井出草平の研究ノート

小6娘のグループLINEが無法地帯!親がどこまで関わるべき?【小川大介先生の子育てよろず相談室】(レタスクラブ)

www.lettuceclub.net

世の中の子育てをしている親の心配していることはゲームよりLINEやSNSなのでしょう。
相談者は、対応としては十分できているように思える。
LINEなど視覚化され、親にも子供の世界が把握できるようになったので、コントロールという意味では、やりやすくなったのではないかと思う。

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第29夜 覚書

旧版276ページ、普及版295ページから。

フランスのカフェ

279ページ。

ブルジョワ的あるいはプチブル的カフェやレストランにおいては、各テーブルがたがいに切り離された独自の領分を構成している(だから椅子を借りたり塩入れを拝借する場合にはたがいに許可を求めなくてはならない)のだが、これとは逆に大衆的カフェは仲間の集まる場所であり(それは新しく入ってきた者が「やあみんな!」とか「皆さんこんにちわ」とか「よう諸君!」とか言うことで特徴づけられている)、誰もがそのなかに仲間として加わる。

括弧の中の原語は以下のとおり。

ce que marque le « Salut la compagnie ! » ou « Bonjour tout le monde » ou « Salut les potes ! » du nouvel entrant

こんな風景が今でもあるのだろうか。パリには何度か行ったことがあるが、住んだことがないのでわからないが、カフェでカフェ仲間と雑談するといった感じの風景は見たことがない。

日本語の会話部分に引っ張られ過ぎに気もするが、レーニントロツキーが出入りしていた頃のカフェ・ラ・ロトンドはそんな感じだったのかもしれない。

ja.wikipedia.org

ちなみに、フランスでも、やや地方に行くと、常連さんと定員、常連さん同士が話をしている風景は日常的なように思う。

階級ごとの支出

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282-3ページ。

食料消費の内訳がどうなっているかをもっと詳しく見てみれば、差異の構造をさらに正確につかむことができる。工業実業家・大商人はこの点で、自由業の人々と、ましてや教授とは大きく異なっている。つまり彼らは穀物をべースにした製品(とくに菓子類)やワイン、肉の缶詰、猟肉(ジビエ)などを重視し、どちらかといえばいわゆる肉類や果物、新鮮野菜などにはあまり支出しないという点で異なっているのである。教授層の場合その食費の内訳は事務労働者とほぼ同じ構造をしており、他のあらゆる職種よりもパン、乳製品、砂糖、ジャム、非アルコール飲料などに多くの支出をあて、ワインやアルコール飲料への支出は少なく、また肉類----特に羊肉や仔羊肉のような、なかでも最も高価なもの----や果物、新鮮野菜などの高価な産物への支出は、自由業の人々にくらべて明らかに少なくなっている。自由業について言えば、彼らは特に高価な産物、わけても肉類(これは食費の一八・三%を占める)、そしてそのなかでも最も高価なもの(仔牛、仔羊、羊)、また新鮮野菜や果物、魚類やエビ・カニ類、チーズ、アペリティフなどへの支出が大きいという点で、他からきわだっている。

つまり金があればあるほど消費される食物は豊かに(すなわち高価であると同時にカロリーも豊かに)なり、また重たくなってゆく(猟肉やフォワグラなど)。これとは逆に自由業や上級管理職の趣味は、大衆的趣味を重たいもの、脂っこいもの、下品なものへの嗜好として否定的にとらえ、自らは軽いもの、繊細なもの、洗練されたものへと向かってゆく。

最後に教授層は、経済資本よりも文化資本が豊かであり、それゆえあらゆる領域において消費を禁欲的にする傾向があるため、最小の経済コストで異国趣味(イタリア料理、中華料理など)や庶民性(田舎料理)へと向かう独自性を追求しようとする点で、金持ち(成金)およびその豪勢な食物に対立する。

まとめると、以下のようになる。

文化資本が高い人は、低カロリーな食物、非アルコール飲料、ジャムなどフレッシュな物を好む。
文化資本が低い人は、高カロリーな食物、脂が含まれる重いもの、肉類、アルコール飲料穀物などを好む。

今の感覚とかなり違う、というのが正直な感想である。

村井重樹さんが「食の実践と卓越化 : ブルデュー社会学の視座とその展開」という論文を書かれている。 koara.lib.keio.ac.jp

片岡栄美さん、村井重樹さん「食テイスト空間と社会空間の相同性」という研究報告もある。 researchmap.jp

併せて読む必要がありそうだ。

大商人

Le gros commerçantの翻訳として大商人が当てられているが、大商人というと孫正義さんみたいな感じの人を思い浮かべてしまう。彼の場合はLe Grand Marchandといった方がよいのではないだろうか。

www.larousse.fr

Le gros commerçantはやや大きい会社の経営であるとか、卸業などを指すと思われる。また、自由業professions libérales士業などを含めた専門職のことである。

kotobank.jp

日本語でも存在する言葉だが、フリーランスであったり、フリーターみたいな捉え方をされることが多いの注意が必要だ。

専業主婦はポトフ

完全に家事専業の主婦のことを、彼女は「ポトフ」だなどと言ったりする

ポトフにそんな意味があったのか、とやや驚いたところ。

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大衆料理のほうの最も代表的な例はポトフであり、これはグリルやローストとは対照的に安い肉を煮込んで作られるものであるから、技術よりもむしろ時間をかけることが必要な、より下位とみなされる調理法によるものである。この料理形式が女性の地位と男女間の分業を象徴するものである。

ポトフは散々な言われようである。

ja.wikipedia.org

ポトフpot-au-feuは火にかけた鍋という意味である。

日本人のほとんどの人が誤解をしていると思うのだが、フランスでのポトフは牛肉を使うことが多い。日本で家庭向けに紹介される場合には豚肉のレシピに変わっていることが多く、また、紹介している料理研究家も誤解をしていることが多い。

では、豚肉を使う場合には何というのか、というと「ポテpotée」という料理がある。こちらも鍋という意味なのでややこしい。

ja.wikipedia.org

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ポテは庶民的な料理でポトフはそれよりも上という感覚が個人的にあったのだが、ブルデューがポトフをこき下ろしているので、ポテはどうなることやら、といった感じだ。

見た目が「肉じゃがですね」という話になった。しかし、僕は大阪の出身なので、肉じゃがといえば、牛肉が入ったもので、関東では豚肉が入るので、思い浮かべるものが違った。

ポトフの文化表象

ちなみに、ポトフは文化表象として登場する。素朴な料理、家庭料理といった表象として登場するのがモーパッサン『La Parure』(1884年)。

3日分のテーブルクロスが敷かれた丸いテーブルの前に座って食事をしていると、夫が鍋の蓋を開けて「ああ、おいしいポトフだ!」と嬉しそうに言った。洗練されたディナー、輝く銀食器、おとぎ話の森の中で古代文字や奇妙な鳥が壁に描かれたタペストリーなどを思い浮かべた。

肉がはいっているのでポトフは高価な料理として描写されることもある。例えば、バルザック『ウジェニー・グランデ』(1833年)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87

階級によって好きな料理が異なる

285ページ。

最後に七種類の料理のリストから好きな料理二つを選んでもらったところ、農業従事者・生産労働者は、ジゴ(羊・仔牛の腿肉)を第一位にする点では他のすべての職種と同じであるが、ポトフについてはこれを選ぶ率がいちばん高い(農業従事者は四五%、生産労働者は三四%であり、これにたいして事務労働者は二八%、上級管理職は二〇%、そして小経営者では一九%となっている。また、アンドゥィエットを選ぶのはほとんど農業従事者だけと言ってもいいくらいで、一四%の人が選んでいるが、生産労働者・事務労働者・一般管理職では四%、上級管理職では三%、そして小経営者では〇%である)。また生産労働者・小経営者層ではコック・オ・ヴァンにも人気があるが(前者は五〇%、後者は四八%)、それはしゃれた店をめざす中級の小レストランではこれが典型的なメニューであり、したがってたぶんレストランへの「お出かけ」という感覚に結びついているせいであろう(ちなみに事務労働者では四二%、上級管理職では三九%、農業従事者では三七%となっている)。管理職・自由業・経営者層が比較的はっきり他の職層と区別されるとしても、それは彼らにとっては非常に選択の幅の小さいリストに示された料理のなかから、プチブル的料理の通常のならわしからみれば比較的「軽い」と同時に象徴的に有標でもある料理、そしてそこでは魚と肉(なかでも特にシュークルートやカスーレの豚肉)との対立が地方趣味的で観光的な色彩をはっきりともなって現われてくる料理、すなわちブイヤーベースを選ぶ者が多い(三一%で、これにたいして事務労働者は二二%、小経営者では一七%、生産労働者は一〇%、農業従事者は七%)といった違いによるにすぎない(補足資料XXXⅣ)

