摂食障害に関するメモ

切池信夫の本より国際比較データをメモ。

 拒食症ついて、英国では若い女性の100人に1人というデータもありますが、最近の結果では若い女性の1000人のうち1人か2人となっています。一方米国では1000人のうち1〜5人といわれています。一方過食症について、英国では若い女性の100人のうち1.5〜3.8人、米国では2.2〜3.5人と報告されています。このように過食症患者は、拒食症患者に比べて約10倍多く、西洋社会の若い女性においては、過食症が高率に認められるようです。(p10)

 欧米では1970年頃、日本では1980年頃から、日本を除く非西洋諸国の一部の国では1990年頃から、すなわちこの10〜30年間に拒食症や過食症などの摂食障害が若い女性を中心に増加していることを前章で説明しました。現在では、摂食障害を現代病または文明病と考える風潮があります。(P19)


ひきこもりと摂食障害を比較する時の変数は3つ

  1. 時間……70年代から増加
  2. 空間……発生(文化)地域
  3. 性別……ひきこもりは男、摂食障害は女に多い


ひきこもりと時間的に歩調をあわした動きを示すのは不登校現象。不登校の結果(予後)としてひきこもりが出てきた経緯がある。ここには共変関係だけではなく、因果関係も存在する。


ひきこもりと摂食障害の場合は時間的には同じ時期に現れている。従って、共変関係はあるが、因果関係については不明。大きく見れば、時代の変化が説明変数となって、ひきこもりや摂食障害が被説明変数になるのかもしれない。そう考えると、空間的差異(文化的要因の相違)さえコントロール出来れば、性別的差異の比較が可能となる。


文化的(空間的な)な現れ方について少しだけまたメモ。

 これらのことから、今日、体重や摂食行動に関する問題は欧米独得の現象ではなく、文化の壁を破り全世界的な現象になってきていると指摘されています。(p11)


ひきこもりは韓国・台湾・イギリスで見られると言っても、やはり、まだまだ日本独特の現象であるといえる。一方で、摂食障害は欧米の白人女性から始まり、先進国では広く見られる現象となっている。


日本での簡単な流れ。

 わが国においては、他のアジア諸国に比べて早く1956年頃から拒食症の患者が報告されています。この頃の患者の特徴として腹部膨満感や胃部不快感により食事量が減少して著しい痩せに至り、成熟拒否が摂食量低下の原因と考えられていました。
 しかし、1960年に人り痩せ願望や肥満恐怖を中心の症状として摂食量が減少して拒食症に陥った患者が次々と報告されるようになりました。そして1977年には厚生省特定疾患調査研究班が組織され、拒食症の臨床的統計的研究が始められ、翌年にはその診断基準が作成されています。
 一方過食症について、1977年に野上らは「気晴らし食い」が、神経症圏、境界例圏、拒食症圏の患者にみられ、これらのうち、意図的な嘔吐、下剤や痩せ薬の乱用などが拒食症患者に見られることを報告しました。そして1985年煩から過食症の患者が次々と報告されるようになっています。
 1985年には全国1030カ所の病院に拒食症の実態調査が施行され、約1000人の患者が報告されています。そして1993年に再調査され、拒食症が約1700人、過食症が約700人と報告されています。この結果から10〜29歳の女性10万人に対して拒食症は約15人、過食症は約7人と推定されました。
 さらに病院を受診していない一般女子高校生や大学生に対するアンケート調査でも拒食症や過食の患者が増加し、過食症の有病率については欧米と同程度と推定されています。
 これらの結果から日本では、拒食症の患者数は他のアジア諸国に比べて高率ですが、欧米と比べるとまだ低いようです。しかし、一般女性において、過食症の有病率は他のアジア諸国と異なり、欧米の結果とほぼ同程度高率にみられるようです。(p11-2)

日本における拒食は欧米より少ないが過食は同レベル。


ひきこもりと同じく摂食障害は不可視の問題。正確な実数の把握はひきこもりと同じく出来ていないようだ。人数的には、ひきこもりと同レベルで存在するということか。