井出草平の研究ノート

小此木啓吾先生、理工系出身の技術者はコンピュータに取りつかれ、情緒的な関わり合いができず、インポテンツだ、と持論を展開する

小此木啓吾先生といえば『モラトリアム人間の時代』が有名な精神分析家である。一般的にはそれほど知名度はないかもしれないが、日本の精神分析会では大家である。小此木先生はデジタル技術批判も行っていた。その中の一冊から。

ある泌尿器科医の統計によると、この五年間に、新婚の際のインポテンス<性的不能>の男性が五倍くらい増えている。しかも、専門家同士が異口同音に言うのは、この種のタイプの男性のかなりの人々が、理工系出身の技術者タイプであるという事実である。つまり、物理、数学満点タイプなのだが、文科系の情緒的なものにはさっぱり関心がない。こうした傾向は、コンピュータ時代になってますます増えるのではないか、と危惧の念をもらす専門家も多い。
知的にはとても優秀で、すぐれた才能を発揮している彼らは、コンピュータとのかかわりが居心地よく、人と人、妻と自分といった一対一の情緒関係は、苦手でうとい。それだけに、結婚しても男女の情愛そのものにあまり関心がない。妻に対する性的な親密さもなかなか持つことができない。あたかもダッチマザーに育てられたおサルの坊やのようである。
このような未完成結婚型青年がテクノ依存症の徴候として今後ますます広がっていくのだろうか。(pp.34-5)


テクノ依存症とダッチワイフ
コンピュータに慣れてくると、コンピュータの作業基準を自分の内部に取り込んで、コンピュータにかなったような感じ方、考え方、反応の仕方、問題処理の仕方が身についたコンピュータ人聞ができ上がる。たとえば物事を処理する時聞をできるだけ短縮し、できるだけ失敗のないようにいつも完全を望む。イエスかノーかのデジタル的な二者択一思考が身についてしまう。このようにしてコンピュータに順応する結果、これらの人々の創造性は減退し、人との温かいふれあい能力が低下する。そして、むしろ人間そのものが機械じみ、人々から隔ってしまう。
この心理傾向が極端になるとテクノ依存症とよばれる。コンピュータに取りつかれ、コンピュータが行なうようにいつもすべてをコントロールしたいという強迫観念に駆られ、人との共感を失い、情緒の豊かさと柔軟性がなくなって、機械人開化する。未完成結婚型の男性のなかには、このテクノ依存症にかかっていることが疑われる人々が目立つ。(p.35-6)

精神分析とインポテンス

このような文脈でインポテンス(独:インポテンツ)が出てくるのかというと、精神分析の重要なテーマ一つだからである。

精神分析とインポテンスについてはこちらによくまとめられている。

quod.lib.umich.edu

かの、キンゼイレポートでも、若年では精神的なインポテンスは稀であり、加齢によるものであることがによって明らかにされている(Kinsey 1948 :237)

  • Kinsey, Alfred C. 1948 Sexual Behavior in the Human Male. Philadelphia: W.B. Saunders Company.

あわせて読みたい

ides.hatenablog.com

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アレン・フランセス、DSM-5に対して「あらゆる熱中的な嗜癖を精神疾患とするよう広まり、インターネット、セックス、ショッピング、その他の未検証の「嗜癖」に対する一次拭きなブームにすぎない診断への扉を開く」と批判する

www.cambridge.org

また、DSM-5では、ギャンブルを最初の例として「行動嗜癖」という概念を導入することで、危険な坂道 slippery slope を作り出している。この時期尚早の先例は、やがてあらゆる熱中的な嗜癖精神疾患にするように拡大され、インターネット、セックス、ショッピング、その他の未検証の「嗜癖」に対する一次拭きなブームにすぎない診断への扉を開くことになりかねない。
This edition has also created a slippery slope by introducing the concept of ‘behavioural addictions’- with gambling as its first example. This premature precedent can eventually spread to make a mental disorder of any passionate interest - opening the door to the fad diagnosis of internet, sex, shopping and other untested ‘addictions’.