  • 農業従事者・生産労働者はジゴとポトフ
  • 農業従事者だけアンドゥィエットを選ぶ
  • 産労働者・小経営者層ではコック・オ・ヴァンが人気
  • プチブル的料理の通常のならわしからみれば比較的「軽い」料理
  • プチブルはブイヤーベースを選びがち  

料理の評価の変化

fr.wikipedia.org

現代のフランス料理のレストラン、特に高級店で、どの料理が採用されるかというとアンドゥィエットである。自家製のアンドゥィエットという形であれば、高級店でもメインにふさわしいと判断されるはずだ。アンドゥィエットをアレンジなしで作るとやや癖があるので、ブーダンの方がおそらく好まれるだろう。業従事者だけが好んでいたアンドゥィエットが高級店で出される可能性があるというのは、価値観が反転しているように思われる。

逆に、ジゴ、ポトフ、コック・オ・ヴァンが選ばれることはない。オシャレだと思われていたコック・オ・ヴァンは現在ではビストロ料理である。

ブイヤーベースが選ばれるのはやや大衆的な料理店か、海産物を全面に出したレストランだけだろう。

料理の世界でも流行があって、昔は一戦を張っていた料理が、現在は二番手やビストロ料理と認識されるということも起きうる。

アンドゥイエットのような料理が再評価されるには近年、シャルキュトリーの評価が非常に高いことが挙げられるだろう。また、シャルキュトリーで行う作業(ハムを作ったり、ソーセージ類を作ること)をミシュランを狙うような店では、自前で行うことも多くなった。

食物の4象限

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ポトフがやたらと低い、文化資本が高い方に冷凍食品が入っている、などの特徴がある。

「♀」のマークは女性を意味するのかと思ったのだが、原版をみると少し違う。

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ブルデューは図表をちゃんと説明しない癖があるので「よくわからない」ということになった。

ジャムとコンフィチュール

一般的なジャムは現在のフランスで文化資本が高いものとして認知されていないはずである。日本も同じである。

日本の場合、英語でジャムであればスーパーにも売っている商品となるが、フランス語でコンフィチュールというと高級店も販売できる商品になる。ジャムが自国のものではなかったため、原語を変えたマーケーティングが違う分、マーケティングの方針も明白である。

フランスでのコンフィチュールの再評価というとクリスティーヌ・フェルベールが有名だ。日本では伊勢丹での取り扱いがある。パティシエ、ショコラティエは日本でも使われるが、フェルベールはコンフィチュリエConfiturièreともいわれるようになっているようだ。レジオン・ドヌール勲章のシュバリエも受勲している。

fr.wikipedia.org

trip-s.world

クリスティーヌ・フェルベールの作っているコンフィチュールをみれば、私たちが日常的に知っているジャムではない、とほとんどの人が思うはずである。

冷凍食品

地位が大きく変わったと思われるのが冷凍食品である。

フランスと冷凍食品というとピカールが有名である。

www.picard-frozen.jp

日本ではイオンが展開している。

冷凍食品は電子レンジの普及と関係しており、1979年の当時は子レンジは高級家電であり、冷凍食品も高級なものだったはずである。コモディティ化によって、現在の冷凍食品の地位はかなり低くなったと言える。

階級的身体

288ページ。

たとえば庶民階級が、身体の形よりもその(男性的な)力のほうに関心が強く、安価であると同時に栄養のある食品を求める傾向があるのにたいし、自由業の人々はむしろ美味で健康によく、軽くて太らない食品のほうを好むといった違いが生じるのだ。趣味とは自然=本性と化した文化、すなわち身体化された文化であり、身体となった階級であって、階級的身体を形成するのに加担する。

わりと重要なところかも。

身体と階級

288ページ。

その場合いくつかのしかたでこれを表現するのだが、その第一に挙げられるのが、外見上身体がそなえている最も自然な側面、すなわちその目に見える構造上の大きさ(肉付き、身長、体重など)と形態(丸味があるか角ばっているか、硬ばっているか柔らかみがあるか、まっすぐであるか弩曲しているか、など)における表現であり、そこには身体にたいする関わりかたの全体、すなわち身体を扱い、手入れし、養い、維持する方式の全体が現われてくるのであって、それがハビトゥスの最も深い諸性向を明らかにするのである。

高い階級にふさわしい身体を作り上げるのに、食べ物の選択は重要である。穀物やカロリーの高い肉類ばかり食べていると、肥満体になるので、高い階級にふさわしい身体とは言えないわけだ。

散髪などを含めた身体の手入れ、服装などと共に、階級が視覚的に表れるものとして身体重要であると共に、それを作り出す食物の選択も重要となるのだろう。

次回

288ページ、普及版307ページから。

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関する先行研究のレビュー その1

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

こちらは先行研究のレビュー。


青少年の学校欠席と登校拒否行動:現代レビュー

 概要

学校を欠席することは、メンタルヘルスの専門家、医師、教育者にとって深刻な公衆衛生上の問題である。暴力、傷害、薬物使用、精神疾患、経済的困窮の主要な危険因子である。この論文では、欠席の有病率、併存する身体的・精神的疾患、分類、文脈上の危険因子、異文化間の変数、評価、介入、転帰に関する現代の研究レビューを行っている。文脈上の危険因子としては、ホームレスや貧困、10代の妊娠、学校での暴力や被害、学校の環境やつながり、親の関与、家族の変数などが挙げられている。介入についての記述には、医学的、臨床的、システム的な介入が含まれる。医療関係者、地域や学校の精神保健関係者、教育関係者は、学校欠席の定義、分類、評価、問題のある若者への介入について、より良い合意に基づく方針を策定するために、学校欠席のパラメータを十分に理解することが望まれる。

1. はじめに

学校を欠席することは、多くの子どもや青少年にとって、精神的にも肉体的にも深刻な健康問題である。不登校や代替教育施設への入所は、自殺未遂、危険な性行動、10代の妊娠、暴力、不慮の事故、飲酒運転、アルコール、マリファナ、タバコ、その他の物質使用の重要な危険因子である(Almeida, Aquino, & de Barros, 2006; Chou, Ho, Chen, & Chen, 2006; Denny, Clark, & Watson, 2003; Grunbaum et al, 2004; Guttmacher, Weitzman, Kapadia, & Weinberg, 2002; Hallfors et al., 2002; Henry & Huizinga, 2007)。慢性的なアブセンティーズムは、学校からのドロップアウトと関連していることが多い。このドロップアウトは、学校を基盤とした健康・精神衛生プログラムから直ちに切り離され、経済的に困窮し、大人になってから結婚生活、社会生活、精神医学的な問題を引き起こす原因となる(Kogan, Luo, Murry, & Brody, 2005; Tramontina et al., 2001; US Census Bureau, 2005)。

スクール・アブセンティズムは、身体的および精神的な問題から生じることもある。後述するように、欠席は様々な病状、特に喘息と密接な関係がある。実際、欠席率は病気の発生を示す有効なバロメーターになるとの指摘もある(Besculides, Heffernan, Mostashari, & Weiss, 2005)。長期欠席に関連する精神疾患には、主に不安障害、抑うつ障害、破壊的行動障害などがある。このように、学校を欠席することは、メンタルヘルスの専門家、医師、教育者にとって重要な公衆衛生上の問題である。

この論文の目的は、青少年のスクール・アブセンティズムとそれに関連する概念に関する現代の研究を簡潔にレビューすることである。2001年以前の文献のレビューもあるが(Heyne, King, Tonge, & Cooper, 2001; Kearney, 2001; King & Bernstein, 2001)、本稿では2000年以降に発表された広範な研究文献に重点を置いている。重要な概念の簡単な説明に続いて、有病率、身体的条件、精神的条件、分類、文脈上の危険因子、評価、介入、転帰に関するデータと理論を紹介する。

