井出草平の研究ノート

豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例

スマートフォン、パソコン、タブレット等は便利な機器であり、今や生活に欠かせない必需品である。 一方で、ゲーム、SNSソーシャルネットワーキングサービス)、動画の視聴や配信等の過度な使用により、睡眠時間の減少による生活リズムの乱れ等、健康面や社会生活に影響を及ぼすほか、家族間の対話時間が短くなるなど、親子関係や家庭環境にも影響を与える。特に心身が成長期にある子どもにとっては、乳幼児期も含め健全な育成を阻害するおそれがある。

ここに、スマートフォン等の過剰使用が引き起こしかねない身体面・精神面・生活面への悪影響に関する対策を総合的に推進するため、この条例を制定する。


第1条(目的)

この条例は、スマートフォン等の適正使用を推進するため、市・保護者及び学校等の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、子どもの健やかな成長と市民全体が健全に暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする。


第2条(定義)

この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  1. スマートフォン インターネットやアプリ等を利用して情報を閲覧(視聴を含む)、ゲーム及びSNSを行うことができるスマートフォンタブレット、ゲーム機器、パソコン等の機器をいう。

  2. スマートフォン等の過剰使用 健康や日常生活、社会生活に支障が生じるほど、最低限必要となる機能以外を過剰に使用し、スマートフォン等にのめり込んでいる状態をいう。

  3. 子ども 市内に在住又は在学する18歳未満の者をいう。

  4. 保護者 子どもに対して親権を行う者、未成年後見人、又はこれらに準ずる者をいう。

  5. 学校等 学校教育法第1条に規定する学校のうち18歳未満が通学するもの、児童福祉法第39条第1項に規定する保育所、同法第6条の3第10項に規定する小規模保育事業を行う施設、同条第12項に規定する事業所内保育事業を行う施設及び就学前の子どもに関する教育・保育等を提供する認定こども園をいう。

  6. 専門職等 医療・保健・福祉・保育・教育その他スマートフォン等の適正使用に関連する業務に従事する者をいう。

  7. 余暇時間 市民が自由に使える時間で、次のいずれにも該当しない時間をいう。

    • ア 食事・睡眠等の生命維持に必要な活動時間
    • イ 仕事・家事等の生活維持に必要な活動時間
    • ウ 学校での活動時間及び学業等、自己の成長に必要な活動時間

第3条(基本理念)

スマートフォン等の適正使用の推進対策は、次の事項を基本理念とする。

  1. 適正使用を推進し、過剰使用をしている者及びその家族が円滑に生活できるよう支援すること。
  2. 市・保護者・学校等・専門職等が相互に連携し、社会全体で取り組むこと。

第4条(基本目標)

  1. 余暇時間におけるスマートフォン等の使用(電話や生活に必要な機能を除く)は、1日2時間以内を目安とし、市・保護者・学校等・専門職等が連携して促す。
  2. 子どもの十分な睡眠を確保するため、使用は 小学生以下は午後9時まで、中学生以上は午後10時までを目安とし、以降の使用を控えるよう促す。
  3. 家庭において、子どもだけでなく保護者も含め、使用時間や時間帯等のルール作りを行うよう促す。

第5条(市の役割)

  1. 市は、市民に対し適正使用の啓発を行うとともに、過剰使用を未然に防ぐために必要な情報を収集し、正しい知識の普及啓発を行う。
  2. 市は、過剰使用をしている者及びその家族に対する相談支援を推進するため、専門職等による相談・支援体制を整備する。

第6条(保護者の役割)

  1. 保護者は、子どもを過剰使用から守る第一義的責任を自覚し、家族全体で理解を深めるよう努める。
  2. 保護者は、子どもの使用を適切に管理するよう努める。
  3. 保護者は、第4条の目標を達成するため、家庭でのルール作りに努める。

第7条(学校等の役割)

学校等は、適正使用に関する家庭でのルール作りの必要性を理解させるため、子どもへの指導及び保護者への啓発を行う。


第8条(財政上の措置)

市は、施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努める。


第9条(委任)

この条例に定めるもののほか、必要な事項は市長が別に定める。


附則

この条例は、令和7年10月1日から施行する。