日本での拒食症の診断基準を作ったのが「厚生省特定疾患・神経性食思不振症調査研究班」というところらしい。
- 標準体重の−20%異常のやせ
- やせがある時期に始まり,3カ月以上持続する。
- 発症年齢:30歳以下
- 女性
- 無月経
- 食行動の異常(不食・多食・かくれ食い)
- 体重に対する歪んだ考え(やせ願望)
- 活動性の亢進
- 病識が乏しい
除外規定(以下の疾患を除く)
A:やせをきたす器質性疾患
B:精神分裂病,うつ病,単なる心因反応
除外規定を満たすものを広義の本症とする。全項目を満たすものを狭義の本症とする。
ちなみに他の診断基準と比べて異なるのは以下の点。
- BMIが20以下(ICDは-17.5, DSMは15%以下もしくは17.5kg/m2)
- 発症年齢が30歳以下(DSMとICDにはこの項目が無い)
- 自己評価項目がない(DSMとICDには「自己評価が体重によって過度に影響を受ける」という項目がある)
過食症の診断基準が日本にはないと『みんなで学ぶ過食と拒食とダイエット―1000万人の摂食障害入門』にはある。
本症は生命的にも予後は悪く、全体的に言えば臨床経過の長い予後不良な疾患といえます。以前の予後調査(厚生省特定疾患・神経性食思不振症調査研究班)によれば、予後判定できた143例中で治癒33%、軽快48%、不変13%、死亡6%であり、発症年令では若年発症のほうが予後が良かったとのことです。臨床症状では、過食・嘔吐・下剤の乱用・自殺企図・性的逸脱のみられる群では、死亡例が多かったり、治癒・軽快率が低い傾向がみられました。
原典はどこにあるのかと探していたら、手近にあった。
さすが、なにわ大学・医学部の図書館。ちゃんと持ってらっしゃる。