井出草平の研究ノート

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「ゲーム障害」を病気として認定したWHO、認定の科学的根拠を答えられず(スラド)

スラドにも取り上げられた模様。 srad.jp

小6娘のグループLINEが無法地帯!親がどこまで関わるべき?【小川大介先生の子育てよろず相談室】(レタスクラブ)

www.lettuceclub.net 世の中の子育てをしている親の心配していることはゲームよりLINEやSNSなのでしょう。 相談者は、対応としては十分できているように思える。 LINEなど視覚化され、親にも子供の世界が把握できるようになったので、コントロールという意味…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第29夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版276ページ、普及版295ページから。 フランスのカフェ 279ページ。 ブルジョワ的あるいはプチブル的カフェやレストランにおいては、各テーブル…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関する先行研究のレビュー その1

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov こちらは先行研究のレビュー。 青少年の学校欠席と登校拒否行動:現代レビュー 概要 学校を欠席することは、メンタルヘルスの専門家、医師、教育者にとって深刻な公衆衛生上の問題である。暴力、傷害、薬物使用、精神疾患、経済的困…

ICD-11作成の中心メンバーの一人ジェフリー・リード氏、ICD-11にゲーム障害を収録に関して「アジアの国々から大きな圧力を受けている」と証言する

アンドリュー・シュービルスキー氏がゲーム障害にエビデンスが薄弱であるとWHOからメールを受け取った件の続報である。事情を把握されていない方は以下のリンクを参照されたい。 ides.hatenablog.com ジェフリー・リード氏がICD-11にゲーム障害を採用するこ…

アンドリュー・シュビルスキーがWHOにゲーム障害の根拠を問い合わせたところ、根拠を示すことができなかった上に、ゲーム障害の解説ページを削除する事態に陥る

ゲームメディアNMEの記事。 www.nme.com ゲーム障害の導入に慎重な立場のアンドリュー・シュビルスキーが、ゲーム障害がICD-11に採用されたのはなぜか? それほどエビデンスが積み重なっていたわけではないのに、どういう過程で採用されたのか? 自分が知ら…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関するレビュー その3

前回からの続き ides.hatenablog.com link.springer.com Kearney, Christopher A. 2008. “An Interdisciplinary Model of School Absenteeism in Youth to Inform Professional Practice and Public Policy.” Educational Psychology Review 20 (3): 257–82.…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関するレビュー その2

前回からの続き ides.hatenablog.com link.springer.com Kearney, Christopher A. 2008. “An Interdisciplinary Model of School Absenteeism in Youth to Inform Professional Practice and Public Policy.” Educational Psychology Review 20 (3): 257–82.…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関するレビュー その1

link.springer.com Kearney, Christopher A. 2008. “An Interdisciplinary Model of School Absenteeism in Youth to Inform Professional Practice and Public Policy.” Educational Psychology Review 20 (3): 257–82. 概要 青少年のスクール・アブセンテ…

ADHDに中枢神経刺激薬を投薬する前に脳波を測るべき

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov Swatzyna, Ronald J., Jay D. Tarnow, Alexandra Roark, and Jacob Mardick. 2017. “The Utility of EEG in Attention Deficit Hyperactivity Disorder: A Replication Study.” Clinical EEG and Neuroscience: Official Journal of…

精神障害における診断の妥当性を確立した論文(Robins & Guze1970)

精神障害における診断の妥当性を確立したと言われる論文である。Guzeはグーズではなくグーザイと読む(https://www.nytimes.com/2000/07/22/us/samuel-guze-76-psychiatrist-who-pushed-link-to-medicine.html)。 en.wikipedia.org en.wikipedia.org Robinsと…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第28夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版268ページ、普及版287ページから。 諸空間の相同性 L’homologie entre les espaces から。 卓越化利益 « des profits de distinction » 卓越…

ゲームをしすぎると自殺につながるのか

2021年1月に話題になっていたらしいのだが、気づかずに流してしまっていた。 togetter.com こと発端は葛飾区が「自殺対策予算」で久里浜医療センターの人を読んで「ゲーム障害」の講演をしていたというものだ。自殺とゲーム障害が関連するなら、その予算の使…