2. キーコンセプト

アブセンティーズムとは、小学校や中学校(中学・高校)を欠席することで、許容できるもの/許容できないものを指します。研究者は一般的に、(1)病気やけがによる許しがたい欠席、または(2)環境的、社会的、精神的、その他の条件による許しがたい欠席が多い5~17歳の青少年に注目している。許容できないアブセンティーズムは、親が経済的な理由、虐待を隠すため、別居中の配偶者からの誘拐を防ぐため、学校が原因と思われる脅威から子供を守るため、精神病の親を支援するため、その他の理由で意図的に子供を学校から遠ざけることが原因となる場合がある(Kearney, 2004)。

許容できないアブセンティーズムは、登校拒否行動、つまり子どもの動機による登校拒否や1日中クラスにいることができないことが原因の場合もある。研究者は一般的に登校拒否行動に注目しており、学校からの引きこもりには注目していない。登校拒否行動は、長期にわたる欠席、定期的な欠席や授業の欠席、慢性的な遅刻、将来の不登校を嘆願するような学校に対する強い恐怖感などからなる異質な次元の構成要素である(図1参照)。登校拒否行動のエピソードには、これらの形態のいずれかが含まれ、日々変化する可能性がある。登校拒否行動は、不登校、登校拒否、登校恐怖症などの概念を含む包括的な用語である(Kearney, 2003)。

無断欠席Truancyとは、一般的に、無断欠席unexcused absenteeism、不法欠席illegal absenteeism、密かな欠席surreptitious absences absenteeism、不安を伴わない欠席non-anxiety-based absenteeism、行動に関する親の知識不足に関連した欠席、非行や学業上の問題に関連した欠席、ホームレスや貧困などの社会的状況に関連した欠席を指す(Fremont, 2003)。登校拒否School refusal は、恐怖に基づく欠席を意味するが、若者が学校恐怖症になることはほとんどないため、最近の研究文献ではこの用語は重視されていない(Hanna, Fischer, & Fluent, 2006; Suveg, Aschenbrand, & Kendall, 2005)。無断欠席truancy、登校拒否school refusal、登校恐怖症school phobiaが同じ意味で使われていたり、定義が一貫していないことが問題となっている(Lauchlan, 2003; McCune & Hynes, 2005)。そこで本稿では、不登校と登校拒否行動という包括的な概念に焦点を当てる。

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図1. 青少年の登校拒否行動の連続性

  • 強要されての登校、不登校の嘆願
  • 学校を避けるために朝から不作法を繰り返す
  • 朝から遅刻を繰り返し、その後に登校する。
  • 定期的な欠席やサボり
  • 出席しているにもかかわらず、欠席やサボりが繰り返されている
  • 学年のある時期に完全な欠席をする
  • 長期間の完全な欠席

Fig. 1. Continuum of school refusal behavior in youth.

  • School attendance under duress and pleas for nonattendance
  • Repeated misbehaviors in the morning to avoid school
  • Repeated tardiness in the morning followed by attendance
  • Periodic absences or skipping of classes
  • Repeated absences or skipping of classes mixed with attendance
  • Complete absence from school during a certain period of the school year
  • Complete absence from school for an extended period of time

3. 有病率

2005年のNational Center for Education Statisticsによると、小学4年生の19%、中学2年生の20%が過去1ヶ月間に少なくとも3日以上学校を休んでいた。また、小学4年生の7%、中学2年生の7%が、過去1ヶ月間に5日以上学校を休んでいた。欠席率は、性別とはほとんど関係なく、多様な生徒、特にアメリカインディアン、障害のある生徒、無料または低価格の昼食を受ける資格のある生徒、無料または低価格の昼食を受ける資格のある生徒が多くいる学校の生徒に多く見られる(表1参照)。欠席率は、1994年以来、安定している(National Center for Education Statistics, 2006a)。

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表1 2005年、小学4年生と中学2年生の生徒が過去1ヶ月間に3日以上学校を休んだ割合

Grade4/Grade8
合計 19/20
男性 18/20
女性 20/21
白人 18/19
アフリカ系アメリカ人 21/24
ヒスパニック 21/23
アジア/太平洋諸島人 13/12
アメリカインディアン 25/29
英語学習者 -yes 21/23
英語学習者- no 19/20
障がいがある -yes 24/29
障害 -no 19/20
家庭内で英語以外の言語を使用している -yes 20/21
家庭で話されている英語以外の言語 -no 18/20
無料/割引価格の昼食を受ける資格のある生徒-yes 23/25
無料/割引価格のランチを受けることができる生徒 -no 17/18
都心部の学校 20/22
都市周辺部/大きな町の学校 18/20
田舎/小都市の学校 20/19
無料/低価格ランチの対象となる生徒が10%以下の学校 16/17
無料/低価格ランチの対象となる生徒が11-25%の学校 18/18
無料/低価格ランチの対象となる生徒が26-50%の学校 19/21
無料/低価格ランチの対象となる生徒数が51~75%の学校 21/23
75%以上の生徒が無料/低価格の昼食をとることができる学校 22/25

高校生の欠席率は、多くの青少年が永久に学校を離れてしまうため、定量化するのがより困難である。全米教育統計センターによると、2004年の16歳から24歳までの中途退学率は10.3%である。

24歳の生徒の2004年の現状退学率は10.3%である。中途退学率とは、学校に通っていない人のうち、高校卒業資格を取得していない人の割合である。男性(11.6%)は女性(9.0%)よりも、またヒスパニック系(23.8%)はアフリカ系(11.8%)やヨーロッパ系(6.8%)よりもわずかに高い。また、所得の低い家庭の若者(17.7%)、雇用されている若者(53.0%)、教育年数が11年または12年の若者(40.3%)でも中途退学率が高くなっている(National Center for Education Statistics, 2006a)。これらの数字は、多くの若者が自分や家族を経済的に支えるために学校を離れていることを示している。また、実際には学校に在籍していなかったにもかかわらず、中途退学者として分類されている若者も少なくありません。

しかし、最近では、高校レベルでの欠席率を特定する試みがなされている。Guare & Cooperは、アメリカの4つの高校と1つの中学校の230人の生徒を対象に調査を行った。著者らは、多くの生徒が時々(29.1%)または頻繁に(9.1%)故意に完全に学校を欠席することを発見した。また、54.6%の生徒が「時々」、13.1%の生徒が「頻繁」に授業を欠席していた。欠席率は、男女でほぼ同じであったが、ヨーロッパ系アメリカ人(48.4%)、英語を話さない家庭(65.0%)、学業成績がまあまあの生徒(52.4%)、12年生(55.0%)に多く見られた(Guare & Cooper, 2003)。しかし、欠席率は学区によって大きく異なる。例えば、ニューヨーク市の公立高校の1日の欠席率は、15〜30%と報告されている(Weitzman, Guttmacher, Weinberg, & Kapadia, 2003)。

前述の通り、欠席は病気や怪我など様々な理由で発生する。2004年のCenters for Disease Control and Preventionによると、5〜17歳の青少年の10.9%が、病気や怪我のために過去1年間に6〜10日学校を休んでいる。また、5.1%が11日以上欠席し、1.0%が病気やケガのために学校に行けなかった。欠席日数が11日以上の人は、女性(4.9%)よりも男性(5.3%)、5~11歳(3.8%)よりも12~17歳(6.7%)に多い傾向がある。

5-11歳(3.8%)よりも12-17歳(6.7%)の方が多い傾向にある。また、病気やけがで11日以上学校を休むのは、片親(母親)の家庭(8.0%)、高校卒業資格を持たない親(7.2%)、所得が2万ドル以下の家庭(8.7%)で多く見られた。

2万ドル以下の家庭(8.7%)、小さなコミュニティに住む家庭(6.0%)、北東部の家庭(6.2%)に多い(Centers for Disease Control and Prevention, 2006)。

