井出草平の研究ノート

307. 50 特定不能の摂食障害 Eating Disorder Not Otherwise Specified

 特定不能の摂食障害のカテゴリーは,どの特定の摂食障害の基準も満たさない摂食の障害のためのものである.例を挙げると,

  1. 女性の場合,定期的に月経があること以外は,神経性無食欲症の基準をすべて満たしている.
  2. 著しい体重減少にもかかわらず現在の体重が正常範囲内にあること以外は,神経性無食欲症の基準をすべて満たしている.
  3. 無茶喰いと不適切な代償行為の頻度が週2回未満である,またはその持続期間が3カ月未満であるということ以外は,神経性大食症の基準をすべて満たしている.
  4. 正常体重の人が,少量の食事をとった後に不適切な代償行動を定期的に用いる(例:クッキーを2枚食べた後の自己誘発性嘔吐).
  5. 大量の食事を噛んで吐き出すということを繰り返すが,呑み込むことはしない.
  6. 無茶喰い障害:無茶喰いのエピソードが繰り返すが,神経性大食症に特徴的な不適切な代償行動の定期的な使用はない(研究用基準案は728頁参照).