井出草平の研究ノート

まとめてT検定を行う その1[R]

こちらの方の解決法。 www.rpubs.com おそらくこのブログを書いておられる方。 https://blog.goo.ne.jp/r-de-r 同じグループ間(治療群対プラセボ群)で異なる変数(年齢、身長、体重、罹病期間、疾患など)について複数のt検定(またはウィルコクソン検定)…

脳所見過剰重視症候群

ci.nii.ac.jp Brain Overclaim Syndrome という言葉がある(Morse 2007)。日本語に訳すのであれば「脳所見過剰重視症候群」となろう。「脳至上主義」という言葉をあてることも可能である。 「Syndrome 症候群」といっても,通常の意味での病名や症候群名で…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第33夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版306ページ、普及版325ページから。 見えるものと見えないもの Le visible et l’invisible という章。同様の名前の付いた有名な本がある。 Le …

従来メディアでも新しいメディアでも人の幸福度に与える影響に違いはない

www.nature.com Niklas Johannesの論文。アンドリュー・シュビルスキーのグループによる論文である。 Johannesはおそらくこの人。 www.youtube.com 概要 書籍のような伝統的なメディアは幸福感を高めるが、新しいメディアはそうではないとされることが多い。…

サズ『狂気の思想』第二章 精神病の神話

狂気の思想―人間性を剥奪する精神医学 (1975年)作者:トーマス S.サズAmazon サズ『狂気の思想』序論 - 井出草平の研究ノート 続き。 ナポレオンか共産主義者か この際、それが精神症状とみなされるのは、患者はナポレオンでなく、共産主義に迫害されてもいな…

今学期のおすすめ学習アプリ2021年秋

学生たちに学習アプリのおすすめを聞く授業のまとめ。 今までに登場したアプリ・ソフトウェアはこちらを参照してください。 今学期のおすすめ学習アプリ - 井出草平の研究ノート 今学期のおすすめ学習アプリ2019年春 - 井出草平の研究ノート 今学期のおすす…

サズ『狂気の思想』序論

トーマス・サズの1970年の著作。"Essays on the Psychiatric Dehumanization of Man"と副題があるように、既に発表されているエセーを集めた本である。 狂気の思想―人間性を剥奪する精神医学 (1975年)作者:トーマス S.サズAmazon Ideology and Insanity: Ess…

リッカート尺度の問題点とサーストーンスケーリングの復権

下記の論文から。 www.cambridge.org 「リッカートから75年:サーストンは正しかった!」 DRASGOWとCHERNYSHENKOとSTARKらのの論文。 サーストンの計測 1920年代後半、ルイス・サーストンは一連の注目すべき論文の中で、「態度は測定できる」(1928)と主張…

第7次宮崎県医療計画(素案)に関するメモ

宮崎県が「第7次宮崎県医療計画中間見直し」(素案)に対する意見を募集中です。今回の素案に「ネット依存・ゲーム障害」が追加されています。P49https://t.co/wKwHRtCrHo1月6日必着。メールでも意見を送れるので、宮崎県民の皆さんぜひお願いします。— なんじ…

医療化の再検討----医学的知識の前提をめぐる批評

www.frontiersin.org Tiago Correiaによる論文。 アブストラクト 医療化という概念は非常に大きな影響力を持ち、実証的な研究によって、医療化は医療従事者や科学者の努力だけでなく、自分の苦痛を「医療」問題として定義することによって正当化しようとする…

子守国家からセラピー国家へ(マイク・フィッツパトリック)

www.ncbi.nlm.nih.gov 子守国家からセラピー国家へ From ‘nanny state’ to ‘therapeutic state’ マイク・フィッツパトリック Mike Fitzpatrick 公衆衛生政策のあらゆる議論に「ナニー・ステート(子守国家)」という厄介者が漂っている。公共の場での喫煙、…

不登校の不安の種類は状態-特性不安である

Gilles Brandibasによるフランスにおける不登校の研究。 journals.sagepub.com アブストラクト フランスの中等専門学校における不登校は、大きな懸念材料となっており、今回の調査もそのような背景から行われた。しかし、無断欠席truancy に関連する問題では…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関する先行研究のレビュー

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov こちらは先行研究のレビュー。 青少年の学校欠席と登校拒否行動:現在のレビュー 概要 学校を欠席することは、メンタルヘルスの専門家、医師、教育者にとって深刻な公衆衛生上の問題である。暴力、傷害、薬物使用、精神疾患、経済的…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第30夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版2887ページ、普及版307ページから。 男性らしい食物 たとえば庶民階級において、魚は男性にはふさわしくない食物とされているが、それはただ…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第32夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版297ページ、普及版316ページから。 欲しくても我慢する 通常の機会においては主として女性が自らに制限を課す----二人で一切れしかとらないと…

