井出草平の研究ノート

ひきこもり

ひきこもりのパラダイム転換:pathologicalひきこもりと非pathologicalひきこもりが共存する新時代

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov Kato, T. A., Sartorius, N., & Shinfuku, N. (2024). Shifting the paradigm of social withdrawal: A new era of coexisting pathological and non-pathological hikikomori. Current Opinion in Psychiatry. https://doi.org/10.…

「僕の44年間はなんだった!」号泣する長男に「ゴミを片付けないとな」元農水次官がかけるべき言葉は何だったのか(JーCASTニュース)

www.j-cast.com 殺害された英一郎さんが中学生のころから壮絶な家庭内暴力を繰り返していたこと、被告の妻が息子の暴力が原因で29年前からうつ病を患っていたこと、被告の長女が5年前に自殺していたことなど、崩壊した家族の状況が明らかになった。 自閉症を…

ひきこもり支援、初のマニュアル 「8050問題」背景、厚労省(共同)

news.yahoo.co.jp 厚生労働省は9日、ひきこもりの人や家族らの支援に役立てるため、初のマニュアルを策定する方針を固めた。長期化、高年齢化が進み、80代の親と50代の子が困窮する「8050問題」が深刻になっている。多様なニーズに対応できるよう自治体の相…

ひきこもりがアメリカ精神医学会の診断基準DSM-5-TRに掲載される

Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Text Revision Dsm-5-tr作者:American Psychiatric AssociationAmer Psychiatric Pub IncAmazon DSM-5-TRは2013年に出版されたDSM-5のテキスト改定版という位置づけだが、追加された内容もある。そ…

ひきこもり女性を無理やり施設に入居、業者側と母親に55万円賠償命令(読売新聞)

news.yahoo.co.jp ひきこもりの人の自立支援を掲げる業者に無理やり自宅から連れ出され施設に入れられたとして、千葉県に住む30歳代の女性が、業者側や自身の母親に550万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は27日、業者側と母親に55万円の支…

ひきこもりとゲーム障害は関連。オーストラリアでは親同居でゲーム障害が悪化

www.semanticscholar.org Stavropoulos, E. Anderson, Charlotte L. Beard, M. Latifi, D. Kuss, M. Griffiths, 2019, A preliminary cross-cultural study of Hikikomori and Internet Gaming Disorder: The moderating effects of game-playing time and l…

引きこもりの彼が精神病院で受けた辱めの驚愕(東洋経済)

toyokeizai.net 「ここの病院は何科ですか?」。控室のような殺風景な小部屋の雰囲気に不安を覚えたAさんはセンターの職員に尋ねた。「精神科だ」。職員はそう手短に答えた。Aさんはそのとき初めて自らが連れてこられたのが精神科病院だと知らされた。 「点…

日本列島をどう守るか 過疎化に“100万人の引きこもり”が役立つワケ(内田 樹)

bunshun.jp もう1つアイディアがあるんですけれど、それは「引きこもり」の人たちに「歩哨」をしてもらうというものです。 一説によると、日本にはいま100万人の「引きこもり」がいるそうです。その人たちに過疎の里山に来てもらって、そこの無住の家に「引…

ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業の利用をめぐる消費者トラブルにご注意ください!(消費者庁)

www.caa.go.jp ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業者との契約時、そうした民間事業者の利用時等において、対応が説明と異なる、途中で解約できないなど、契約や解約に際しトラブルに遭った場合には、「消費者ホットライン」(局番なしの188)を活用し、…

ひきこもり報道に希望すること|斎藤環(精神科医)|note

note.com

斎藤環さんを「ひきこもり利権で小銭稼いでる精神科医のおっさん」と非難していた増田が「斎藤さんの言っている内容は正論」と認めるまで(はてな匿名ダイアリー)

anond.hatelabo.jp ブコメでも薦められてましたが、斎藤環著『中高年ひきこもり』は僕も読みましたがお勧めです。過去に実家の弟の引きこもり問題がひどかったころは「なにを悠長なこと言っているんだコイツは」とキレてたものですが苦笑、すべてが終わって…

「【ひきこもり支援】必要な“鉄の3か条”見えてきたヒント」(クローズアップ現代)

www.nhk.jp 山梨中北保健所 芦沢茂喜さん 引き出し屋に頼んだ結果 お金で何とかならないことも多い、という認識の欠如が欠けているのだろう。 それだけ困っていたのだと同情する向きもあるが、ひきこもり問題から逃げていなければ、金で解決しようという発想…

引きこもりの息子、業者頼った末…遺体で発見 自問自答続ける親(西日本新聞)

www.nishinippon.co.jp 和歌山大の宮西照夫名誉教授(精神医学)は「業者に預けられた子どもが、親から見捨てられたという気持ちになることもある。立ち直りには2、3年はかかり、焦りは禁物だ」と強調。 宮西先生に言うように「子捨て」だと思う。

ひきこもり「引き出し業者」を刑事告訴 連れ出し監禁か(朝日新聞)

digital.asahi.com 弁護団の林治弁護士は「ひきこもっている人を不意打ちで連れ出すような行為は、本来時間をかけたコミュニケーションが必要な支援活動とは逆行しており、本人の自尊心を傷つけ、回復を妨げる。重大な人権侵害であり、刑事責任も問われうる…

