- Kato, T. A., Sartorius, N., & Shinfuku, N. (2024). Shifting the paradigm of social withdrawal: A new era of coexisting pathological and non-pathological hikikomori. Current Opinion in Psychiatry. https://doi.org/10.1097/YCO.0000000000000929
要旨
レビューの目的 ひきこもり症候群は、日本では1990年代後半から注目されるようになった。ひきこもりは都市部に多く、精神障害と併存することが多く、今や世界中に広がっている。COVID-19以降の時代では、外出しないこと自体がもはや「ニューノーマル」としてpathological であるとは考えられておらず、ひきこもりという新しい概念が必要とされている。本総説では、ヒキコモリの概念を要約し、ヒキコモリを判別するための最新の方法を紹介する。
最近の知見
九州大学のひきこもり研究室で開発された「ひきこもり診断評価 Hikikomori Diagnostic Evaluation(HiDE)」という尺度を用いて、pathological ひきこもりと非pathological ひきこもりを区別することができる。また、非就労者を対象としたインターネット調査により、pathological ひきこもりになって3ヶ月未満の人は、特にゲーム障害やうつ病の傾向が強いことが明らかになった。
まとめ:
現在、物理的な孤立自体はpathological なものではないが、機能障害や苦痛が存在する場合には、迅速なメンタルヘルス支援が必要である。現代の新しい都市社会では、社会的孤立が引き金となる精神障害の予防のために、家に引きこもっている人が幸福なのか苦痛なのかを評価する検診システムの確立が重要である。
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