井出草平の研究ノート

豊明市の人口ビジョンと総合戦略に関する資料

豊明市の人口ビジョンと総合戦略に関する資料

京阪神で生活していると愛知県豊明市というのはあまりなじみがないので、街の抱える課題を豊明市が出している資料で確認してみた。

豊明市の人口ビジョンと総合戦略に関する資料』(令和1年改定)によると、市は複数の問題を抱えていると指摘されている。主な課題は、若い世代の市外への転出、住宅供給の不足、雇用機会、そして都市の魅力と利便性に関連している。

人口流出と少子高齢化

市の人口増加は鈍化しており、2005年以降はほぼ横ばいとなっている。特に、若い世代が直面する問題が人口動態に影響を与えている。

  • 若いファミリー層の転出: 住宅の購入をきっかけに、若いファミリー層が市外へ転出するケースが多くなっている。これにより、出産世代の人口が減少している。
  • 社会減: 2013年を除き、2004年以降は転出者が転入者を上回る「社会減」が続いており、これは社会増となっている近隣市町村の状況とは対照的。
  • 低い合計特殊出生率: 合計特殊出生率は1.42で、全国平均の1.38を上回ってはいるものの、愛知県の1.51や、名古屋市緑区(1.60)、大府市(1.73)といった隣接市区より低い状況。
  • 高齢化の進行: 1970年代に転入した世代の高齢化により、今後、急激な高齢者の増加が見込まれている。既に2005年には65歳以上の人口が15歳未満の人口を上回っている。

住宅供給の問題

市外への転出、特に若い世代の流出の最大の原因として住宅問題が挙げられている。

  • 転出の最大の理由: 市外転出者に理由を尋ねたアンケートでは、「住宅の都合(新築・借り換えなど)」が36.1%と最も高くなっている。
  • 希望の住宅が見つからない: 住宅の都合で転出した人のうち31.1%が、「豊明市に希望する価格の土地や住宅が見つからなかった」ことを理由として挙げている。
  • 市外での住宅購入: 市内の金融機関からも、市内の物件が少ないため、市民が近隣の緑区や西三河地域で戸建て住宅を購入するケースが多いと指摘されている。

雇用と産業の課題

市内での就業機会に関する課題も浮き彫りになっている。

  • 生産年齢人口の流出: 生産年齢にあたる世代のほとんどが、昼間は市外へ通勤・通学しており、人口が流出している。
  • 若者の希望との不一致: 市内在住の若者へのアンケートでは、希望する業種・職種が市内で叶うと思うかという問いに対し、「はい」は16.9%にとどまり、「わからない」が52.5%を占めた。高校生からは、IT関連の企業が少ないという意見も出ている。
  • 企業の採用難: 市内企業は新卒採用に苦戦しており、良い人材が確保できないという声がある。平成26年の新規採用実績では、いずれの学歴においても「採用なし」が8割を超える状況だった。
  • 産業集積の不足: 市には「雇用吸収の拠点となる産業集積が乏しい」という課題が指摘されている。

都市環境と利便性の問題

市民や高校生などからは、日々の生活における利便性や都市としての魅力についての課題が挙げられている。

  • 交通の便の悪さ: 若者市民が豊明市に住み続けたいと思わない理由として、「交通の便が良くない」(44.6%)が最も多く挙げられている。特に、市内にある3つの鉄道駅から市内各所へのアクセスに問題があると指摘されている。
  • 商業施設の不便さ: 「買い物や外食が不便」(43.8%)も、若者が住み続けたくない理由の上位に挙がっている。
  • 都市イメージの弱さ: 高校生からは「豊明市は街のイメージがないことが課題」と指摘されており、市の課題として「都市イメージの発信力が弱い」ことが挙げられている。

子育て環境

保育園の充実は評価されている一方で、保護者からはより具体的なニーズに合わせた支援を求める声がある。

  • 保育サービスの課題: 保護者からは、病後児保育ゼロ歳児保育の受け入れ施設、子連れで利用しやすいスーパーの不足などが困った点として挙げられている。
  • 仕事との両立: 仕事と子育てを両立する上で、現状の保育時間(7:30〜18:30)では足りないとの意見がある。

ja.wikipedia.org

地理的には名古屋市緑区に接し名古屋のベッドタウンとして発展していてもおかしくはないところであるが、期待に反して人口増加はみられていない。

名鉄の駅は無人駅だそうだ。日本記録にもなっているらしい。

japaneserecords.org

日本最大の無人駅 – 日本記録 | 日本記録認定協会(公式) 愛知県豊明市にある名古屋鉄道名古屋本線の「豊明駅」は、島式ホーム3面6線という大規模な構造を持つ駅でありながら、駅員が常駐しない「無人駅」である。 このホーム数は日本の無人駅の中では最多であり、日本最大の無人駅として知られている。

Googleマップをみると、駅前に卸売市場があったり、インターチェンジが駅に隣接していたりと、商業的に発展しているとは言い難いようだ。 https://maps.app.goo.gl/RsFj2QaJ3G4JYBZZ6

駅前

www.nissho-apn.co.jp

こちらによると「車がないと不便」「坂が多い」とのこと。名古屋のベッドタウンは「車がないと不便」というのはわりと抱えがちのような気がする。