井出草平の研究ノート

社会学

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第27夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版p.261の8行目から。 ハビトゥスの説明、分類であり分類する動的なもの 経済的・社会的条件(すなわち共時的・通時的にとらえられた資本の量と…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第26夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 階級脱落と再階級化の弁証法的関係 あらゆる種類の社会過程の原理になっている階級脱落と再階級化の弁証法的関係は、関係しているすべての集団が…

ブルデュー『ディスタンクシオン』と車 その1

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 読書会で何かよくわからないが盛り上がったのがブルデュー『ディスタンクシオン』と車の話。 車に詳しいので盛り上がったのではなく、誰も詳しく…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第25夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版242ページから。 隠れたエンクロージャー 数字の上で層の厚みが下降線をたどっている商業経営者と農業従事者という二つのカテゴリーが、どう…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第24夜覚書 その1

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版233ページから。 美的資本 旧版233ページ 公的な、またとくに私的な官僚体制は、伝統的に男性に、それも多くは社会関係資本およびこの資本を…

石原英樹「日本における同性愛に対する寛容性の拡大 : 「世界価値観調査」から探るメカニズム」

ci.nii.ac.jp 石原英樹. 2012. 「日本における同性愛に対する寛容性の拡大 : 『世界価値観調査』から探るメカニズム」. 相関社会科学, no. 22: 23–41. いろいろと勉強になることがある。特に、学歴と寛容性の考察が興味深かった。 イングルハートは、大学教…

家族関係の満足度が排外意識を緩和し、外国人への寛容性へつながる

ci.nii.ac.jp 家族の緊密度ではなく、家族関係の満足度が排外意識を緩和し、外国人への寛容性へつながるという趣旨の論文。ほとんど知識がない分野の論文だが、興味深い結果で、面白い論文だった。 家族関係を計測の方法をちゃんと考える必要があるというの…

ゲームとモラル・パニック

www.taylorfrancis.com こちらの本の第2章からモラル・パニックについて。 Nicholas D. Bowman https://www.taylorfrancis.com/chapters/rise-refinement-moral-panic-nicholas-bowman/e/10.4324/9781315736495-2 モラル・パニックとは モラルパニックでは、…

アドルノFスケールの次元性

ci.nii.ac.jp 西山俊彦「カリフォルニア権威主義尺度の包括的検討」 アドルノのFスケールは因子分析はされていないが、aからiまでの9クラスターに分類されている。因子分析の研究は後生になってからである。 因襲尊重(Conventionalism) 伝統的,中産階級的価…

アドルノのFスケール

en.wikipedia.org カリフォルニアFスケール(California F-scale)は、1947年にテオドール・W・アドルノらによって考案された権威主義的性格を測定するための性格検査である。F-スケールは、従来主義、権威主義的な攻撃性、反侵入、迷信とステレオタイプ、権…

出身階層の資本構造と高校生の進路選択

ブルデューの理論をベースにした論文。 ci.nii.ac.jp 古田和久,2018,「出身階層の資本構造と高校生の進路選択」『社会学評論』69(1): 21-36. この論文のインプリケーションは以下のもの。 文化資本が優勢な層と経済資本が優勢な層を比べれば,前者の大学…

新型コロナのフェイク情報はリツイートされにくい

新型コロナ関連のTwitterの分析。International Sociologyの論文。 journals.sagepub.com インフォデミック COVID-19アウトブレイクは、公衆衛生上の緊急事態であると同時に、インフォデミックでもあるとされる。WHOは、SARS-CoV-2ウイルスに起因するパンデ…

圧縮近代と班圧縮近代

ci.nii.ac.jp 圧縮近代(Compressed modernity)という考え方があるらしい。ソウル大学のKyung-Sup Changの用語で、東アジアの近代化の論文などで使われているようだ。 第2の出生率低下は,いつ起こっただろうか.第2の低下はヨーロッパでは1960年代末から,日…

『社会学評論』におけるクロス表の表現

社会学などのカテゴリカル変数を扱う分野では、クロス表での分析は良く行うが、雑誌論文にクロス表が掲載されていることは少ないように思う。分野によって何の情報を掲載するかは比較的異なるため、今回は社会学での掲載について見てみたい。『社会学評論』…

パスカルの生の倦怠とデュルケームのアノミー

パスカルとデュルケームが少し似たようなことを言っている気がしたのでエントリを書き始めたのだが、よくよく確認するとパスカル的な考え方をデュルケームは批判的に取り上げ、嘆いているというのが実際のところだったので両者を引用して比較してみたい。 パ…

