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摂食障害、初の全国組織 患者・家族・医師ら情報交換や交流/奈良 朝日新聞 2001年11月6日 朝刊 奈良2
摂食障害、初の全国組織 患者・家族・医師ら情報交換や交流/奈良
過食症や拒食症などの摂食障害に悩む患者や家族、治療に携わる医師らが「日本摂食障害ネットワーク」を大阪で立ち上げた。今後は、講演会を兼ねた総会を毎年開き、機関紙やホームページを通して互いの情報交換や交流を図り、障害への社会的な理解を広める。摂食障害の患者や家族らを結ぶ全国組織の発足は初めてという。
神戸女学院大学の生野照子教授(心身医学)らが中心になった。生野教授は大阪市大付属病院の小児科医師としても摂食障害の子どもの治療にあたっている。子どもたちの家族に呼びかけ、85年に「あゆみの会」を発足。学習会や機関誌を通じて交流してきた。
生野教授は95年、ロンドンで開かれた摂食障害の国際学会に出席。「英国摂食障害協会」が患者や家族、医師らが参加した組織づくりをして出版活動や24時間対応の電話相談に取り組んでいることを知った。日本でも同様の全国組織を、と思いネットワーク発足にこぎつけた。
設立総会のシンポジウムで、生野教授ら3人の専門家が意見を交わした。国立精神・神経センター精神保健研究所(千葉県市川市)の医師伊藤順一郎・社会復帰相談部長は、摂食障害で自信や自尊心が失われると指摘。「自分の良いところを無理にでも認め自分を許すことが大事。自分自身を独りで支えるのは難しくネットワークが力になれば」と話した。会場からは元患者の女性が「医師は患者に治るようにと期待をするが、生きているだけでいいじゃないかと思っている患者もいる」と訴えた。生野教授は「医師と患者に視点の違いがあって当然。ネットワークは違いを見極めて結びつけるものだ」と話した。
ネットワークは患者や家族、団体の参加を呼びかけている。問い合わせは事務局の上原さん(090・3874・5739、火曜〜金曜の午後5〜7時のみ)。