井出草平の研究ノート

ベルギーとフィンランドで問題のあるスマホ使用の調査。ダウンロードとFacebookが問題利用に関連。モバイルゲームは関連なし。

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  • Li, Wen, Eric L. Garland, and Matthew O. Howard. 2018. “Therapeutic Mechanisms of Mindfulness-Oriented Recovery Enhancement for Internet Gaming Disorder: Reducing Craving and Addictive Behavior by Targeting Cognitive Processes.” Journal of Addictive Diseases 37 (1-2): 5–13.

モバイルゲームと問題のあるスマートフォン使用。ベルギーとフィンランドでの比較研究
背景と目的 ゲームアプリはスマートフォンの主要な娯楽機能の1つとなっているが、これは少数の個人の間での危険な使用、禁止された使用、依存的な使用という点で潜在的に問題となる可能性がある。ベルギーとフィンランドでクロスナショナル調査を実施しました。その目的は、スマートフォンでのゲームと、問題のあるスマートフォン利用の自己認識との関係を、オンライン調査によって調べ、潜在的な予測因子を確認することである。方法 899名の参加者(男性30%、年齢18~67歳)を対象に、PMPUQ-SV(Problematic Mobile Phone Use Questionnaire Short Version)を実施した。結果 PMPUQ-SVは、良好な妥当性と十分な信頼性が確認されたが、特に依存性下位尺度については、本尺度を用いた両国の有病率が低いことが報告された。回帰分析の結果、ダウンロード、Facebookの利用、ストレスがスマートフォンの問題利用に寄与していることがわかった。不安は、依存の予測因子として浮上した。モバイルゲームは、両国の人口の3分の1が利用していたが、その利用はスマートフォンの問題ある利用を予測するものではなかった。スマートフォンでのゲームに関して、異文化間の差異はほとんど見られなかった。結論 ベルギーとフィンランドでは、モバイルゲームは問題にならないことが示唆された。