登校拒否行動school refusal behaviorによるアブセンティーズムは、完全な欠席や部分的な欠席、遅刻、不安による登校困難などが含まれるため、定量化がより困難である。飛び級などの部分的な欠席は、学区によっては1日の欠席としてカウントされるが、他の学区ではカウントされない。実際、この分野での重要な問題は、学区がしばしば欠席の定義、追跡、報告に一貫性がないことである。 遅刻は、校長と教師の32%が報告している一般的な問題ですが、一致した定義や分類は存在しません(National Center for Education Statistics, 1999-2000)。何人かの研究者は、不安に基づく登校困難の有病率を1~5%としているが、これは依然として議論の余地がある(Suveg et al.、2005年)。不安に基づく登校拒否および不登校の青少年に関する最近の包括的な地域研究では、全有病率は8.2%であった(Egger, Costello, & Angold, 2003)。

スクール・アブセンティズムとと登校拒否行動school refusal behaviorは共通の問題であり、その有病率は、うつ病、物質乱用/依存、抑うつ、行動障害、反抗期障害、注意欠陥多動性障害などの主要な小児行動障害に匹敵する(有病率推定値の中央値はいずれもb5%)(Costello, Egger, & Angold,2005). 残念ながら、これらの重要な問題に対する包括的で実証的な研究は、ごく最近になって注目されるようになった。これらの研究の中には、欠席や登校拒否に関連する一般的な身体的・精神疾患も含まれている。次にこれらの症状について説明する。

4. 体調不良 Physical conditions

研究者たちは、学校の欠席を無数の医学的問題と関連づけている(表2参照)。より詳細な情報を得るために、表中に参考文献を記載しています。このリストには、マラリアなどの感染症や、発展途上国で欠席率との関連が指摘されているモルモット病や尿路性シストソーマ症などの寄生虫症については含まれていない。また、欠席の原因となるアデノトンスイルレクトミーや上部消化管内視鏡検査などの外科的・内科的処置(および処置後の回復)については、このリストには含まれていない。

世界的にアブセンティーズムの原因となっているのは、喘息とそれに関連する呼吸器系の病気である(Borrego, Cesar, Leiria-Pinto, & Rosada-Pinto, 2005; Tinkelman & Schwartz, 2004)。米国では、Centers for Disease Control and Preventionの推計によると、2002年には0〜17歳の子供の8.3%が喘息を患っており、1470万日が喘息のために学校を休んでいる(Centers for Disease Control and Prevention, 2004)。アメリカの子どもたちにおける喘息の有病率は、過去25年間で急激に増加している。喘息を持つ青少年は、喘息を持たない青少年に比べて1.5〜3.0倍多く学校を欠席しており、喘息を持つ生徒の約60%は、問題のある呼吸器症状のために学年のどこかで学校を欠席している(Bonilla et al.2005; Dey & Bloom, 2005; Moonie, Sterling, Figgs, & Castro, 2006; Silverstein et al.)。体育の授業を欠席することも、喘息を持つ若者にはよくあることである(Austin, Selvaraj, Godden, & Russell, 2005)。

喘息によるスクール・アブセンティズムは、いくつかの要因によって悪化するようである。喘息患者は、年齢が若く、貧しく、治療を受けていない場合、ほこりや害虫、湿気やカビの多い環境に住んでいる場合に、学校を欠席する可能性が高い。さらに、喘息による欠席率は、父親が重症であること、母親が喘息持ちであること、生活の質が低いこと、医師の診断を受けていること、オゾン濃度が高いこと、喫煙していること、タバコの煙にさらされていることなどと関連している。民族性は、問題のある呼吸器症状による欠席の一貫した予測因子である(Austin et al., 2005; Freeman, Schneider, & McGarvey, 2003; Gilliland et al., 2003; Okelo et al., 2004; Taras & Potts- Datema, 2005c)。

スクール・アブセンティズムにつながる問題のある呼吸器症状は、室内の二酸化窒素や化学物質による汚染、外気の換気量の低下、温熱環境の変化など、環境面での欠陥から生じることもある(Mendell & Heath, 2005)。また、不登校は、教室の二酸化炭素濃度や、二酸化硫黄、オゾン、粒子状物質による空気の質の悪さとも関連している。そのため、研究者たちは、学校のろ過システムを改善し、公園や学校を交通量の多い排気口から離して建設し、空気の質が悪い日は屋外での運動を控え、子どもたちの抗酸化物質の摂取量を増やすことで、子どもたちが汚染物質にさらされるのを抑えるよう勧告している(Kunzli et al.2003; Park et al.2002; Rondeau, Berhane, & Thomas, 2005; Shendell et al.)

また、スクール・アブセンティズムは、健康上のリスクのある行動とよく関連しているます。特に、欠席は、思春期の違法薬物使用(アルコールやタバコを含む)、暴飲暴食、飲酒運転、危険な性行動やHIVのリスク、自殺未遂、栄養不良などと関連しています(Alberg, Diette, & Ford, 2003; Almeida et al, 2006; Aloise-Young, Cruickshank, & Chavez, 2002; Chou et al., 2006; Denny et al., 2003; Grunbaum et al., 2004; Guttmacher et al., 2002; Hallfors et al., 2002; Henry & Huizinga, 2007; Kleinman et al., 2002; Weitzman et al., 2003)。しかし、その因果関係はまだはっきりしていないため、アブセンティーズムがこれらの危険な行動を誘発するのか、あるいはその逆なのかについては、さらなる研究が必要である。しかし逆に、欠席のリスクが高まると、親の間でインフルエンザワクチンの受容が促進されるという研究もある(Nettleman, White, Lavoie, & Chafin, 2001).

スクール・アブセンティズムや登校拒否school refusalは、子どもの身体的不定愁訴とよく関連している。身体的不定愁訴は、不安を伴う欠席をする青少年に特に多く見られ、最近の包括的な地域研究では26.5%に見られたが(Eggerら、2003年)、別の研究では臨床サンプルの79.4%にも見られた(Honjo, Nishideら、2001年、Honjo, Sasakiら、2001年)。問題のある欠席をしている青少年の身体的訴えには、典型的には、頭痛、腹痛、吐き気や嘔吐、疲労、発汗、ふらつき、腹痛や背中などの痛み、動悸、下痢、息切れ、月経症状などがある。

登校拒否行動school refusal behaviorに伴って体の不調を訴える青少年は、上記のような真の身体的不調を抱えている可能性がある。しかし、登校拒否行動school refusal behaviorをとる青少年の多くは、部分的にストレスからくる実際の低度の身体的症状を誇示していることがある。このような症状の誇張は、重要な他者からの注目を集めるため、あるいは親の同意を得て学校を留守にするために行われることがある。また、登校拒否の若者の多くは、体の不調を偽って訴えている。医師は、登校拒否の子供が抱えている器質的問題を除外するために、あるいは真の医学的状態を治療するために、十分な診察を行うことが推奨されている(Kearney, 2006a)。

5. 精神的な不調 Psychiatric conditions

登校拒否の青少年は、一般的に精神疾患を抱えており、それが不登校のきっかけになったり、長期にわたる欠席の原因になっている。最近行われた2つの研究では、問題のある欠席をしている青少年の精神科疾患の併存について、これまでで最も包括的な見解が示されている。これらの研究は、主に2つの点で先行研究よりも優れている。第一に、欠席の問題を抱える青少年の大規模なサンプルを評価した。第二に、優れた心理測定特性を持つ構造化診断面接を用いたこと。1つの研究は地域社会のサンプルで、1つの研究は臨床サンプルである。

地域社会の研究では、Eggerら(2003)は、児童青年精神医学的アセスメントを用いて 不安に基づく登校拒否の青少年165人と、不登校やその他の理由で欠席した青少年517人を診断した。不安に基づく登校拒否school refusalの青少年に最も多く見られた診断は、うつ病(13.9%)、分離不安障害(10.8%)、反抗性障害(5.6%)、素行障害(5.0%)であった。このグループの24.5%が診断を受けていました。無断欠席truancyの青少年に最も多かった診断は、素行障害(14.8%)、反抗挑発症(9.7%)、うつ病(7.5%)、物質乱用(4.9%)であった。このグループの25.4%が診断を受けていた(Egger et al., 2003)。

