井出草平の研究ノート

ANOVA その2[R]

こちらの続き。

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完全要因被験者間分散分析(Full-factorial between-subjects ANOVA)

分散分析(ANOVA)には、分析しているデータの種類に応じて多くの種類がある。ANOVAには非常に多くの種類があり、1つのタイプと別のタイプの違いを説明した本があるほどである。ここでは、ANOVAの1つのタイプである「完全要因型被験者間分散分析」を取り上げる。これらのANOVAは、標準的な実験計画を分析するために使用される最も単純なタイプのANOVAである。完全要因型被験者間分散分析では、参加者は、要因の唯一の組み合わせに無作為に割り当てられる。要因の組み合わせは、特定の実験条件を意味する。例えば、認知能力に対するカフェインの効果を比較する心理学の研究を考えてみよう。この研究には、飲み物の種類(ソーダ、コーヒー、エナジードリンク)と飲み物の量(0.25L、0.5L、1L)という2つの独立変数がある。完全要因計画では、各参加者は1つの飲料タイプと1つの飲料量の条件に無作為に割り当てられる。このデザインでは、3×3=9つの条件がある。

この章の残りの部分では、完全要因被験者間分散分析を標準的なANOVAと呼ぶことにする。

ANOVAは何のためにあるのか?

ANOVAは "Analysis of Variance "の略である。一見すると、分散の違いではなく、平均の違いを見つけるために使うテストに与える名前としては奇妙に聞こえる。しかし、ANOVAは実際に分散を使用して、グループの平均に「本当の」違いがあるかどうかを判断する。具体的には、データがグループ内でどのように変動するかを見て、それをグループ間のデータの変動と比較する。グループ間の分散がグループ内の分散に比べて大きければ、ANOVAは、グループの平均値に差があると結論づける。グループ間の分散がグループ内の分散に比べて小さい場合、ANOVAは、グループはすべて同じであると結論づける。ANOVAの視覚的な描写については、図を参照。

図: ANOVAの仕組み

ANOVAは、グループ間の変動性(すなわち、グループ平均の差)とグループ内の変動性(すなわち、どのくらい個人が一般的にお互いに異なるか)を比較する。グループ内の変動がグループ間の変動に比べて大きい場合、ANOVAは有意でない結果を返す。グループが実際には異なっていないことを示唆する。グループ間の変動がグループ内の変動に比べて大きい場合、ANOVAは有意な結果を返す。これは、グループが異なっていることを示唆する。