デュルケムの契約の非契約的要素

ci.nii.ac.jp 流王貴義さんのデュルケムの議論。 本稿は「契約における非契約要素」とは契約法である,との解釈を提示する. 僕はデュルケム研究者ではないので、あまりよく知っているわけではないが、このタイプの解釈は初めて見た気がする。 契約の非契約…

表層研究における検定の必要性--全数調査に検定は必要か

もう1ヶ月以上前になってしまうけども(←書くならもっと早く書け)、札幌学院大学で日本社会学会の一般報告で質問をしたのだが、質問がすこし言葉足らずだった気がしたので、少し補足をしようと思う。 いろいろな部会で質問をしたのだけど、補足をするのは下…

家族を超える社会学

家族を超える社会学―新たな生の基盤を求めて作者: 牟田和恵出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2009/12/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 37回この商品を含むブログ (9件) を見る 少しだけ書かせて頂いています。 家族を超える社会学 目次 序 家族のオル…

ロストジェネレーションは計量的に支持されない

ロストジェネレーションというのは1973〜1982年生まれの世代のことを指す*1。景気の悪かった、いわゆる「失われた十年」に就職をしなければならなかった世代である。彼らは不景気により、正規雇用を得ることができず、割を食ったということである。2005年に…

鈴木謙介『サブカル・ニッポンの新自由主義』の仮説を量的実証するためのメモ書き

サブカル・ニッポンの新自由主義―既得権批判が若者を追い込む (ちくま新書)作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/10メディア: 新書購入: 11人 クリック: 185回この商品を含むブログ (99件) を見る このエントリでは『サブカル・ニッポンの新…

吉川徹『大卒と非大卒で二分する日本 格差の正体は「学差」にある』

吉川徹『大卒と非大卒で二分する日本 格差の正体は「学差」にある』 http://www.gakuryoku.gakken.co.jp/pdf/articles/2009/10/p2-5.pdf ネットで読めるようなので記事紹介まで。 大阪大学の吉川徹准教授は、今の格差社会の主成分は学歴だと主張する。そして…

面白い話が聞きたいならば、難波花月にでも行けばよい

若年非正規雇用の社会学‐階層・ジェンダー・グローバル化 (大阪大学新世紀レクチャー)作者: 太郎丸博出版社/メーカー: 大阪大学出版会発売日: 2009/06/04メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (12件) を見る 太郎…

太郎丸博『若年非正規雇用の社会学』

若年非正規雇用の社会学‐階層・ジェンダー・グローバル化 (大阪大学新世紀レクチャー)作者: 太郎丸博出版社/メーカー: 大阪大学出版会発売日: 2009/06/04メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (12件) を見る デタ━━…

マイヤー論文

歴史学の方法 (講談社学術文庫)作者: Max Weber,マックスヴェーバー,祇園寺則夫,祇園寺信彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/03メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 明日の読書会の本。やはりヴェーバーは何度も読み返さなき…

羽入辰郎『マックス・ヴェーバーの哀しみ』

マックス・ヴェーバーの哀しみ―一生を母親に貪り喰われた男 (PHP新書)作者: 羽入辰郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/11メディア: 新書購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (18件) を見る ヴェーバーの精神疾患はその意味では正しいのであ…

サブ政治

篠原一の『市民の政治学―討議デモクラシーとは何か』(ISBN:4004308720)を読んでいて「サブ政治」の解説部分が簡潔で分かり易かったのでメモ。「サブ政治」という用語はベックの『危険社会』(ISBN:4588006096)でも後半に頻出している。 しかし、社会国家とい…

保険統計的な記述

池田清彦『環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)』のアマゾンのカスタマ・レビューを読んでいると興味深い記述があった。ちなみに、この本は地球温暖化やダイオキシンなどの環境問題への批判をした本である。 でたらめが書かれている, 2006/3/6 By kbzkbrmj2…

ウルリッヒ・ベック『危険社会』

危険社会―新しい近代への道 (叢書・ウニベルシタス)作者: ウルリヒベック,Ulrich Beck,東廉,伊藤美登里出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1998/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 97回この商品を含むブログ (85件) を見る 読書会関係で読む。 こ…

学問バトン

id:seijotcpさんから回ってきた学問バトンです。 もともとはこちら→http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20070716/p1 7月16日のエントリなので1ヶ月ほど放置(;´Д`) すんません・・・・> chikiさん ともかく、書きました! あなたの専門・専攻・得意教科…

中村牧子「歴史的視点からみる近代化・流動化・平等化」

流動化と社会格差 (講座・社会変動)作者: 原純輔出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2002/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る この本から中村牧子氏のコラム(54-8ページ)より。近世における移動について述べられている。(参照:http:…