引きこもり支援「引っ張り出す」 衛藤1億相が発言(共同通信社)

www.hokkaido-np.co.jp 衛藤晟一1億総活躍担当相は16日の記者会見で、引きこもりの人の支援団体と17日に意見交換すると発表した際「いろいろな形で引っ張り出したい」と述べた。

献本御礼: 斎藤環『中高年ひきこもり』

斎藤環さんから頂きました。 中高年ひきこもり (幻冬舎新書)作者:斎藤 環出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2020/01/30メディア: 新書 2/3くらいまではQ&A方式で疑問に回答するという形式である。残りの部分は、ひきこもりの歴史や社会分析を通して、実践の理…

ひきこもりはネット依存か

一般的には、ひきこもり=ネット依存的なイメージが強いらしい。 そういわれてみれば、メディアイメージのひきこもりはネットをしているし、ネットで語られるひきこもりのステレオタイプもネットばかりしている人である場合が多いように思える。 そこで、実…

業者に託した息子が孤独死…母の後悔 引きこもり“引き出し屋”の実態

www.nishinippon.co.jp 業者を知ったのは2017年1月。ホームページの「必ず自立させます」という言葉にひかれ、東京都内の本部に相談に行くと、スタッフに「早い対応が必要」と促された。提示された契約金は900万円超。自宅を売る段取りをして準備した。 長男…

ひきこもりはロスジェネ世代に多いのか――ロスジェネ仮説を検証する

synodos.jp シノドスに論考が掲載されました。 ロスジェネ仮説の検証を前面に押し出した方がいいというのは芹沢さんのアドバイスで、趣旨が明確になったように思います。 統計技法的には区間推定にagresti-coull法を初めて使いました。

春日武彦は腹の底で何を考えているか

「あけぼのばし自立研修センター」の件で精神科医である春日武彦氏が注目されている。 この訴訟では、成仁病院の医師が逮捕監禁罪で訴えられている。 https://twitter.com/pentaxxx/status/1200740076600250368 「あけぼのばし自立研修センター」はひきこも…

インドでひきこもり、いや、Netflix依存症だ

dramanavi.net 米CNBCによると、昨年度Netflix加入者の1日平均視聴時間は50分。しかし、インド出身のある男性は、1日7時間もNetflixの作品を見続けるという生活を半年以上も続けた結果、睡眠障害や身体的疲労、眼精疲労などの症状が出てしまい、インドのバン…

オープンダイアローグによる介入によりひきこもりが著効した例

オープンダイアローグがひらく精神医療作者: 斎藤環出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2019/07/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 以下は斎藤環さんが実際に介入した事例である。 最初の事例はひきこもりの男性だった。家族内暴力を振るい、家…

ひきこもり現象はいつから始まったか

「ひきこもり」は70年代に現れ80年代から90年代にかけて激増したと言われている.斎藤環は次のように述べている. 私自身も,医師になりたてだった1980年代中期の時点で,この種の事例をごくありふれたものとして診療にかかわっていた経験があります.(斎藤 …

ひきこもりの定義

ひきこもりにはいくつかの代表的な定義がある。ここでは、それぞれを比較してみたい。 厚生労働省『ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン』(2010年) 厚生労働省による2回目のガイドラインでの定義である。行政を中心に2016年の段階ではこの定義が使わ…

斎藤環『ひきこもりはなぜ「治る」のか?』

ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (ちくま文庫)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 11回この商品を含むブログ (10件) を見る斎藤さんの新刊です。 以前、中央法規から出ていた本が…

頂き物

ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするか (岩波ブックレット)作者: 斎藤環,畠中雅子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/06/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 41回この商品を含むブログ (5件) を見る 斎藤環さんとフィ…

不登校、ひきこもりへの支援を語る

イベントのお知らせです。 第Ⅰ部に登壇します。斎藤環さんとイベントに出るのは初めてですので非常に楽しみにしています。 特別企画 「不登校、ひきこもりへの支援を語る」 http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hutoko_hikikomori.html開催日時 平成22年1…

WMH日本調査におけるひきこもりの疫学調査

WHOの世界精神保健(WMH)の一環として行われたひきこもりの疫学調査。 小山明日香,三宅由子ほか「地域疫学調査による「ひきこもり」の実態と精神医学的診断について−平成14年度〜平成17年度のまとめ−」 『平成18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健…

根來秀樹「不登校・ひきこもり考える」

根來秀樹,2009, 「不登校・ひきこもり考える」『こころの科学』146:114-9 ここ数年、不登校やひきこもりの子どもや青年が外来を訪れるたびに、その背景にある疾患を診断することにかなりの比重を置いてきたように思う。 その一番大きな理由は、社会不安障害…

「子ども・若者育成支援推進法」の成立

少し前の話になるが、「子ども・若者育成支援推進法」という法律が成立している。文面を呼んでもニートやひきこもりといったものは出てこないが、岸本周平によれば、ニートや引きこもりの若者の支援の基礎的な法律になるようである。 この法律は、ニートや引…