井出草平の研究ノート

ゲーム障害の診断基準の緩さは、今後の効率的な診断方法の開発の妨げとなる可能性がある

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    1. Pontes, B. Schivinski, Magdalena Brzozowska-Woś, V. Stavropoulos, Laxer Clinical Criteria for Gaming Disorder May Hinder Future Efforts to Devise an Efficient Diagnostic Approach: A Tree-Based Model Study, Journal of Clinical Medicine. 8(10):1730. doi: 10.3390/jcm8101730.

ゲーム障害の診断基準の緩さは、今後の効率的な診断方法の開発の妨げとなる可能性がある。ツリーベースのモデル研究 インターネットゲーム障害(IGD)は、2013年5月に認定され、米国精神医学会(APA)が作成した基準を用いて評価することができる。本研究では、IGDの各基準がゲーム障害の診断に果たす役割について検討した。本研究には、3377名の参加者(平均年齢20歳、SD = 4.3歳)が参加した。集められたデータは、高度な機械アルゴリズムであるConditional Inference Tree(Ctree)を用いてIGDのパターンを検出するために精査された。参加者は、基本的な社会人口統計学的情報を提供し、Internet Gaming Disorder Scale-Short-Form (IGDS9-SF)を記入した。その結果、IGDに関連する症状のクラスが特定され、「離脱」と「自制心の喪失」を是認すると、ゲーム障害の確率が77.77%増加し、「離脱」、「自制心の喪失」、「否定的な結果」を是認すると、ゲーム障害の確率が26.66%増加することがわかった。さらに、「離脱」が支持されず、「没入」を是認すると、ゲーム障害の可能性が7.14%増加した。今回得られた結果は、IGDの基準が異なると、ゲーム障害の発症における診断上の役割がそれぞれの基準で明らかなになるため、異なる臨床的な重みづけを示すことができるかもしれない。さらに、今回得られた知見は、今後の診断マニュアルの改訂に役立ち、将来的にIGDの評価を向上させるのに役立つす。さらなる研究と臨床への影響について議論する。