インドの大学生を対象した調査。この研究はもともとのインターネットゲーム障害の研究の参加者に追加調査したもののようだ。論文ではゲームはストレスに対抗するのに役立つと考えられていると述べられている。
- Balhara, D. Kattula, S. Singh, Surekha Chukkali, R. Bhargava, 2020, Impact of lockdown following COVID-19 on the gaming behavior of college students, Indian Journal of Public Health.64(6): 172-176.
ゲーム時間の増加
ロックダウン中に50.8%がゲーム行動が増加し、逆に減少したのは14.6%。
学期末試験への心配
ほとんどの学生が学期末試験を心配していた。
しかし、試験への心配はは大多数の参加者(69.5%)のゲーム行動を変えなかった。残りの12.5%の参加者は試験関連のストレスからゲームをする回数が増えたと回答し、残りの18%の参加者は1日のゲーム時間を減らしたと回答している。
抑うつとの関連
PHQ-9で測定された抑うつを従属変数とした二値ロジスティック回帰分析では、1日のゲーム時間(OR 1.75 [1.29-2.36])、試験関連のストレスによるゲームの増加(OR 4.96 [1.12-21.98])、ゲームがストレス管理に役立つという信念(OR 4.27 [1.65-11.04])が、ロックダウン期間中のゲーム行動と独立して関連していることが判明した。
抑うつとゲーム時間は関連があるが、それ以上に試験へのストレスが大きく関連しており、ストレス管理に役立っていると考えられていることが分かった。
ゲームによるストレス管理
COVID-19に起因するストレスに対する好ましい対処法としてゲームを挙げたところ、賛成と反対の割合が同数(34.6%)であった。
ゲーム時間を増やした人は、増加させなかった人よりもストレスに対処するのに役立つと考えていた(mean 3.37, SD 1.00 vs. mean 2.52, SD 0.93; t = −4.92, P < 0.01)。
COVID-19に関連する不安は、両群間で有意差はなかった(mean 6.94, SD 2.17 vs. mean 6.25, SD 2.32; t = −1.72, P = 0.08)。しかし、中等度から重度の不安がある人は、ゲーミング行動の変化と関連があった。ゲーム行動が増加した人は、ゲーム行動が増加しなかった人に比べて、中等度から高度の不安に陥る可能性が有意に高かった。