こちらの8.13の例をモディファイしたもの。8.13は共変量が設定されているためややこしいように思えたので、共変量を取り除いたシンプルにものにしてみた。
c1とc2は2つの時点の潜在変数である。潜在以降分析は潜在クラスが2時点、3時点でどのように変化したかを見るものなので、u11とu21は時点が違うだけで測定する内容は同じである。このモデルでは、5つの観測変数から潜在変数が作られていて、潜在クラスの数は3である。
TITLE: LTA DATA: FILE = ex8.13.dat; VARIABLE: NAMES = u11-u15 u21-u25; CATEGORICAL = u11-u15 u21-u25; CLASSES = c1 (3) c2 (3); ANALYSIS: TYPE = MIXTURE; MODEL: %OVERALL% c2 ON c1; MODEL c1: %c1#1% [u11$1-u15$1] (1-5); %c1#2% [u11$1-u15$1] (6-10); %c1#3% [u11$1-u15$1] (11-15); MODEL c2: %c2#1% [u21$1-u25$1] (1-5); %c2#2% [u21$1-u25$1] (6-10); %c2#3% [u21$1-u25$1] (11-15);
CLASSES = c1 (3) c2 (3);
クラス数を指定する。c1とc2は3クラスずつである。
MODEL: %OVERALL% c2 ON c1;
全体のモデルの記述。潜在変数c1からc2への矢印を示している。
MODEL c1: %c1#1%
%c1#1%
はc1のクラス1のこと。[u11$1-u15$1]
は[u11$1] (1); [u12$1] (2); [u13$1] (3); [u14$1] (4); [u15$1] (5);
と書いても良い。u11$1
とu21$1
はいずれも"1"のラベルがついているため、同じ項目であることを意味している。
クラスの変化
最も重要なのはクラスがどのように変化したかである。
以下の表は1時点目のC1が行、2時点目のC2が行となっている。
LATENT TRANSITION PROBABILITIES BASED ON THE ESTIMATED MODEL C1 Classes (Rows) by C2 Classes (Columns) 1 2 3 1 0.632 0.135 0.233 2 0.587 0.120 0.293 3 0.341 0.162 0.497
1時点目でクラス1で、2時点目もクラス1だったものは63.2%ということである。クラス2に移行したものは13.5%、クラス3に移行したものは23.3%ということになる。
潜在移行分析を行う前に潜在クラス分析をする
まずは潜在クラス分析をしてクラス数を決める作業を行う。潜在クラス分析はBICやBRRTなどを参考にしてクラス数を決めるが、それらの指標の支持するクラス数が分かれる時があり、その場合は分析者が、クラス数を決める。指標の支持も必要だが、有意味なクラス分けがされているか、というのが最も重要な判断になる。3クラスから4クラスになった方が指標の数値は良いが、3から4にクラス数を増やす意味が説明できないときには、3でもよいということだ。
潜在クラス分析は通常、1時点の分析だが、潜在移行分析の場合は2時点以上のデータがあるため、それぞれの時点のクラス分けをすることになる。時点を越えると、クラス数がしばしば安定しないことがあり、通常の潜在クラス分析よりも、クラス分けは分析者の決断が必要になる傾向にある。
クラス数を決めてから、潜在移行分析を行う。