井出草平の研究ノート

哲学

シャルル・ルヌヴィエ評

Gunnによるシャルル・ルヌヴィエのレビューで個人的に気になった部分について、特に他の思想家との比較をまとめたものである。ルヌヴィエ自体に興味が湧くことはなかったものの、ざっくりとした理解はできた。 デュルケームが師と書き残しているように、ルヌ…

ルヌヴィエ:その人と作品(II)

www.cambridge.org このような記事の枠内でルヌヴィエの哲学の主な特徴を示す以上のことをするのは難しい。もちろん、彼の著作に含まれる膨大な思想や議論の詳細を論じることは不可能である。1854年以前の彼の思想の中で最も重要な作品は、百科全書派の雑誌…

ルヌヴィエその人と作品(I)

シャルル・ルヌヴィエは、19世紀における哲学界の孤独で厳格かつ不屈の活動家の一人である。彼の強力な精神、道徳的な真剣さ、知的な活力は、尊敬と注目を集め、彼を同時代の哲学者の中でも高い地位に位置づけている。彼は、同時代のイギリス人スペンサーや…

パスカルの生の倦怠とデュルケームのアノミー

パスカルとデュルケームが少し似たようなことを言っている気がしたのでエントリを書き始めたのだが、よくよく確認するとパスカル的な考え方をデュルケームは批判的に取り上げ、嘆いているというのが実際のところだったので両者を引用して比較してみたい。 パ…