ICD-11 が直面する課題

DSM-5 が非常に多くの疑問のある決定をし たことを考えると、ICD-11 はそれに追随しないことが賢明であろう。しかし、これは簡単なことではない。書かれた言葉や出版されたページには暗黙の権威があり、ICD-11 の作業員には、DSM-5 の前例に惑わされないようにという強いプレッシャーがかかる。DSM-5 の変更は、それがどんなに稚拙なものであったとしても、ある種の権威を獲得し、労を惜しまない決定プロセスの末に受け入れられたという見かけ上の信憑性を獲得することになる。調和への直接的なアピールがなされることだろう。そして、DSM-5の経験者の多くが、ICD-11にも取り組んでいるのだ。しかし、DSM-5を雛形として踏襲することは重大な誤りであろう。DSM-5の決定は、リスクを最小化する一方で、仮想的な利益を過大評価する、秘密主義の閉鎖的なプロセスに基づいていた。実地試験では、診断率への影響を測定することができず、信頼性は過去の水準をはるかに下回り、しばしばDSM-III以前のひどい信頼性の欠如に逆戻りする結果となった。また、DSM-5は制作の締め切りをすべて過ぎてしまったため、ひどく必要とされていた品質管理の段階を中止してしまった。DSM-5は適切なテストを行うことなく、早々に出版を急がせてしまった。
ICDの新版は、DSM-5の過ちを永続させるのではなく、そこから学ぶことで、より良いものにすることができますし、そうしなければならない。変更を加える前に、より高い科学的証拠の基準を設定し、よりオープンなプロセスを確保し、異なる視点に対してより敏感でなければならない。しかし、安全で永続的な診断システムを構築 するためには、知恵と慎重さが資源の有無に勝ることは明らかである。

「書かれた言葉や出版されたページには暗黙の権威がある」

これはICD-11のゲーム行動症の導入で明確になったことではないだろうか。
結局、ICD-11の作成者は、フランセスの忠告を無視する形で新しい診断基準を作成するに至った。

アレン・フランセスと関連エントリ

ja.wikipedia.org

ides.hatenablog.com

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脳形態計測と安静時機能的MRIを用いて評価した新興成人におけるスマートフォン嗜癖の神経生物学的研究

VBMでは、SPA群では対照群に比べ、島と前頭前野灰白質体積が減少し、楔前部の灰白質体積が増加していることが確認された。楔前部体積とSAS-Mスコアの間には中程度の相関が認められた。SPA患者では、楔前部と後部帯状皮質に有意なfMRI活性化が認められた(FWE未補正、p<0.001)。SPAの重症度はうつ病と相関していた。不安スコアは、頭頂葉前部のGMVの減少と中程度の相関があった。これらの結果を総合すると、島における構造的および神経機能的な変化は、他の行動嗜癖と共通するSPAの神経生物学と関連していると推測される。

The neurobiology of smartphone addiction in emerging adults evaluated using brain morphometry and resting-state functional MRI | Neuroscience Research Notes

  • Abdul Rashid, A., Suppiah, S., Syed Nasser, N., Sharifat, H., Mohamad, M., Loh, J. L., Ibrahim, B., Ibrahim, N. S. N., Mohad Azmi, N. H., Abdul Rahim, E., Ahmad Apandi, L. M., Ab Hamid, S., Ngee Thai, Y., Ching, S. M., & Hoo, F. K. (2021). The neurobiology of smartphone addiction in emerging adults evaluated using brain morphometry and resting-state functional MRI. Neuroscience Research Notes, 4(4), 19–28. https://doi.org/10.31117/neuroscirn.v4i4.107

スマートフォン嗜癖(SPA)の特性は、神経画像研究によって評価することができます。しかし、脳構造の変化、心理社会的ウェルビーイングへの影響に関する情報は、同時には評価されていない。本研究の目的は、SPAを発症した新成人において、ボクセルベースモルフォメトリー(VBM)を用いた灰白質体積の異常と、レストステート機能MRI(rs-fMRI)を用いた神経細胞機能変化を明らかにすることであった。 神経画像パラメータは、うつ病、不安、ストレス、衝動性などの心理社会的ウェルビーイングの指標と相関させた。40人の参加者(SPA20人、年齢をマッチさせた健常対照者20人)が、VBMとrs-fMRIを用いて評価された。SPA群と健常対照群の分類には、スマートフォン嗜癖尺度-マレー版(SAS-M)の質問票スコアを用いた。心理社会的ウェルビーイングと衝動性の評価には、それぞれDASS-21とBIS-11質問票を使用した。 VBMでは、SPA群では対照群に比べ、島と前頭前野灰白質体積が減少し、楔前部の灰白質体積が増加していることが確認された。楔前部体積とSAS-Mスコアの間には中程度の相関が認められた。SPA患者では、楔前部と後部帯状皮質に有意なfMRI活性化が認められた(FWE未補正、p<0.001)。SPAの重症度はうつ病と相関していた。不安スコアは、頭頂葉前部のGMVの減少と中程度の相関があった。これらの結果を総合すると、島における構造的および神経機能的な変化は、他の行動嗜癖と共通するSPAの神経生物学と関連していると推測される。

