の整備費の補助 | |||
2006年(平成18年)度 | 497,828 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費 | 497,828 | 498,194 | 366 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構の行う業務の財源の一部に充てるための同機構に対する運営費交付金の交付 | |
2005年(平成17年)度 | 498,194 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費 | 498,194 | 502,039 | 3,845 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構の行う業務の財源の一部に充てるための同機構に対する運営費交付金の交付 | |
2004年(平成16年)度 | 502,039 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費 | 502,039 | 262,664 | 239,375 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構の行う業務の財源の一部に充てるための同機構に対する運営費交付金の交付 | 2004年5月の産経新聞に「ニート」という用語が登場。話題に。 |
2003(平成15年)度 | 452,331 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費 | 262,664 | 0 | 262,664 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構の行う業務の財源の一 | 2003年10月に日本労働研究機構と労働研修所(厚生労働省)が統合して、労働政策研究・研修機構が設立 |
日本労働研究機構補助金 | 174,252 | 369,696 | 195,444 | ||||
労働研修所に必要な経費 | 15,415 | 59,286 | 43,871 | 厚生労働省の所掌事務を担当する職員等に対し、労働に関す | |||
2002年(平成14年)度 | 428,982 | 日本労働研究機構補助金 | 369,696 | 365,526 | 4,170 | る事務に従事するため必要な研修の実施 | |
労働研修所に必要な経費 | 59,286 | 63,674 | 4,388 | 厚生労働省の所掌事務を担当する職員等に対し、労働に関する事務に従事するため必要な研修の実施 |
日本労働研究機構の略称である「JIL」で検索するとこんなのがひっかかった