コンピュータ・ビジョン症候群

米国オプトメトリック協会のウェブページから抄訳。

f:id:iDES:20200506191922p:plain https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2751330

コンピュータ・ビジョン症候群は、デジタル眼精疲労とも呼ばれる。コンピュータ、タブレット電子書籍リーダー、携帯電話などの長時間の使用によって、目や視力に関連する問題の一群を指す。長時間デジタル画面を見ているときに、目の不快感や視力の問題を経験する人が多く、不快感のレベルは、デジタル画面の使用量が多いほど高くなると考えられている。

アメリカのオフィスワーカーは1日7時間程度をコンピュータの前で過ごしている。デジタル眼精疲労を軽減するには「20-20-20ルール」に従うことが推奨される。20分ごとに20秒の休憩をとり、20フィート(約6メートル)先のものを見るように心がける(インフォグラフィック) 。

症状

コンピュータ・ビジョン症候群(CVS)やデジタル眼精疲労の最も一般的な症状は以下の通り。

  • 眼精疲労
  • 頭痛
  • ぼやけ目
  • ドライアイ
  • 首と肩の痛み

このような症状は、以下のような原因で引き起こされることがあります。

  • 照明不良
  • デジタル画面の輝度
  • ディスプレイとの距離
  • 座り位置が悪い
  • 矯正されていない視力の問題(注:眼鏡があっていないなど)

遠視や乱視などをめがねなどで矯正しないこと、老眼のような目の加齢による変化などは、視覚症状の発症の一因となる。

経験される視覚症状の多くは一時的なものであり、コンピュータ作業やデジタルデバイスの使用をやめると回復する。しかし、人によっては、コンピュータでの作業を止めた後も、遠方の視界がぼやけるなどの視覚能力の低下が続く場合がある。このような問題の原因に何も対処しなければ、症状は再発し続け、今後のデジタル画面の使用によって悪化する可能性もある。

症状の軽減するためには、デバイス画面上の照明やまぶしさをコントロールする、適切な作業距離と画面を見るための姿勢を整える、めがね等で視覚の問題を矯正することなどがあげられる。

原因

コンピュータのモニターなどを見ることは、印刷されたページを読むこととは異なる。多くの場合、コンピュータや携帯機器の文字はぼやけていたり、背景と文字のコントラストがはっきりしていなかったり、まぶしすぎたり、画面に光が反射してみづらかったりする。また、モニターとの適切な距離も読み書き作業とは異なっている。

眼鏡やコンタクトレンズを使用していても、コンピュータの画面との距離が適切でないかもしれない。眼鏡がコンピュータを見るために適切に調整されていないと、変な角度で頭を傾けてしまう人もいたり、画面をはっきりと見るために姿勢をかがめてしまう人もいる。そのような姿勢は、筋肉の痙攣や首、肩、背中の痛みを引き起こすことがある。

コンピュータ・ビジョン症候群やデジタル眼精疲労を発症する最大のリスクは、毎日2時間以上連続してコンピュータの前にいたり、モニターをみていることである。

ケア

日常活動に眼鏡を使っていないひとでもコンピュータを使うために眼鏡を使った方がいいこともある。また日頃から眼鏡をかけている人は、日常生活で使うものと、コンピュータを使うときに使うものを変えた方がよいかもしれない。

コンピュータ使用者の中には、眼鏡やコンタクトレンズでは十分な矯正ができない人もいる。このような特定の問題を治療するためには、視覚療法(vision therapy)のプログラムが必要になることもある。視覚療法は、視覚トレーニングとも呼ばれ、視覚能力を向上させるためのプログラムである。

パソコン使用時の正しい体勢

コンピュータ・ビジョン症候群を予防したり、軽減したりするための重要な要因のいくつかは、コンピュータとその使用方法に関係している。これには、照明条件、椅子の座り心地、参考資料の位置、モニターの位置、休息時間の利用などが含まれる。

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  • コンピュータの画面の位置 ほとんどの人は、目が下を向いている時の方が快適にコンピュータをみることができる。最適なのは、コンピュータの画面は、画面の中心から測って目の高さより15~20度下(約4~5インチ; 10~cm)、目から20~28インチ(50~71cm)の位置にする。
  • 参考資料 資料は、キーボードの上とモニターの下に配置する。これが不可能な場合は、モニターの横にドキュメントホルダーを使用することができます。目標は、文書から画面を見るために頭を動かす必要がないように文書をおくようにすること。
  • 照明 コンピュータの画面は、特に頭上の照明や窓からのまぶしさを避けるように配置する。窓にはブラインドやカーテンを使用し、デスクランプの電球は低ワット数の電球に交換する。
  • アンチグレア・スクリーン 光源からのまぶしさを最小限に抑える方法がない場合は、モニターをアンチ・グレア/ノン・グレア(非光沢)にする。
  • 座席の位置 椅子は快適なパッド入りにして体にフィットするようにする。椅子の高さは、足が床につくように調整する。椅子にアームがある場合は、タイピング中にアームがサポートできるように調整する。タイピング中に手首がキーボードの上に置かないようにする。
  • 休憩 眼精疲労を防ぐために、長時間コンピュータを使用しているときは、目を休めるようにする。コンピュータを2時間連続して使用した後、15分間は目を休ませる。また、コンピュータを20分見るごとに20秒間、遠くを見て目の焦点を合わせるようにする。
  • まばたき コンピュータ使用中にドライアイを発症することを抑えるために、まばたきを頻繁に行うようにする。まばたきをすることで、目の前面の水分を保つことができます。

定期的な眼科検診と適切な鑑賞習慣は、コンピュータ・ビジョン症候群に関連する症状の発症を予防または軽減するのに役立つ。

日本語の記事

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雑感

椅子には多少お金をかけた方がいいのかもしれない。アローンチェアとかゲーミングチェアとか。
紙の資料を机において、モニタで仕事をすると首に負担がかかるようだ。紙をデジタル化してデュアルディスプレイか画面分割して表示させる方がいいのかもしれない。

眼や体に悪いからパソコンを使った仕事はしないでおこうというのは無理な話。技術革新があればいいが、当分はパソコンやスマホなどとと付き合っていかなければならない。
勉強も同じだろう。近くをずっと見ている受験勉強などは眼に悪い。だからといって、やらない方がよいというわけではない。眼や体に負担が少ない形で勉強をするのが正しい。
ゲームも同じ。ゲームをするな!ではなく、ゲームをするときは眼に負担をかけないようにしよう、が正しい啓蒙の仕方。