カテゴリカルデータの探索的因子分析[Mplus]

EXAMPLE 4.2: EXPLORATORY FACTOR ANALYSIS WITH CATEGORICAL FACTOR INDICATORS

www.statmodel.com

www.statmodel.com

バイナリ(2値)データの因子分析のアプローチは下記の論文のものである。

SUMMARY OF MODEL FIT INFORMATION


                   Number of                   Degrees of
     Model        Parameters      Chi-Square    Freedom     P-Value

     1-factor          12            730.699        54       0.0000
     2-factor          23            485.520        43       0.0000
     3-factor          33            268.580        33       0.0000
     4-factor          42             22.796        24       0.5319

                                               Degrees of
     Models Compared              Chi-Square    Freedom     P-Value

     1-factor against 2-factor       228.003        11       0.0000
     2-factor against 3-factor       183.837        10       0.0000
     3-factor against 4-factor       158.815         9       0.0000
           FACTOR STRUCTURE
                  1             2             3
              ________      ________      ________
 U1             0.645         0.124        -0.011
 U2             0.877         0.013         0.081
 U3             0.714         0.004         0.067
 U4            -0.049        -0.087        -0.496
 U5            -0.215         0.019        -0.547
 U6            -0.074         0.093        -0.475
 U7             0.040         0.806        -0.022
 U8            -0.022         0.721        -0.059
 U9             0.015         0.667        -0.036
 U10           -0.144        -0.008         0.553
 U11           -0.106        -0.113         0.634
 U12            0.032        -0.034         0.572

ウェブページで提供されているとサンプルデータだとかなりキレイな感じで分析結果が出るが、他のデータでは問題が起った。
問題が起こった原因までは突き止められていないため、分析ができなかったケースをメモをしておこうと思う。下記で2つのデータで分析をしている。

gss82データ

gss82データはpoLCAパッケージに含まれている。

https://rdrr.io/cran/poLCA/man/gss82.html

このデータはLatentGoldのDfactorモデルの例題でも使われていおり、LatentGoldのアプローチでは分析可能である。

Mplus用のデータに加工

library(poLCA)
data(gss82)
summary(gss82)
          PURPOSE           ACCURACY        UNDERSTA          COOPERAT   
 Good         :919   Mostly true:625   Good     :980   Interested :1008  
 Depends      :104   Not true   :577   Fair/Poor:222   Cooperative: 159  
 Waste of time:179                                     Impatient  :  35 
gaa82unm <- gss82
library(dplyr)
gaa82unm %>% 
  mutate(PURPOSE = recode(PURPOSE,
                        "Good" = 1,
                        "Depends" = 2,
                        "Waste of time" = 3))

gaa82unm %>% 
  mutate(ACCURACY = recode(ACCURACY,
                        "Mostly true" = 1,
                        "Not true" = 2))

gaa82unm %>% 
  mutate(UNDERSTA = recode(UNDERSTA,
                        "Good" = 1,
                        "Fair/Poor" = 2))
gaa82unm %>% 
  mutate(COOPERAT = recode(COOPERAT,
                        "Interested" = 1,
                        "Cooperative" = 2,
                        "Impatient" = 3))
library(MplusAutomation)
variable.names(gaa82unm)
prepareMplusData(gaa82unm, filename="gaa82unm.dat", overwrite=T)

Mplusのコード

TITLE: 
  factor analysis with categorical factor  indicators

DATA: 
  FILE = "gaa82unm.dat";

VARIABLE: 
  NAMES = PURPOSE ACCURACY UNDERSTA COOPERAT; 
  CATEGORICAL = PURPOSE ACCURACY UNDERSTA COOPERAT; 
  MISSING=.;

ANALYSIS:
  TYPE = EFA 1 4;

実行

*** WARNING in ANALYSIS command
  Too many factors were requested for EFA.
  The maximum number of factors is set to 1.
   1 WARNING(S) FOUND IN THE INPUT INSTRUCTIONS

1因子構造での分析のみが許可されているようだ。

児童向けウェクスラー式知能検査

児童向けウェクスラー式知能検査(Wechsler Intelligence Scale for Children; WISC)を用いる。サンプルデータはこちらからダウンロードする。

変数名 説明
info Information
comp Comprehension
arith Arithmetic
simil Similarities
vocab Vocabulary
digit Digit Span
pictcomp Picture Completion
parang Paragraph Arrangement
block Block Design
object Object Assembly
coding Coding