著者らはまた、不安に基づく登校拒否school refusalの若者は、恐怖や心配、睡眠障害、体の不調(頭痛)が有意に多いことを発見した。睡眠障害、体の不調(頭痛や腹痛)が、不登校の若者に比べて有意に多かった。しかし、社会不安、親との別れの心配、悪夢については、両グループに差はなかった。不安に基づく登校拒否school refusalの若者は、無断欠席truancyのの若者に比べて仲間との関係に問題があり、両親が精神的な問題で治療を受けている可能性が高かった。無断欠席truancyのの青少年は、甘い監督を受けている可能性が高かった。しかし、貧困、家族の大きさ、継親との同居、親が高校卒業資格を持たない、または失業している、危険な地域に住んでいる、親の育て方や葛藤、母親のうつ病、親の犯罪歴などについては、両グループ間に差は見られなかった(Egger et al., 2003)。

Kearney & Albano(2004)は、登校拒否行動school refusal behaviorのある青少年の大規模な臨床サンプル(n=143)を調査した。5~17歳の青少年は、問題のある欠席行動のために専門の外来治療クリニックに紹介され、平均欠席率は37.2%であった。診断をつけるために,Anxiety Disorders Interview Schedule for Children(子供版および親版)を用いた。主な診断名は、分離不安障害(22.4%)、全般性不安障害(10.5%)、反抗期障害(8.4%)、うつ病(4.9%)であった。3分の1近く(32.9%)が診断なしの基準を満たしていた(Kearney & Albano, 2004)。

最近行われた3つ目の診断研究では、学校への出席が困難な10〜17歳の若者93人の入院患者と58人の外来患者のケースレビューが行われた。入院患者/外来患者の主な診断は、気分障害(30%/15%)、不安障害(28%/14.5%)、破壊的行動障害(18.5%/11.5%)であった。具体的には、大うつ病(31.8%)、気分変調症dysthymia(25.2%)、反抗性障害(23.8%)、分離不安障害(22.5%)が多かった。学習障害は全体の4.6%に過ぎなかったが、31%が学業面での困難が登校困難の発症に関連していると報告した。また、母親の18%、父親の14%が身体疾患を持っており、全体の37%が身体疾患を持っていた。5分の1の人が、身体的疾患が登校困難の発生と関連していると回答した。また、母方(53%)と父方(34%)の精神疾患も多く見られた(McShane, Walter, & Rey, 2001)。

これらの研究や他の研究によると、問題のある欠席をしている青少年に最もよく見られる診断の種類は、基本的にうつ病、不安症、破壊的行動障害が含まれており、顕著な一貫性がある(Silove, Manicavasagar, & Drobny, 2002; Tramontina et al., 2001)。診断研究は、問題のある学校の欠席を攻撃性や攻撃的な仲間の所属と関連付ける研究とも一致している(Farmer et al, 2003; Lounsbury, Steel, Loveland, & Gibson, 2004)。しかし、診断研究は、登校拒否行動をとる多くの青少年が、精神疾患を発症していないことも示している。

しかし、診断研究では、登校拒否行動をとる多くの青少年は、精神疾患を患っていないことも伝えられている。多くの青少年は、併存疾患のない唯一の行動問題として問題のある欠席を示している。この知見は、問題的欠席行動problematic absenteeism representsが、小児期の2つの精神疾患(分離不安障害、行為障害)の症状であり、それ自体が精神疾患ではないという事実を部分的に反映しているのかもしれない。

ICD-11作成の中心メンバーの一人ジェフリー・リード氏、ICD-11にゲーム障害を収録に関して「アジアの国々から大きな圧力を受けている」と証言する

アンドリュー・シュービルスキー氏がゲーム障害にエビデンスが薄弱であるとWHOからメールを受け取った件の続報である。事情を把握されていない方は以下のリンクを参照されたい。

ides.hatenablog.com

ジェフリー・リード氏がICD-11にゲーム障害を採用することに「アジアの国々から大きな圧力を受けている」と証言したのはクリス・ファーガソン氏とのメールのやり取りの中である。2016年8月16日のメールである。ファーガソン氏が実際のメールのスクショをアップしていので、見てみよう。

f:id:iDES:20211120031123p:plain https://twitter.com/CJFerguson1111/status/1461100257442418697

WHOが提案するICDのゲーム障害カテゴリー
Reed, Geoffrey M. gmr2142@cumc.columbia.edu
Mon 8/22/2016 9:33 AM
To: Chris Ferguson (Psychology Professor)
WHOの物質使用プログラムのコーディネーターであるウラディミール・ボズニャック氏から、より詳細な回答を受け取ることになるはずです。すべてが私に委ねられているわけではありませんので。特にアジアの国々からは、これを盛り込むよう大きな圧力を受けています。
ウラジミールには、あなたがこの分野の本格的な研究者であることを伝え、あなたの参考文献をいくつか送りました。また、あなたの研究に関連して利益相反の証拠は見当たらないこと、あなたの懸念に思慮深く答えることが重要だと考えていることも伝えました。
私は、この件について真剣に科学的な議論をすることが有益であると考えており、その方法について私が考えていることがあれば、随時お知らせします。
透明性の欠如についておっしゃることは理解できますが、WHOでは基本的に、悪意のあるものではなく、透明性を確保するために必要な責任の大きさや時間とリソースが不足していることが関係しています。

WHO proposed gaming disorder categories for the ICD
Reed, Geoffrey M. gmr2142@cumc.columbia.edu
Mon 8/22/2016 9:33 AM
To: Chris Ferguson (Psychology Professor)
Thanks, Chris. You should be receiving a more extensive response from Vladimir Poznyak, the Coordinator for Substance Use Programs at WHO. Not everything is up to me, and we have been under enormous pressure, especially from Asian countries, to include this. I have told Vladimir that you are a serious researcher in this area and sent him a few of your references. I also told him that I could see no evidence of conflict of interest in relation to any of your work and that I thought it was important to reply thoughtfully to your concerns. I think that a serious scientific discussion about this would be helpful, and will keep you posted about any ideas I have about how that might occur. I understand what you are saying about lack of transparency, but at WHO this basically has to do with overwhelming responsibilities and insufficient time and resources, both of which transparency requires, rather than anything nefarious.

ここまでのTwitterの流れ

f:id:iDES:20211120031135p:plain https://twitter.com/NME/status/1460603489583775749

f:id:iDES:20211120031144p:plain https://twitter.com/drcodyjphillips/status/1460762230811729921

Cody J. Phillips @drcodyjphillips 11月18日
特定の国がWHOに働きかけて、ICD-11にゲーム障害を含めるようにしたことは公然の秘密です。エビデンスに基づいた決定ではなく、政治的な決定だったのです。もちろん、彼らは自分たちの根拠を文書化することは「不可能ではないにしても、難しい」と考えているでしょう。
It is an open secret that certain countries lobbied for the WHO to include gaming disorder in the ICD-11. It was a political decision, not an evidence-based decision. Of course they're going to find it "challenging, if not impossible" to document their rationale.

f:id:iDES:20211120031155p:plain https://twitter.com/ShuhBillSkee/status/1460954862947127301

Andrew Przybylski @ShuhBillSkee 11月17日
その具体的な証拠を見たことがありますか?
Have you seen concrete evidence of this?

f:id:iDES:20211120031206p:plain https://twitter.com/drcodyjphillips/status/1461064110418845697

クリス・ファーガソン(@CJFerguson1111)に聞いてみましょう。
確か、数年前にCHIプレイでWHOとやりとりしたことがあると彼は言っていました。記録が残っているといいですね。
Have a chat with @CJFerguson1111. IIRC, he mentioned having had correspondence with WHO at CHI Play a few years back. Supposedly they said the quiet part out loud while talking to him. Hopefully there's paper trail.

