井出草平の研究ノート

ゲームで視力回復--目に悪いって誰が言っているの?

BBCの記事から。

news.bbc.co.uk

「目に悪いって誰が言っているの?」はBBCニュースの写真のキャプションに書いてある言葉。BBCの煽りだろうか。

抄訳

アクションゲームをプレイすることで、以前は変わらないとされていた成人の視力が向上する可能性があることが、米国の研究で明らかになった。研究者たちは、ゲームをプレイすることで、均一な背景に対する灰色の濃淡のわずかな変化にも気づく能力が向上することを発見した。コントラスト感度は、夜間の運転や視界の悪い状況では重要である。 The Nature Neuroscience誌の研究は、ゲームのトレーニング方法を使って視力を向上させる可能性を提起している。コントラスト感度(Contrast sensitivity)を改善するには、通常、眼の手術、眼鏡、コンタクトレンズなどの眼を物理的に変化させる必要があった。

ロチェスター大学のチームは、仮想のターゲットを狙うゲームをプレイしている熟練したゲームプレイヤーを研究した。彼らは、非アクション系のゲームをプレイしたプレイヤーと比較して、より良いコントラスト感度を持っていることを発見した。この研究は、ゲームをしない人に毎日集中的に練習をさせたもので、コントラスト感度はゲームによって向上したと考えられる。また、この研究での改善は数ヶ月、場合によっては何年も持続したことから、ゲームが必ずしも視力に有害ではないことが示唆された。

主任研究者のダフネ・バヴェリエ博士は、ゲームのいくつかの要素が組み合わさって、良い効果を生み出している可能性が高いと述べている。ゲームはプレイヤーを予測できない出来事に常に対応できるように準備しなければならない環境に没頭する。視覚的な情報を非常に正確な物理的方法で瞬時に反応させなければならない。さらに、ゲームが刺激的であり、かつ、やりがいのあるものだった事実も見逃せないと述べている。バヴェリエ博士は、この発見を利用して弱視治療の新しい方法を開発したいと考えている。

コントラスト感度

コントラスト感度についてこちらに詳しい説明がある。

https://coopervision.jp/sites/coopervision.jp/files/drsalmonnews201110.pdf

リミテーション

ゲームでもコンピュータ・ビジョン症候群(眼精疲労など)は起こるのでほどほどにするべきだろう。

ides.hatenablog.com