それぞれの項目は20点満点(0~20)である。

バイナリデータに加工してMplus用に出力する

library(rio)
d1 <-import("wiscsem.sav")
d2 <- d1[3:13] # 因子分析に使用するのは3~13列目

OneRパッケージで二分割する。

library(OneR)
d3 <- bin(d2, nbins = 2, labels = c(0,1),  method = "content")
summary(d3)

結果。

 info    comp    arith   simil   vocab  digit  pictcomp parang block  object coding 
 0:116   0:106   0:107   0:110   0:91   0:94   0:107    0:89   0:88   0:98   0:109  
 1: 59   1: 69   1: 68   1: 65   1:84   1:81   1: 68    1:86   1:87   1:77   1: 66  

Mplus用に出力する。

library(MplusAutomation)
variable.names(d3)
prepareMplusData(d3, filename="wiscsem_binary.dat", overwrite=T)

Mplusでの実行

推定器のデフォルトはWLSMVであるが、今回はMLRを使っている。WLSMVで走らせると今回のデータはうまくいかない。Mplus User's Guideの例(https://www.statmodel.com/usersguide/chapter4.shtml)は上手く走るので、WLSMVだからダメというわけではなく、Mplusの手法だと走らないケースが比較的でてくるようだ。

ANALYSISコマンドのESTIMATORオプションを使用すると、別の推定量を選択することができる。 最尤推定では、各因子に対して1次元の積分を行う数値積分が使用される。 https://www.statmodel.com/HTML_UG/chapter4V8.htm

TITLE: 
  factor analysis with categorical factor indicators

DATA: 
  FILE = "gaa82unm.dat";

VARIABLE: 
  NAMES = PURPOSE ACCURACY UNDERSTA COOPERAT; 
  CATEGORICAL = PURPOSE-COOPERAT;
  MISSING=.;

ANALYSIS:
  TYPE = EFA 1 4;
  ESTIMATOR = WLSMV;

WLSMVの結果

     NO CONVERGENCE.  NUMBER OF ITERATIONS EXCEEDED.
     PROBLEM OCCURRED IN EXPLORATORY FACTOR ANALYSIS WITH 3 FACTOR(S).


     NO CONVERGENCE.  NUMBER OF ITERATIONS EXCEEDED.
     PROBLEM OCCURRED IN EXPLORATORY FACTOR ANALYSIS WITH 4 FACTOR(S).

MLRの結果

     PROBLEM OCCURRED IN EXPLORATORY FACTOR ANALYSIS WITH 3 FACTOR(S).
     THE STANDARD ERRORS OF THE MODEL PARAMETER ESTIMATES MAY NOT BE
     TRUSTWORTHY FOR SOME PARAMETERS DUE TO A NON-POSITIVE DEFINITE
     FIRST-ORDER DERIVATIVE PRODUCT MATRIX.  THIS MAY BE DUE TO THE STARTING
     VALUES BUT MAY ALSO BE AN INDICATION OF MODEL NONIDENTIFICATION.


     STANDARD ERRORS COULD NOT BE COMPUTED IN EXPLORATORY FACTOR ANALYSIS WITH
     4 FACTOR(S).

SUMMARY OF MODEL FIT INFORMATION


                                               Degrees of
     Models Compared              Chi-Square    Freedom     P-Value

     1-factor against 2-factor        20.171        10       0.0277
     2-factor against 3-factor        16.778         9       0.0523
     3-factor against 4-factor      2412.123       -42       0.0000

MLRだと一応結果は出力されるが、分析には失敗している。

  • エラーメッセージが出ている
  • 1-factor against 2-factorが0.000というP値で、そこから因子数が増加して、どこかの点で、5%水準より大きなP値になるという結果が正常
  • 自由度がマイナスになっている

「デジタル認知症」は迷信

www.derstandard.at

マンフレート・スピッツァー著『デジタル認知症』などのポピュラーな科学書は、デジタルメディアの有害性を報告し、インターネットの集中使用を戒めている。コブレンツ・ランダウ大学のメディア心理学者は、スピッツァーの論文はこれまでの科学的知見とほとんど共通点がないことを指摘している。

コブレンツ・ランダウ大学(研究当時はリンツ大学)心理学科のマルクス・アッペルとコンスタンツェ・シュライナーは、インターネットやその他の有害な影響に関する一般的な主張と科学研究の現状をできるだけ客観的に比較するために、特にデジタルメディアに関するメタアナリシスを検索した。メタアナリシスとは、科学的な結果の平均的な傾向を明らかにする目的で、多くの研究結果を一緒に検討する研究のことである。

