井出草平の研究ノート

ソーシャルオンラインゲームをするとリアルの友達が減ったり希薄化する仮説はウソ

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  • Domahidi, Emese, Johannes Breuer, Rachel Kowert, Ruth Festl, and Thorsten Quandt. 2018. “A Longitudinal Analysis of Gaming- and Non-Gaming-Related Friendships and Social Support among Social Online Game Players.” Media Psychology 21 (2): 288–307.

ソーシャルオンラインゲームプレイヤーのゲームおよび非ゲーム関連の交友関係とソーシャルサポートに関する経時的分析
オンラインゲームを検証する研究では、プレイヤーに悪影響を与える可能性に焦点が当てられることが多い。最も一般的な懸念の1つは、他の人とオンラインでプレイすることで、オフラインの人間関係を奪い、結果的に「オフライン」の社会的支援のレベルに悪影響を及ぼすというものである。しかし、これらの因果関係を裏付ける実証的な証拠はほとんどなかった。そこで本研究では、オンラインゲームを一緒にプレイする人を対象に、ゲームに関連する交友関係と非ゲーム関連の交友関係、およびソーシャルサポートについて縦断的な分析を行った。その結果、オンライン・オフラインを問わず、友人と一緒にオンライン・ビデオゲームをプレイすることは、横断的にも縦断的にも、ソーシャルサポートの認知とは正負の関係がないことがわかった。これらの結果は、長年主張されてきた社会的変位仮説に異議を唱えるものであり、オンライン・ビデオゲームのソーシャルプレイは、プレイヤーのオフラインでの交友関係やオフラインでのソーシャルサポートのレベルに現実世界でのネガティブな影響を与えないことを示唆している。