- O’Nions, E., El Baou, C., John, A., Lewer, D., Mandy, W., McKechnie, D. G. J., Petersen, I., & Stott, J. (2025). Life expectancy and years of life lost for adults with diagnosed ADHD in the UK: Matched cohort study. The British Journal of Psychiatry, 1–8. https://doi.org/10.1192/bjp.2024.199
要旨
背景
成人の3%近くが注意欠陥・多動性障害(ADHD)であるが、英国ではそのほとんどが診断されていない。 ADHDの成人は平均して、教育や雇用の成果が悪く、身体的・精神的健康が悪化し、早死にする可能性が高い。 英国でも世界でも、ADHDと診断された成人が経験する寿命の欠損を、死亡率データを用いて調べた研究はまだない。
目的
本研究では、英国のプライマリ・ケアのデータを用いて、生命表法を用いてADHDと診断された人の余命不足を算出した。
方法
前向きに収集されたプライマリ・ケアのデータを用いたマッチド・コホート研究(792の一般診療所、9,561,450人が2000年から2019年までの対象者時間に貢献)。 ADHDと診断された18歳以上の3039人と、年齢、性別、プライマリケア診療でマッチング(1:10)させた300 390人の比較群を同定した。 ポアソン回帰を用いて年齢別の死亡率を推定し、生命表を用いてADHDと診断された18歳以上の人々の平均余命を推定した。
結果
コホートの成人の約0.32%がADHDの診断を受けており、ADHDの成人全体の約9人に1人であった。 一般的な身体的および精神的健康状態の診断は、比較群よりもADHDと診断された成人でより一般的であった。 一般集団に対するADHDと診断された成人の明らかな平均余命の短縮は、男性で6.78年(95%CI:4.50~9.11)、女性で8.64年(95%CI:6.55~10.91)であった。
結論
ADHDと診断された成人は、本来よりも短い人生を送っている。 これはおそらく、修正可能な危険因子や、ADHDと併発する精神的・身体的健康状態の両方において満たされていない支援や治療のニーズが原因であると私たちは考えています。 この研究は、ADHDと診断された成人のデータから得られたものである。この結果は、ADHDを持つ成人の大多数が未診断であるため、成人全体に一般化されるとは限らない。