井出草平の研究ノート

ゲーム障害とADHDの両方を持つ若年成人は衝動性と敵意が高く、その敵意はADHDとゲーム障害の関連を媒介

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  • Yen, Ju-Yu, Tai-Ling Liu, Peng-Wei Wang, Cheng-Sheng Chen, Cheng-Fang Yen, and Chih-Hung Ko. 2017. “Association between Internet Gaming Disorder and Adult Attention Deficit and Hyperactivity Disorder and Their Correlates: Impulsivity and Hostility.” Addictive Behaviors 64 (January): 308–13.

インターネットゲーム障害と成人の注意欠陥・多動性障害との関連性とその相関性。衝動性と敵意。
インターネットゲーム障害(IGD)および注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、衝動性および敵意と関連している。本研究では、ADHD、衝動性、敵意、およびIGDの関連を評価した。87名のIGD患者と87名のIGDの既往のない対照者を募集した。参加者全員に、DSM-5 IGD基準とDSM-IV-TR ADHD基準に基づく診断面接を行い、衝動性と敵意に関する質問票を記入してもらった。診断面接で得られた情報は、臨床的グローバル印象尺度を用いて評価した。その結果、IGDは若年成人のADHDと関連しており、IGDとADHDの両方を持つ若年成人は衝動性と敵意が高いことが示唆された。さらに、衝動性と敵意は、ADHDとIGDの関連を媒介していた。このように、ADHDは若年成人におけるIGDの一般的な併存疾患であり、衝動性と敵意はADHDとIGDの併存に関与する主要な要因である。ADHDの若年成人は、特に衝動性と敵意を十分に評価し、IGDに対する介入策を開発する必要がある。