体力テスト 県内小学生、過去最低点 コロナ、ゲーム時間影響 中学女子は最高の全国14位(四国新聞)

news.line.me 県教委は「新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や、スマートフォンやゲームの長時間利用で日々の運動時間が減ったことが影響したとみられる。子どもの運動意欲を高める取り組みを推進する」 せっかく、条例を作ったのに、あまり効果がで…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第31夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版294ページから。普及版311ページから。 職業にふさわしい風貌 292-293ページの写真から。 ディスタンクシオンには写真が並ぶところがあるが、…

for文[R]

statisticsglobe.com 例1: Rでベクトルをループする この例では、for-loopを使ってベクトル上をループする方法を説明する。 i in 1:10: iの中に1]から10までを代入していく i^2: 計算式 for(i in 1:10) { # for文ヘッド x1 <- i^2 # コードブロック print(x1…

破壊的行動をとる子どもにおけるCBCL Dysregulation Profileの臨床的有用性

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov Aitken, Madison, Marco Battaglia, Cecilia Marino, Nivethine Mahendran, and Brendan F. Andrade. 2019. “Clinical Utility of the CBCL Dysregulation Profile in Children with Disruptive Behavior.” Journal of Affective Di…

マルチグーループSEM(多母集団同時分析) 配置不変モデル[Mplus]

マルチグーループSEMをMplusで行う。データはHolzingerSwineford1939を用いる。Mplus用のデータへの変換は下部参照のこと。 今回は配置不変モデルのみ。 Grant-White学校のSEMのダイアグラム。 コード TITLE: Multiple Group SEM using HolzingerSwineford19…

CBCL小児双極性障害プロファイルとADHD、併存症と量的形質遺伝子座分析

www.ncbi.nlm.nih.gov McGough, James J., Sandra K. Loo, James T. McCracken, Jeffrey Dang, Shaunna Clark, Stanley F. Nelson, and Susan L. Smalley. 2008. “CBCL Pediatric Bipolar Disorder Profile and ADHD: Comorbidity and Quantitative Trait Lo…

ウィルコクソンの符号順位検定 Wilcoxon signed-rank test[R]

対応のあるt検定に対応したノンパラメトリック検定。ウィルコクソンの順位和検定Wilcoxon rank-sum testとは異なる。 ja.wikipedia.org ウィルコクソンの符号順位検定 Wilcoxon signed-rank test wilcoxon.test (variable1, variable2, Paired=TRUE) Wilcoxo…

暴力的なゲームは「人間を攻撃的にしない」独研究所 (ナゾロジー)

nazology.net 元論文はこちら。 www.nature.com 2019年の論文なのでこの分野に詳しい人にとっては有名な論文である。 論文の位置づけ この種の論文はわりと書かれており、先行研究としてまとめられているとおりである。 短時間のビデオゲームの結果に焦点を…

「ゲーム障害」を病気として認定したWHO、認定の科学的根拠を答えられず(スラド)

スラドにも取り上げられた模様。 srad.jp

小6娘のグループLINEが無法地帯!親がどこまで関わるべき?【小川大介先生の子育てよろず相談室】(レタスクラブ)

www.lettuceclub.net 世の中の子育てをしている親の心配していることはゲームよりLINEやSNSなのでしょう。 相談者は、対応としては十分できているように思える。 LINEなど視覚化され、親にも子供の世界が把握できるようになったので、コントロールという意味…

ブルデュー『ディスタンクシオン』輪読会第29夜 覚書

ディスタンクシオン <1> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー作者:ピエール・ブルデュー藤原書店Amazon 旧版276ページ、普及版295ページから。 フランスのカフェ 279ページ。 ブルジョワ的あるいはプチブル的カフェやレストランにおいては、各テーブル…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関する先行研究のレビュー その1

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov こちらは先行研究のレビュー。 青少年の学校欠席と登校拒否行動:現代レビュー 概要 学校を欠席することは、メンタルヘルスの専門家、医師、教育者にとって深刻な公衆衛生上の問題である。暴力、傷害、薬物使用、精神疾患、経済的困…

ICD-11作成の中心メンバーの一人ジェフリー・リード氏、ICD-11にゲーム障害を収録に関して「アジアの国々から大きな圧力を受けている」と証言する

アンドリュー・シュービルスキー氏がゲーム障害にエビデンスが薄弱であるとWHOからメールを受け取った件の続報である。事情を把握されていない方は以下のリンクを参照されたい。 ides.hatenablog.com ジェフリー・リード氏がICD-11にゲーム障害を採用するこ…

アンドリュー・シュビルスキーがWHOにゲーム障害の根拠を問い合わせたところ、根拠を示すことができなかった上に、ゲーム障害の解説ページを削除する事態に陥る

ゲームメディアNMEの記事。 www.nme.com ゲーム障害の導入に慎重な立場のアンドリュー・シュビルスキーが、ゲーム障害がICD-11に採用されたのはなぜか? それほどエビデンスが積み重なっていたわけではないのに、どういう過程で採用されたのか? 自分が知ら…

Kearneyによるスクール・アブセンティズムに関するレビュー その3

前回からの続き ides.hatenablog.com link.springer.com Kearney, Christopher A. 2008. “An Interdisciplinary Model of School Absenteeism in Youth to Inform Professional Practice and Public Policy.” Educational Psychology Review 20 (3): 257–82.…