アッペル氏とシュライナー氏によると、多くの分野で、インターネットの有害性に関するテーゼと明らかに矛盾する科学的結果が得られているとのことだ。現在の研究状況によれば、平均的にインターネット利用の増加は、社会的交流の減少や社会的・政治的関与の減少にはつながらないということである。また、インターネットを頻繁に利用する人が、そうでない人よりも孤独であるということもない。

親が誤解している

スピッツァーらの警句は、科学的知見とはほとんど関係がない」とメディア心理学者のアッペルは確信している。本研究の著者らによれば、インターネット利用の効果に関する不適切な論文は、日常生活におけるコンピュータやインターネットの普及に伴う課題を不明瞭にするものである。

アッペルは、「デジタル認知症」のような本によって、少なくとも親や教師が誤った情報を与えられ、誤った方向に導かれることを懸念している。「教育者が、子どもや若者のメディア利用を最初から悪者にしないことが重要だと思う。そうすれば、インターネットの問題で有能な議論相手になることは難しくなる」と科学者は言う。

しかし、スピッツァーのテーゼと科学的知見の状況が重なる結果も含まれている。それが「幸福度」「体重過多」「攻撃性」の側面です。「しかし、この相関は平均して弱く、この点でも警戒すべき理由はない」と二人の研究者は強調している。

一般的な知見はまだ証明されていない

しかし、学習過程との関連では、メタ分析の結果は「デジタル認知症」に関するテーゼと矛盾する。「平均して、対面でのコミュニケーションとマルチメディアの要素が混在している場合に、知識の増加が最も大きく記録さ れる。- コンピュータゲームによる学習の影響調査でも、平均してプラスの効果が出ている」と、アッペル氏とシュライナー氏は説明する。

二人の研究者は、まだ科学的な精査を受けていない迷信を取り上げることができなかった。これには、ナビゲーションシステムの日常的な使用によって空間識が低下するという仮定が含まれている。

アッペルとシュライナーは、メディア批評の出版物が人気を博している理由の一つは、多くの著者が一般的な神経科学的理論や知見に言及していることにあると見ている。「しかし、一般向けの科学書では、核心的な内容とは直接関係ないにもかかわらず、特に素人には説得力があるように見えることが多い」と専門家は総括している。

ノモフォビア no-mobile-phone phobia

gigazine.net

en.wikipedia.org


ノモフォビア

ノモフォビア[1](「no mobile phobia」の略)は、動作する携帯電話を持っていないことによる恐怖、または不安を表す言葉である[2][3]。 精神保健における問題のあるデジタルメディア使用の症状または症候群と考えられており、その定義は標準化されていない[4][5]。

概要

携帯電話の使用は2005年以降、特にヨーロッパとアジア諸国において大幅に増加している。ノモフォビアは通常、行動嗜癖と考えられている。薬物嗜癖と多くの特徴を共有している。携帯電話をインターネットに接続することは、ノモフォビアの原因の一つである。嗜癖の症状は、不安の増大、自尊心の低下、不安定な愛着、情緒不安定などの要因により、快適さを求めた結果である可能性があります。感情的な関係において安らぎを得るために、携帯電話を使いすぎる人もいる[6]。

ノモフォビアは、現在の「精神障害の診断と統計マニュアル第5版」(DSM-5)には掲載されていないが、DSM-IVでの定義に基づいて「特定恐怖症」として提案されている[7][dubious - discuss] Bianchi and Philips(2005)によると、携帯電話の使い過ぎには心理的要因が関わっているという。 [8] これには、自尊心の低さ(安心感を求めている人が不適切な方法で携帯電話を使用する場合)、外向的な性格(もともと社交的な人が携帯電話を過剰に使用する場合)などが含まれる可能性がある。また、ノモフォビック症状が他の基礎的な既存の精神障害によって引き起こされる可能性も高く、社会恐怖症または社会不安障害、社会不安、パニック障害[9]などが候補とされる。

携帯電話恐怖症」の略語であるこの言葉は、2008年にイギリスの郵便局がイギリスの調査機関であるYouGovに依頼した、携帯電話利用者が経験する不安を評価する調査の際に作られた[11]。この調査では、イギリスの携帯電話ユーザーの約53%が、「携帯電話を紛失したとき、電池やクレジットがなくなったとき、ネットワークに接続できないとき」に不安になる傾向があることが判明した。2,163人を対象にしたこの調査では、男性の約58%、女性の約47%がこの恐怖症であり、さらに9%が携帯電話の電源が切れたときにストレスを感じていることがわかりました。調査対象者の 55% が、携帯電話が使えないときに不安になる主な理由と して、友人や家族との連絡手段を確保することを挙げている[2][12]。 この研究では、ノモフォビアが引き起こすストレスレベルを、「結婚式の日の緊張」 や歯医者への通院と同程度であると比較している[13]。

