探索的因子分析において因子数を決定する基準として使われるMAPについて。
MAP:Minimum Average Partial correlationであり、日本語だと最小平均偏相関になる。
Velicerによつて開発された方法である。
因子数を決める基準はどれが適切かという議論は比較的多くされているようだ。
下記の論文ではMAPについて次のように書かれている。
http://www.glmj.org/archives/articles/Pearson_v39n1.pdf
試験1では、VelicerのMAPはある程度良好であった;しかし、PA-R、BIC、LRTほどではありませんが、BICやPA-Rと同様に、変動率が小さい場合には過小評価される可能性があった。また、過小評価はBICやPA-Rよりも変動率に影響をうける。その傾向は研究2でより厳しく、この知見はZwickとVelicer(1986)のそれと類似していた。 したがって、MAPを用いている研究者は、特に変動因子比が低い場合には、この方法が示唆するよりも1つまたは2つ多い因子を用いたモデルを試した方が良いかもしれません。一般的な統計パッケージではMAPも並行分析も標準的な選択肢ではないため、これらのいずれか外部ツールを使うことになる。分析者は代わりに共通因子並行分析を試みるべきである。
この論文ではAICの結果が良かったとされている。
少なくとも、AIC>BICであるのは確かなようだ。
ともあれRを用いたMAPの出し方を書いておこう。
psychパッケージのVSS()で計算することができる。
psychパッケージでのMAPの求め方
library(psych) data(bfi) d1 <- bfi[1:25]
IPIP-NEOのデータを使用する。IPIP-NEOの詳細はこちら 5因子5問ずつのデータを使うので1~25列目までをd1に格納した。
res01<-vss(d1) print(res01,digits =4)
偏相関の値がわりと同じような数値になりやすいため、小数点以下を4桁に調整してみた。
VSSはどれが提案されたのかがちゃんと文章で出るようになっている。
The Velicer MAP achieves a minimum of 0.0148 with 5 factors
ということで5因子が提案されたようだ。
追記:
MAP基準の推定方法を指定できるようだ。
vss(data, fm="minres") #最小残差法 vss(data, fm="mle") #最尤法 vss(data, fm="pc") #主成分