この流れで冒頭のファーガソン氏がジェフリー・リード氏をTwitterにアップロードをした。

追加: 文中にあるCHI PlayというのはIT系の国際会議のことのようです(山根信二先生より)
基調講演が下記のリンクにあります。

https://dl.acm.org/doi/10.1145/3242671.3242715

ジェフリー・リード氏について

www.columbiapsychiatry.org

ジェフリー・M・リードは、コロンビア大学ヴェーゲロス・カレッジ・オブ・フィジシャンズ・アンド・サージャンズの精神科において、医療心理学の教授であり、WHO Collaborating Centre for Capacity Building and Training in Global Mental Healthの共同ディレクターを務めている。2008年から2018年まで、WHO精神保健・物質乱用部門のシニアプロジェクトオフィサーとして、世界保健機関の国際疾病分類第11版(ICD-11)の「精神・行動・神経発達障害」、「睡眠・覚醒障害」、「性的健康に関する条件」の章の作成に関わるすべての活動を管理した。博士は、これらの分野に対応するICD-11診断マニュアルの科学的妥当性と臨床的有用性を向上させることを目的とした体系的で生産性の高い研究プログラムを、さまざまな革新的な方法論を取り入れながら指揮した。
その一環として、リード博士は、ICD-11研究に参加するためのGlobal Clinical Practice Network (GCPN; http://gcp.network(link is external and opens in a new window))を設立、開発、指導している。GCPNは現在、158カ国の約16,000人のメンタルヘルスおよびプライマリーケアの専門家で構成されており、これまでに設立された国際的な実践ベースの研究ネットワークの中で最大かつ最も広範なものとなっています。リード博士は、WHOのコンサルタントとして、ICD-11の精神・行動・神経発達障害およびその関連領域に関する国際的なトレーニング、普及、WHO加盟国による採用に向けた取り組みに積極的に取り組んでいる。

要するに、ジェフリー・リード氏はICD-11作成の中心メンバーの一人である。その人物がゲーム障害について「特にアジアの国々からは、これを盛り込むよう大きな圧力を受けています。」と証言しているのである。

アンドリュー・シュビルスキーがWHOにゲーム障害の根拠を問い合わせたところ、根拠を示すことができなかった上に、ゲーム障害の解説ページを削除する事態に陥る

ゲームメディアNMEの記事。

www.nme.com

ゲーム障害の導入に慎重な立場のアンドリュー・シュビルスキーが、ゲーム障害がICD-11に採用されたのはなぜか? それほどエビデンスが積み重なっていたわけではないのに、どういう過程で採用されたのか? 自分が知らないだけで実はエビデンスがあるのか? とTwitter上で、先月くらいに、情報提供を呼びかけていたことから始まる。

シュビルスキーはTwitter上で満足な情報が集まらなかったこともあり、WHOに直接問い合わせることにした。

WHOに返事は「根拠を示すことができない」というものだった。

その上、そのやり取りの後、WHOはWHOのウェブサイト上にあったゲーム障害の解説ページを削除した。

ページは現在も削除されているが、アーカイブ・サービスで、以前掲載されていたものを確認できる。

https://web.archive.org/web/20211106013426/https://www.who.int/news-room/q-a-detail/addictive-behaviours-gaming-disorder

ゲーム障害の解説ページをWHOが削除した理由はわからないが、根拠を示せなかったためではないかと推測されている。
シュビルスキーはゲーム障害の根拠が示せないならば、ICD-11での採用を延期した方がいいのではないか、と述べている。


WHO、ゲーム障害の記録は「不可能ではないが困難」と発表

世界保健機関(WHO)は、ゲーム障害についての情報源について質問されると答えられず、ゲーム障害に関するFAQページを削除した。

世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」を嗜癖的行動addictive behaviourとする決定を下した背景にある研究内容を説明する気がないか、できないようだ。

これは、オックスフォード大学でビデオゲームを中心に社会科学を研究しているアンドリュー・シュビルスキーAndrew Przybylski教授が、WHOがゲーム障害を分類するに至った経緯と、WHOが行った具体的な研究内容を理解するために、WHOに問い合わせたことによるものである。

シュビルスキー氏は、WHOからの回答メールをNMEと共有したが、そこには次のように書かれていた。「ゲーム障害とした根拠や正当性を文書化して伝えることは、不可能ではないが、困難なことだ。」

シュビルスキー氏は、ゲーム障害を嗜癖的行動とする決定を正当化するには、公開されているデータだけでは十分ではないと懸念している。

2018年にシュビルスキー氏が発表した共著論文では、「(研究の)構成要素から正式な障害に移行するには、現在よりもはるかに強力なエビデンスが必要だ」と述べられていた。また、この論文は、依存症としてのゲーム障害に関する研究が不足しているという情報に基づいた理解から、「WHOは今のところ慎重に判断し、正式な用語の制定を延期する」よう促している。

「重要な判断をしたのだから、根拠となった論文のリストがあると思います」とシュビルスキー氏は付け加えた。「あるいは、書籍やデータセットのリストもね」。シュビルスキー氏は、WHOがビデオゲームをどのように定義しているか、すら、わからないと言う。「ゲームが精神的な健康に与える影響を研究したり、理解したり、主張したりしたいのであれば、誰かがゲームをどう考えているのか、あるいはそうではないのかは、実に重要な問題です」。

また、シュビルスキー氏は、「ゲームはすべて一様に何らかの嗜癖性があるという考え方」を批判し、「地球の3分の1の人々が常に行っている活動」をWHOがどのように定義しているのか、また、ゲームをプレイすることが安全でないと、どのように判断しているのかを知る方法がないと述べている。

ゲーム障害は、2018年にICD-11に依存性行動を追加したWHOによって「臨床的に認識可能で臨床的に重要な症候群」とみなされている。それは、さらに「ゲーム行動のパターンが、個人的、家族的、社会的、教育的または職業的機能において著しい苦痛または著しい障害をもたらすような性質と強度を有する場合」とされている。

ICD-11(International Classification of Diseases 11th Revision)は、世界中の医療従事者が症状を診断するために使用しており、そこに障害を含めることで、各国が障害に対処するための公衆衛生戦略を策定することを目的としている。

シュビルスキー氏は、ゲームへの依存が一部の人々にとって現実的な問題であることを理解し、WHOに賛同している一方で、「ゲーム障害」という言葉が含まれ、定義されていることに批判的である。また、WHOがICD-11への導入をサポートするために引用した幅広い研究結果についても説明している。

WHOは同じメールでシュビルスキー氏に対して「この分野でWHOの活動に携わっている専門家には、査読付きの文献で発表することを奨励している」とし「あなたがこの問題に関する数多くの論文に知識があると私たちは確信している(注:WHOに聞かなくてもシュビルスキー氏は論文を読んでいるので分かっているはずだという意味)」と書かれていた。

それに対してシュビルスキー氏は「私は、何百もの論文を読んできました」と語った。「しかし、どれが説得力のある論文なのかわかりませんし、新しい精神障害を作り出すに値するものは何なのでしょうか?」

嗜癖的行動としてのゲーム障害に関する質問と回答のウェブページはWHOのウェブサイトから削除さた。その理由は不明である。ゲーム障害を嗜癖的行動に含めることについての他のデータや情報はWHOから手に入れることはできるが、そのオリジナル・リンクは削除されたままである。しかし、この削除されたページは、アーカイブ・サービスによってアーカイブされており、今年(2021年)の11月6日の時点ではまだオンラインであったことが確認できている。

NMEは、この記事を掲載する前にWHOに連絡を取り、ゲーム障害を決定した研究や調査について質問している。また、シュビルスキー氏がWHOにゲーム障害の正当性について尋ねた際に、適切な回答ができなかったかについても、質問している。回答が得られた場合は、記事を更新する予定だ。

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関するレビュー その3

前回からの続き

ides.hatenablog.com


link.springer.com

  • Kearney, Christopher A. 2008. “An Interdisciplinary Model of School Absenteeism in Youth to Inform Professional Practice and Public Policy.” Educational Psychology Review 20 (3): 257–82.

専門家の実践への影響

提案されたアブセンティーズムのモデルは、個々のケースに対する専門家の実践にいくつかの示唆を与えている。最初の包括的な評価方法には、(1)欠席を問題のないものと問題のあるものに分類すること、(2)現在および過去の欠席の頻度、種類、機能を決定すること、(3)子どもの欠席の原因となる近位および遠位の主要な要因を多軸的に評価することが含まれる。問題のある欠席をしている青少年を臨床的に評価するための推奨事項は、複数の情報源から入手可能である(Beidel and Turner 2005; Heyne et al. 2004; Heyne and Rollings 2002; Kearney 2003; Kearney et al. 2005)。

提案された問題のあるアブセンティーズムのモデルでは、様々なリスクと重症度のレベルで介入を推奨することも可能である(表4)。一次的な欠席のレベルでは、親、家族、学校が協力的であるにもかかわらず、適切な登校ができない精神病質を持つ青少年がいる。そのため、効果的な臨床的介入は、症状を軽減し、子供を通常の授業に復帰させるために考案されている。マニュアルを含むいくつかの出版物には、これらの手順が詳しく説明されている(Heyne et al.2002; Heyne and Rollings 2002; Kearney 2007b; Kearney and Albano 2007a, b; Kearney and Silverman 1999; King et al.)