ノモフォビアの2人に1人以上は、携帯電話の電源を切ったことがない[14]。

研究成果

テクノロジーの変化に伴い、日々新たな課題が発生している。新しい種類の恐怖症(いわゆるテクノ・フォビア)が出現している。1983年に最初の携帯電話が消費者市場に導入されて以来、これらのデバイスは大多数の社会で著しく主流になっている[15]。

Shambare, Rugimbana & Zhowa(2012)は、携帯電話は「おそらく21世紀最大の非薬物依存症」であり、大学生は毎日最大9時間を携帯電話に費やす可能性があり、現代生活のドライバーとしてこうしたテクノロジーへの依存につながり、自由にも奴隷にもなる「テクノロジーパラドックス」[16]の一例であると主張している[17]。

SecurEnvoyが行った調査では、若年層や青年層がノモフォビアを持つ可能性が高いことが示されている。同調査によると、10代の77%が携帯電話がないと不安や心配になると回答し、次いで25~34歳の年齢層と55歳以上の人が多いと報告されている。この恐怖症の可能性がある人に注目すべき心理的予測因子としては、「自己否定的な見方、若い年齢、低い自尊心と自己効力感、高い外向性または内向性、衝動性と危機感、感覚を求める」などがある[8]。

学生においては、携帯電話の頻繁な使用は、使用頻度の低い学生と比較して、成績平均点(GPA)の低下および自己報告される生活満足度(幸福および幸福)に悪影響を与える不安の増大と相関している。GPA の低下は、携帯電話やコンピュータの使い過ぎにより、勉強や授業への出席、課題への取り組みに時間や集中力が奪われること、また授業中に携帯電話が邪魔になることが原因である可能性があります。携帯電話の使いすぎは、常にソーシャルネットワークに接続していなければならないというプレッシャーから不安を増大させ、幸福の構成要素であるとされている、日々のストレスを緩和する孤独を感じる機会を奪う可能性があります[18]。人々は、友人や家族とつながり、家族の愛情や耐性といった対人的ニーズを得るために携帯電話を利用することができる。また、携帯電話を使って、インターネット上でサポートや同伴者を得ることもできます。実際に、人々は感情を調整するために携帯電話を利用しており、サイバー心理学の強力なツールとして、携帯電話は人々の感情生活とつながっている。

その他の実験

携帯電話の使用は、生活満足度と負の相関があるという研究結果がある。携帯電話は生活を便利にするものではあるが、ストレス要因ともみなされている。仕事のプレッシャー、頻繁な対人コミュニケーション、迅速な情報更新と流通など、 これらの理由から、ほとんどの人にとって、携帯電話は仕事や生活の重要なツールとなって いる。携帯電話が壊れたり、突然通知頻度が落ちたりすると、不安、イライラ、抑うつなどの症状が出る人もいる。携帯電話の使用範囲が広いと、通常、幸福感、マインドフルネス、生活満足度が低くなることが研究で明らかにされている[20]。

オーストラリアでは、15 歳から 24 歳の青年および新成人 946 人が携帯電話に関する研究に参加しました(男性 387 人、女性 457 人、性別を報告しないことを選んだ人 102 人)[21]。この研究では、参加者の携帯電話の使用頻度と携帯電話への心理的関与との関係に焦点が当てられた。研究者は、参加者の携帯電話利用に影響を与える可能性のあるいくつかの心理的要因を、以下の質問紙で評価しました。携帯電話関与度質問票(MPIQ)、携帯電話使用頻度、自己同一性、他者からの妥当性。MPIQは、行動嗜癖を7段階のリッカート尺度(1-強くそう思う)、(7-強くそう思わない)で評価したもので、次のような記述が含まれている。「携帯電話を使っていないときも、よく携帯電話のことを考えてしまう。携帯電話を使っているとき、他人とつながっていると感じる」[21]。

その結果、参加者の携帯電話の使用状況と携帯電話との心理的関係には、中程度の差があることが示された。病的な状態は見られなかったが、愛着の兆候を示す携帯電話の過剰な利用が見られた。携帯電話の過剰使用の兆候を示した参加者は、他者からの検証を受けると使用量を増やす傾向があった。その他の要因としては、研究対象となった集団が青年期に集中しており、新興成人は、自己同一性、自尊心、社会的同一性を経験している可能性があるため、携帯電話依存症を発症する可能性が高いことが考えられる[21]。

