今日は小技の紹介。
1台のパソコンで異なったバージョンのMplusを使うにはどうしたらよいか、という話である。
このようなことを試みた人はあまりいないかもしれないが、Mplusの異なったバージョンを同じPCにインストールしてもうまく使えない。 今回のはその解決法である。
Mplusの仕組み
Mplusのエディタは下記のものだ。
Mplusの正式な名称はわからないが、いわゆるエディタの類なので、本エントリではエディタと呼ぶことにする。
実はMplusの本体はこれではない。エディタはフロントエンドにすぎない。
本体はこちらである。
分析を実行すると、黒いウィンドウが出て計算をしているやつである。
Mplusはエディタで書いた分析の命令を本体に送って計算させて、終了するとエディタに返す、という仕組みである。
異なったバージョンのMplusを使うために必要な2つのこと
以下の2つを実施すると、異なったバージョンのMplusが利用可能である。
- MplusをそれぞれMplus8やMplus7といったフォルダにインストールする
- Pathを使うバージョンを変更するごとにMplus8やMplus7というフォルダに変更する
インストール場所をデフォルトから変更する(インストール時)
64bit版の場合、Mplusのデフォルトのインストール場所は下記の場所である。
C:\Program Files\Mplus
これを"Mplus8"というようにバージョンの番号をいれる。
C:\Program Files\Mplus8
Pathを変更する
つぎにPathを変更作業を行う。 Mplusをインストールするとpathが自動的に設定される。
この図ではMplusのPathはC:\Program Files\Mplus
に通っている。
この場所がMplusの本体の格納場所を示している。
エディタから本体へ分析命令をどこに送ればいいか、ということを指定する。
したがって、このPathはMplus8に変えたり、Mplus7に変えれば、異なったMplusで分析ができる。
Pathの変え方は以下のページで解説がされている。
どのバージョンで分析したか
分析結果のファイルである".out"の先頭行に書かれてある。
例えばこんな感じである。
Mplus VERSION 7 MUTHEN & MUTHEN 12/03/2019 08:40 AM
Mplus7で分析しているつもりでも、Mplus6に分析が送られていた、ということも起こりうるので、outファイルの先頭行には注意しておこう。