しかし、先に述べたように、問題のある欠席をする青少年に対応する臨床家や教育者は、この行動に影響を与える他の多くの近位および遠位の要因を認識しなければならない。二次的なレベルでは、精神病理を持つ青少年は、子どもの欠席に適切に対応することが困難な親と交わっている。そのような困難は、離反、学校関係者への好戦的な態度、混乱、親による学校閉鎖、親による精神病などの形で現れる可能性がある。このような場合には、臨床家は子どもに対する心理的な処置を補うために、欠席を解決するために親の積極的な参加を促す戦略をとる必要がある(Heyne et al. 2002; Kearney et al.2007). この二次的なレベルでの問題となる欠席は、夫婦間や家族間の機能不全を伴うこともあり、これに対処しなければならない(McShane et al. 2001; Table 4)。

三次レベルでは、青少年の精神病理や親・家族の機能障害が、仲間や限られた学校からの影響など、より広い文脈の変数と交差する(DeWit et al.2000). よくある例は、非行に走るきっかけを作るような逸脱した仲間と付き合っている子供である。継続的な欠席は、親や学校が関与しないこと、学校外で目に見える報酬を求める傾向が強くなること、学校ベースの課外活動との連携がうまくいかないことによって促進される可能性がある。学校側の不関与は、過重な負担を強いられる職員が出席率を十分に監視せず、早退した生徒を放置するという形で現れる(Fallis and Opotow 2003)。第3段階の介入には、初期のパートタイムプログラムや代替出席プログラム、および表4のその他の戦略を追求するために、学校関係者との緊密な連携が必要である。

第4段階では、子ども、親、家族、仲間の影響が、学校風土の悪化など学校を基盤とした広範な問題と交錯する。特定の学校や地区で欠席率が高い理由は前述したが、特に重要なのは、留年が多いこと、生徒の学業上のニーズへの対応が不十分であること、柔軟性に欠ける懲戒行為、教師の欠席などである(Brookmeyer et al.2006; Jimerson et al.2002; Lee and Burkham 2003)。個人的にも家族的にも深刻な問題を抱えている若者は、このような特徴を持つ学校では、社会的にも学問的にも強力なサポートを得られない可能性があり、その結果、学校をドロップアウトする可能性が高くなる。また、臨床医や保護者は、個々の生徒の欠席問題に対応できないような厳しい官僚制度を乗り越えることに困難を感じるかもしれない(Bimler and Kirkland 2001)。第4次レベルでの臨床的介入は、表4の他の戦略に加えて、子どもの安全と教育上のニーズが本当に満たされているかどうかを精査する必要がある(Astor et al. 2005; Hernandez and Seem 2004; Vreeman and Carroll 2007)。

一般的なレベルでは、図1の影響力のある要因の多くは、問題のある欠席率の個々のケースに関係しているものである。このレベルでは、深刻な地域社会の要因が他の要因と相まって、特定の地域や学校で広範な欠席率を生み出している。このような生徒の多くは、メンタルヘルスサービスを受けることができず、臨床家がこのようなケースを目にすることはほとんどありません。一般的に問題のある欠席に対しては、マルチシステミック・セラピー(Thomas 2006)のような研究に基づいた幅広いプログラムを用いて臨床介入を行う。マルチシステミック・セラピーは、個人、家族、仲間、学校、地域社会などの複数のレベルで反社会的行動に対処するために、家庭と地域社会を基盤とした集中的な介入を行うものである(Brown et al.1999)。この介入は、学校の成績と出席率の改善に効果的である(Barth et al.2007; Henggeler et al.1999)。

問題のある欠席をしている青少年に対する臨床的介入は進化し続けており、多くの場合、子どもだけでなく、親、家族、仲間、学校、地域社会に関連する緊急事態に対処するために拡大しなければならない。長期的には、問題のある欠席のすべてのケースに対する最も効果的な臨床的介入の形は、不登校に関連する主要な公共および学校関連の政策や介入と交差しなければならないであろう。次のセクションでは、これらの広範な変数を、学校ベースの人員配置のための推奨事項とともに議論する。

表4 問題のある学校欠席者に対する介入レベルの提案

介入のレベル

一次レベル(子ども中心の欠席率)

不安、抑うつ、その他の関連する症状を軽減するための臨床技術
徐々に通常の教室に復帰させる。
出席と欠席に対する罰則
治療者と学校関係者の定期的な連携により、進捗状況を確認し、登校の新たな障害を解決する。
担任教師の役割を再構築し、リスクのある生徒を特定する。
登校拒否の兆候について学校関係者を教育する。
保護者と学校関係者の協力体制を強化し、拡大する欠席のケースに直ちに対応する。

二次レベル(子供+親+家族を重視した欠席率) プライマリーレベルの戦略

保護者と学校関係者の間の相違を調整する
保護者が介入することの重要性を教育する
子供の登校に関する親の不安を解消する
夫婦間の機能不全、家族間の対立やコミュニケーションの問題、一貫性のない監督や規律の実践、家族のストレス要因を軽減するための臨床技術と適切な紹介
欠席した子どもに連絡を取り、登校を再開させるためのピア・メンターの活用。
必要に応じて、子供のために学校の欠席率調査チームに働きかける。
逃亡の危険性がある時は、子供の監視を強化する
不適切な行動に対する教室内での非公式な対応
紛争の解決

三次レベル(子供+親+家族+仲間を中心とした欠席率) 一次・二次レベルの戦略

セラピストと学校関係者が協力して、代替プログラムやパートタイムの出席プログラムを追求し、毎日の出席を監視し、すぐに対処できる計画を立てる。
毎日の出席状況を監視し、早退に直ちに対処する計画を立て、新たな欠席について保護者に定期的にフィードバックする。
健康、精神衛生、家族、財務、法律、早期教育などのサービスを、学校を拠点とした一つの環境に集約することで、偏見や移動の負担を軽減し、サービスの連携を強化する。
個別の教育計画(504プラン)を作成し、授業のスケジュール、補習の蓄積、成績や単位に関する期待値を修正する。
担任と最初のクラスの間で生徒のピアグループを維持する。

四次レベル(子ども+親+家族+仲間+学校側の欠席) 第1、第2、第3段階の戦略

子どもの安全と教育上のニーズに対応しているかどうかを調べる
教師、クラス、学校の変更が可能か、より刺激的なクラスや教師との連携が可能か
学校の不備、融通の利かなさ、危険性、対応の悪さに関する子どもの訴えが本当に正当なものかどうかを検討する。
学校への出席がある程度達成されるまで、少年司法制度への紹介を遅らせる。
社会的、学業的問題を抱え、特別教育の必要性が満たされていない青少年に対し、カリキュラムや指導を修正、カスタマイズし、指導者を提供する。
出席を認め、報いるための学校ベースのインセンティブプログラムを設計する。
生徒と生徒、生徒と教師の間の対立を解決する。
親と子のサポートグループの調整
慢性的な欠席の問題を抱える青少年のために、独立した教育ユニットを設置する。
若者が新しくて大きな施設に適応できるよう、サマーブリッジなどの移行プログラムを開発する。
システム全体での暴力の削減
学校教員の多様性を高め、学区内の民族的に多様な家族とのコミュニケーションを増やす

第4レベル(子ども+親+家族+仲間+学校+地域密着型の欠席率) 第1次と第2次、第3次と第4次の戦略

マルチシステミック・セラピーなど、研究に基づいた幅広い介入方法
学校を拠点とするチームを、警察、裁判所、ソーシャルサービス、教会、地域組織など、多様な青少年に対応する外部リソースと連携させる。
慢性的な欠席率を持つ生徒のために、警察による一斉捜索や学校内での特別な管理ユニットの設置 学校内に欠席裁判や不登校裁判を設置する。
罰則付きの学習環境でも出席を必要とする法的措置。罰則の例としては、居残り、学校内での停学、学校を拠点とした社会奉仕活動などがあり、通常の教室環境への移行が容易になる。

Pertinent references: Barnet et al. 2004; Broussard 2003; DeSocio et al. 2007; Epstein and Sheldon 2002; Fantuzzo et al. 2005; Garrison 2006; Gibson and Bejinez 2002; Heyne and Rollings 2002; Jones 2004; Kearney 2008b; Kearney and Albano 2007a; Kearney et al. 2001; Lehr et al. 2003; Lever et al. 2004; McCluskey et al. 2004; Mueller and Stoddard 2006; Oros et al. 2000; Portwood et al. 2005; Reid 2006, 2007; Reynolds et al. 2001; Richtman 2007; Shoenfelt and Huddleston 2006; Sinclair et al. 2005; Southwell 2006; Teasley 2004; White et al. 2001.