パニック障害や不安障害のある人は、携帯電話依存症になりやすい。ブラジルでの研究では、パニック障害異性愛者の参加者と健康な参加者の対照群によって、携帯電話の使用によって経験する症状が比較された。グループ1は、パニック障害広場恐怖症を持つ50人(平均年齢43歳)、グループ2は、障害を持たない70人(平均年齢35歳)の健康な参加者から構成されています。実験中、参加者は自己報告式の携帯電話に関する質問票を渡され、両グループから報告された携帯電話の使用と症状について評価された。

グループ1の約44%が携帯電話を持っていると「安心する」と回答したのに対し、グループ2の46%が携帯電話がなければ同じように感じないと回答しました[22]。その結果、全参加者の68%が携帯電話依存を報告しましたが、携帯電話へのアクセスを禁止した対照群と比較して、パニック障害と広場恐怖の参加者は全体として有意により感情症状および携帯電話への依存を報告したことが実証された。

症状・兆候

ノモフォビアは、携帯電話にアクセスできないことへの恐怖から不安を感じる状況で発生する。携帯電話の使用によって対面での交流が減り、社会的・家族的な交流に大きな支障をきたす「過剰接続症候群over-connection syndrome」。テクノストレス」とは、うつ病などの心理的気分障害を含め、孤立することで対面での交流を避けている人を表す別の言い方だ。

不安は、携帯電話の紛失、電波の喪失、携帯電話の電池切れなど、いくつかの要因によって誘発される[7]。ノモフォビアの臨床的特徴としては、衝動的に機器を使用する、社会的コミュニケーションからの保護として、または移行対象として使用することなどがある。観察された行動には、インターネットにアクセスできる機器を1つ以上持っていること、充電器を常に携帯していること、携帯電話を失くすことを考えると不安な気持ちになることなどがある。携帯電話を使いすぎると、睡眠時間が短くなることが多い。睡眠不足は、うつ病やケア不足につながる可能性があり、その結果、ケータイに熱中することを望むようになる。携帯電話への依存は、精神衛生上の悪影響が原因であることが調査で明らかになっている。他の人と比べて、睡眠時間が短くなり、携帯電話を長く使うほど、うつ状態が重くなる。携帯電話の使用量の増加は、自尊心や対処能力の低下と関係がある[23]。

ノモフォビアのその他の臨床的特徴としては、人間との対面での交流がかなり減少し、それに代わって技術的なインターフェースを介したコミュニケーションを好むようになること、寝るときもデバイスに手が届き、電源を切らないこと、メッセージ、電話、通知を見逃さないように頻繁に電話の画面を見ること(ringxietyともいう)などがある。また、ノモフォビアは、データの過度な使用やその人が持つことのできるさまざまなデバイスのために負債の増加につながることもある[7]。ノモフォビアは、反復的な使用による肘、手、首の痛みなどの身体的問題にもつながることがある[24]。

空港、学術機関、病院、職場など、携帯電話の使用が制限されている公共の場では、不安やストレスによる不合理な反応や極端な反応を本人が経験することがある。携帯電話で買い物をするなど、日常的に携帯電話を使いすぎると、経済的な問題を引き起こす可能性がある[7] 。ケータイの愛着サインには、ケータイを持ったまま眠りたいという衝動も含まれる。携帯電話を通じてのコミュニケーションは、その人に安心感や安全性を与える。

ノモフォビアは、他の障害の代理として機能することがある[7]。社会性の障害が根底にある人は、バッテリー切れ、サービスエリア外、接続不可などの理由でデジタル機器を使用できないとき、または離れたときに、緊張、不安、苦悩、発汗、震えを経験する可能性が高い。このような人は、デバイスを常に手元に置いておくことにこだわり、通常、忘れた携帯電話を取りに家に戻ることが多くなる。

ノモフォビア行動は、社会不安や社会恐怖症によって生じるストレスを軽減する方法として、社会不安傾向や仮想およびデジタルコミュニケーションの使用への依存を強める可能性がある。[9] パニック障害の患者もノモフォビア行動を示すことがあるが、おそらく携帯電話に関して拒絶、孤独、不安、および低い自尊心を、特に連絡がほとんどない(電話やメッセージをほとんど受信しない)時間に報告することになるであろう。パニック障害の人は、携帯電話の使用によって、不安感や抑うつ感がかなり強くなると思われます。にもかかわらず、パニック障害のある人は音声通話をすることが有意に少なかった[22]。

