井出草平の研究ノート

ひきこもりとゲーム障害は関連。オーストラリアでは親同居でゲーム障害が悪化

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    1. Stavropoulos, E. Anderson, Charlotte L. Beard, M. Latifi, D. Kuss, M. Griffiths, 2019, A preliminary cross-cultural study of Hikikomori and Internet Gaming Disorder: The moderating effects of game-playing time and living with parents, Addictive Behaviors Reports. 9:001-1 DOI:10.1016/j.abrep.2018.10.001

ひきこもりとインターネットゲーム障害に関する異文化間予備調査。ゲームのプレイ時間と親との同居による調整効果
背景 インターネットゲーム障害(IGD)とひきこもり(社会的現実の引きこもりの極端な形で、個人が社会から孤立する)はともに、特に若年成人集団において、さらなる臨床研究が必要な精神疾患であることが示唆されている。目的 既存の文献に加えて、本研究では、異文化間の横断的なデザインを用いて、ひきこもりとIGDの関連性、および報告されたゲームのプレイ時間と親と同居していることの潜在的な調整効果を調査した。方法 大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)ゲームをプレイしているオーストラリアの若者153名と米国・北アメリカの若者457名の2つのオンラインサンプルを収集した。IGDとひきこもりをそれぞれ次元的に評価するために、9項目のInternet Gaming Disorder Scale-Short Form (IGDS-SF9)とひきこもり社会的ひきこもり尺度を実施した。結果 線形回帰分析により、ひきこもりの症状がIGDと関連していることが確認された。さらに、モデレーション分析により、両集団ともにゲームのプレイ時間が長いほど、関連性が悪化することが示された。また、オーストラリアの集団では、両親と同居しているゲーマーが関連性の有意な調整因子であった。結論 極端な現実の社会的引きこもりとIGDは関連しており、この関連性は、MMOの1日のプレイ時間が長く、オーストラリアの参加者の場合は親と同居している場合に悪化することがわかった。