摂食障害から引きこもり…映画「私をみつめて」

摂食障害に悩み、約10年間、引きこもり生活を体験した河合由美子さん(37)=羽曳野市野々上5=を追ったドキュメンタリー映画「私をみつめて」(木村茂之監督、原一男製作)が現在、第七藝術劇場淀川区十三本町1)で上映されている。ネット恋愛や自殺未遂を経て、母親との散歩から再び外に出られるようになった河合さんに、「生き方に不器用な自分と付き合う方法」を聞いた。

23日に行きたし

Watch!:摂食障害から引きこもり…映画「私をみつめて」出演の河合さん /大阪
 ◇とにかくやってみる。失敗も次につながる
 摂食障害に悩み、約10年間、引きこもり生活を体験した河合由美子さん(37)=羽曳野市野々上5=を追ったドキュメンタリー映画「私をみつめて」(木村茂之監督、原一男製作)が現在、第七藝術劇場淀川区十三本町1)で上映されている。ネット恋愛や自殺未遂を経て、母親との散歩から再び外に出られるようになった河合さんに、「生き方に不器用な自分と付き合う方法」を聞いた。【福田隆】
 河合さんが摂食障害になったのは中学時代。「ダイエットしてチヤホヤされたが、今度は太るのが怖くて、食べては吐き、下剤を飲んで、ただひたすら体重38キロを維持した」。自己嫌悪に陥り、何をやっても楽しくない。高卒後に入った専門学校もすぐにやめ、ネットの世界に没頭した。
 ネット上のもう1人の自分「tenko」は出会いを求め、うそを重ねた。他人の写真を使い、年齢も偽った。広がる現実とのギャップ。「当時の体重は60キロ弱程度で、今考えれば気にすることはなかった。でも当時は『デブ』と言われるのが怖く、ますます外出できなくなった」
 精神状態は悪化し、死ぬことばかり考えた。ネットで購入した睡眠薬で自殺を図るが、ネット友達の119番通報で一命を取り留めた。精神病院に入院し、自己愛性人格障害摂食障害の診断を受けた。
 退院後、母親と2人で散歩を始めた。最初は人の目に付かぬよう、真夜中に自宅から離れたところまで車で移動して、池の周りを歩いた。ハンバーガーショップにはドライブスルーから挑戦し、徐々に店内に足を運んだ。
 子どものころ訪れた山や、中学校の校庭にトーテムポールを見に行ったこともあった。映画館に通い始めたのは03年夏。そこで、本作品の撮影スタッフに出会った。「とにかく自分の話を聞いて!」。出演にためらいはなかった。
 「作品を見ると恥ずかしい」と河合さん。04年秋の初上映後、引きこもり勉強会の講師などとして、全国各地にでかける。先月末には映画大国インドに渡り、大学などに上映の売り込みに出かけた。また、大阪電気通信大学公開講座で、引きこもり体験者のワークショップをサポートするなど、多忙な毎日だ。
 「今でもしんどくなることがあるけど、映画や水泳など、気分転換の方法をいくつか作っています」と河合さん。「とにかく、何でもいいからやってみること。失敗しても、次に必ずつながるから」。同じ悩みを持つ人々にエールを送った。
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 映画は56分。17日までは午後8時50分、18〜24日は午後9時20分から。18、19、23日は上映後、河合さんらによるトークショーがある。同劇場(06・6302・2073)。

2月12日朝刊
毎日新聞) - 2月12日13時1分更新