公共政策への影響

概念化や介入と同様に、一般的な青少年の学校欠席率に関する公共政策は、個々の分野や教育地区によって比較的分断されている。義務教育法や欠席防止法の制定を促す公共政策の中心は、おそらく公序良俗政策であろう。公序良俗政策とは一般的に、社会の混乱や不安を軽減するために法律や犯罪防止戦略を実施することを指す。例えば、義務教育法はもともとヨーロッパやアメリカで、都市化、工業化、移民などの急激な変化に直面して、教育を受けた労働力や社会秩序の必要性に応えて制定された(Kearney 2001; Mangan 1994; Paterson 1989; Zhang 2004)。最近では、多くの公共秩序政策が、不登校などの低レベルの違反や身分上の違法行為にも集中している(Hornqvist 2004)。 不登校防止法はいくつかの地域で制定されており、青少年の不登校に対して親に罰金を科したり、生活保護費を連動させたりしている。

欠席した場合に親に罰金を科したり、生活保護費を青少年の出席率に連動させたり、長期欠席の場合に青少年の運転免許を剥奪したり、欠席者に対して法的措置を取るためのゼロ・トレランスなどを奨励する反立法がいくつかの管轄区域で成立している(Ethridge and Percy 1993; James and Freeze 2006; Southwell 2006; Washington State Institute for Public Policy 1996; Zimmerman and Fishman 2001)。さらに、多くの管轄区域では、欠席に対する司法的対応に基づいて学区に資金を提供している(Reid 2003)。2001 年に「the No Child Left Behind Act 」が成立し、「適切な年間進度」の「その他の指標」の 1 つと して、公立中学校の生徒の卒業率が挙げられるようになると、このような慣行が加速する可能性がある(US Department of Education 2007)。また、不登校などの身分犯に対する公共政策の変化により、地域に根ざした治療などの脱施設的な介入が増えている(Steinhart 1996)。しかし、一般的には、多くの地域や学校では、犯罪主義的な欠席モデルが採用されている(Bazemore et al.2004; Pell 2000)。

欠席率に関する一連の政策がバラバラであったり、公序良俗に反する政策のみに頼ったりすることの特に不利な点は、出席率に問題のある青少年の実質的な異質性や複雑性が無視されたり、軽視されたりすることである。例えば、学校に通えないような心理的問題を抱えている青少年の多くは、学校関係者からの紹介で警察の一斉捜索や少年院に収容されている。また、治安の悪い学校、規則を重んじる学校、勉強嫌いの学校が原因で不登校になっている少年は、ギャング関連の活動をしている非行少年と同じように扱われている。また、不登校予防に関する文献では、個人的な要因、家族的な要因、学校や地域社会の要因に基づいて青少年を区別しようとする試みはほとんどなされていない。

この論文で紹介されている学際的なモデルは、公共政策に重要な影響を与える。このモデルは、公序良俗ゼロトレランス政策のようなグローバルで画一的なアプローチではなく、問題のある欠席を組織的に対処するためのより微妙な方法を採用している。実際、学校や欠席防止プログラムの中で、様々なタイプの若者を特定し、適切な介入を行うトリアージ戦略を求めている著者もいる(Kearney 2008b; Kearney and Bates 2005; Reid 2007)。トリアージ戦略に基づいた問題のあるアブセンティーズムについての学区の方針は、専門的な実践と同様に、様々なレベルでの介入を伴うものである。これらのレベルは、欠席の重症度と頻度だけでなく、重症度、頻度、影響を与える要因の種類にも依存するであろう。また、これらのレベルでは、学校関係者の数、時間、外部機関への相談などの資源の配分も異なってくる。ここでは、表4に関連した例示的なレベルについて説明する。

一次レベルでは、欠席問題の芽生え、軽度の症状、文脈上のリスク要因が少ないケースに対して、一人の学校関係者が良性の対策を実施することができる。典型的な例としては、小学校から中学校への移行が困難な子どもたち、初めて学校関連の苦痛を感じた子どもたち、あるいは軽度の破壊的行動で帰宅を余儀なくされた子どもたちが挙げられる。これらのケースでは、学習面、家庭面、その他の問題はほとんど見られません。このような場合の学校での介入は、表4のようなものが考えられる。

第二次レベルでは、欠席率が悪化した生徒や、背景にある危険因子を持つ生徒に対して、学校関係者の小規模で非公式なチームがより実質的な対策を実施することができる。典型的な例としては、保護者に内緒で授業をサボった生徒、より強い適応障害を持つ生徒、違法欠席の閾値や前述の「問題のある欠席」の定義の基準3に近づいている生徒などが挙げられる。これらのケースに対応する学校関係者の少人数チームには、主治医、ガイダンスカウンセラー、ピアメンターなどが考えられる(Pritchard and Williams 2001; Reid 2003)。このような中等教育レベルでの学校ベースの介入には、ピア・メンターや表4のその他の戦略を用いることができる。

第三次レベルでは、正式な学校をベースにしたチームが、法的な閾値や前述の問題のあるアブセンティーズムの定義の基準3を超える重度の問題のある欠席を追跡し、対処することができる。典型的な例としては、定期的に学校を欠席したり、いくつかのクラスで落第点を取ったり、学校内での不品行を伴って学校に出席することに強い苦痛を感じている青少年が挙げられる。正式な学校ベースのチームには、主要な管理者(校長、学部長)、指導カウンセラー、学校心理士、教師、および必要に応じて一般の人々が参加することができる。この第三次レベルでの学校ベースの主な介入方法としては、外部のメンタルヘルスなどの専門家との定期的な相談や、表4のその他の戦略が考えられる。

第四次レベルでは、学校をベースにしたチームを設立し、欠席率を下げるために学校をベースにした変化の有用性を調査することが考えられる。このチームは、カリキュラムや指導方法をカスタマイズしたり、表4のその他の戦略を追求する責任を負うことができる。一般的なレベルでは、これらの正式な学校ベースのチームは、非常に高いシステムレベルの問題となる欠席率に対処するために、多くの外部リソースと連携しなければならない(表4)。

この記事で紹介した学際的モデルは、学校の欠席率に関する州や連邦政府の政策にも影響を与える可能性がある。学校への資金援助は、欠席の程度、代替教育プログラムの革新的な開発、様々なタイプの欠席をしている青少年や欠席の原因となっている学校関連の要因を区別して評価し対処するトリアージ戦略の使用などを含む計算式に基づいて一部行われる可能性がある。さらに、学際的な研究チームに助成金を提供し、問題のある欠席にさまざまなレベルで対処することの有用性を調査することもできる。最後に、保護者や教師、その他の人々に、欠席の潜在的な危険性や、特定の地域で問題に対処するために利用可能なリソースについて教育するための公共教育プログラムを実施することができる。これらの取り組みの補助的で重要な目標は、一般人や専門家が分野を超えて努力を重ね、知識を共有し、青少年の問題となる欠席に関する出版物の比較可能性をさらに高めることである。

最終コメント

本論文の主な目的は、研究者、実務者、政策立案者の間でコンセンサスを得るための学際的なモデルを提供することである。この分野の専門家は、努力を調整し、知識を共有し、発表された文献間の比較可能性を高めるために、分野を超えて協力してこのモデルを検証し、修正することが強く推奨される。この目的のために、専門家は、子ども、親、家族、仲間、学校、地域社会の要因を十分に考慮したインタビューやアンケートなどの共通の評価方法を開発しなければならない。また、専門家は、問題のある欠席やその関連する危険因子に対処するための助成金申請や実践的な戦略を策定するために協力しなければならない。そのためには、多面的なアプローチが必要であり、個人レベル、システムレベルで欠席を予防、削減するための効率的な方法を導き出すことが必要である。