また、ノモフォビアは、依存的な使用(デバイスの電源を切らない)、禁止された使用(使用が禁止されている環境での使用)、危険な使用(運転中や道路横断中の使用)などの問題のある携帯電話の使用の可能性を高めることが示されている[25]。 さらに、ノモフォビアの第3因子(情報にアクセスできないことへの恐怖)は運転中の違法使用の可能性に最も影響を与えている [26]-[26] 。

症状

不安 呼吸の変化 震え 発汗 興奮 失見当識 頻脈[7]

情緒的症状

抑うつ パニック 恐怖 依存 拒絶反応 低い自尊心 孤独[7]

治療法

現在、比較的新しい概念のため、学術的に受け入れられ、経験的に証明された治療法は非常に限られている。しかし、有望な治療法としては、認知行動心理療法EMDR、薬理学的介入との併用などがある[7] 。トラニルシプロミンとクロナゼパムを用いた治療法は、ノモフォビアの影響の軽減に成功した[10]。

認知行動療法は技術的影響から独立した自律的行動を強化することで効果があると思われるが、この形式の治療は無作為化試験に欠けている。もう1つの可能な治療法は、「リアリティ・アプローチReality Approach」、つまり、患者に携帯電話から離れて行動に集中するように求めるリアリティ療法である[要出典]。極端または重症の場合、ベンゾジアゼピンから通常の用量の抗うつ剤まで、神経精神薬理学が有利な場合がある[要出典]。 患者は、トラニルシプロミンとクロナゼパムの併用でも治療に成功している。しかし、これらの薬物は社会不安障害を治療するために設計されたものであり、ノモフォビアを直接治療するものではないことに注意することが重要である[9]。 ノモフォビアを直接治療することはむしろ困難であり、基礎にある精神障害があれば調査、特定、治療する方が妥当であろう。

ノモフォビアはかなり新しい概念であるが、診断に役立つ有効な心理測定尺度があり、その1つの例が "携帯電話依存症/携帯電話依存症テスト(QDMP/TMPD)"である[27]。

大学生のスマートフォン嗜癖の潜在プロファイル分類における気質・性格・認知的情動調節について

www.mdpi.com

  • Sustainability | Free Full-Text | Temperament, Character and Cognitive Emotional Regulation in the Latent Profile Classification of Smartphone Addiction in University Students. https://www.mdpi.com/2071-1050/14/18/11643

概要 COVID-19以降、スマートフォンの利用頻度は増加傾向にあり、スマートフォンの用途が多様化した現代社会では、スマートフォン嗜癖の問題が深刻化することが予想さ れる。最近の研究によると、スマートフォン嗜癖の深化や緩和には、認知的感情調整戦略が有効であることが証明されている。そのため、認知的感情調節方略を含む様々な心理社会的アプローチによるスマートフォン嗜癖の特徴を把握することが必要である。本研究の目的は、スマートフォン嗜癖潜在的なプロファイルを分類し、分類されたグループの傾向や差異を検証することである。対象は、年齢幅22~25歳の大学生333名である。対象者全員に、行動嗜癖基準に基づくスマートフォン嗜癖尺度(SAS-B)、温度・性格目録(TCI)、認知感情調節質問票(CERQ)を受診してもらいました。人物中心アプローチを行うため、Latent Profile Analysis(LPA)を用い、Mplus 7を用いて分析した。その結果、スマート嗜癖潜在的なグループの分類に有意差があった。また、スマートフォン嗜癖における気質・性格と認知的感情調整方略には高い相関があることがわかった。本研究は、今後、スマートフォン嗜癖に応じた治療・予防アプローチのための基礎データとして有用であると期待される。

2.2.1. 行動嗜癖基準に基づくスマートフォン嗜癖尺度(SAS-B) 本研究では,行動嗜癖基準に基づくスマートフォン嗜癖尺度(SAS-B)[53]を用いて,スマートフォン嗜癖を測定した。スマートフォン使用に関する行動嗜癖の6つの基準すべてを含む際に、韓国人の特徴を考慮して質問票を作成した。SAS-Bは、スマートフォン嗜癖を顕著性、気分修正、耐性、離脱、葛藤、再発の下位領域に分類し、それぞれ4項目、合計24項目で構成されている。回答は5段階のリッカート尺度(「強くそう思う」=5点)で評価されます。合計得点が高いほど、スマートフォン嗜癖のレベルが高いことを意味する。

    1. Lee, Jonghwan, Jongmin Lim, Hanbek Son, Ho-Wan Kwak, and Mun-Seon Chang. 2016. “Development and Validation of a Smartphone Addiction Scale Based on Behavioral Addiction Criteria.” THE KOREAN JOURNAL OF COUNSELING AND PSYCHOTHERAPY 28 (2): 425.